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がんで足を失ったゴールデン・レトリバーと相棒犬の強い絆 オーナーが撮る2頭の姿が美しい

2020年05月14日 21:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

がんを患う前の“キコ”と相棒の“ワトソン”(画像は『Watson & Kiko 2018年4月20日付Instagram「Thank you for being there when I need you the most.」』のスクリーンショット)
人に寄り添い、静かにそばにいてくれる犬の存在はPTSD(心的外傷後ストレス障害)など心の病と闘う人にとって大きな心の支えとなるものだ。メキシコ出身の写真家ジェニファー・メドラノさん(Jennifer Medrano、26)もまたゴールデン・レトリバーの“キコ(Kiko、8)”と“ワトソン(Watson、5)から心理的サポートを受けている1人である。そんな彼女が撮る2頭の仲睦まじい姿や旅行地での美しい写真は人々を瞬く間に魅了し、2頭の専用インスタグラムは93万人のフォロワーを抱える人気アカウントとなった。『Daily Mail Online』『Internewscast』などが伝えている。

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PTSDや社会不安に悩まされていたジェニファーさんのもとにESA(エモーショナル・サポート・アニマル)としてゴールデン・レトリバーのワトソンがやってきたのは2015年6月、彼が生後8か月頃であった。絆を高める一環としてジェニファーさんはワトソンにハグすることを教えた。ワトソンはいろんな芸を覚えたがどうやらハグすることが一番のお気に入りで、次第にジェニファーさんの命令なしでもハグをするようになった。

ワトソンを引き取った時、ジェニファーさんの家には同じくゴールデン・レトリバーのキコがすでにいた。キコは基本的に他の犬を寄せ付けずとても攻撃的なため、ジェニファーさんはワトソンを引き取るのを不安に思っていたが、そんな心配をよそに2頭は出会うや否やすぐ友達になったという。

「キコが受け入れた犬はワトソンだけよ。PTSDや社会不安を抱える私にとってこの2頭がそばにいることはすごく助けになっているの。」
「2頭は犬用ビスケットとリンゴを食べるのが好きで、常に一緒に行動しているわ。」

寝るのも、泳ぐのも、食べるのも、そして寄り添うのも常に一緒の仲睦まじい2頭がお互いを愛する姿は、ジェニファーさんに喜びを与えてくれるのだという。

写真家であるジェニファーさんと共に行動し、美しい大自然や満点の星空の下でのキャンプなどアドベンチャーをつづけてきた2頭であったが2019年5月26日、キコががんであることが判明した。

キコの右前足の骨はがんによって蝕まれ脆くなっており、骨折の恐れがあるため切断を余儀なくされた。また手術後の検査により骨肉腫が判明し、キコの余命は4~6か月であることを宣告された。8歳というキコの年齢と治癒することはない延命目的の化学療法による負担を考え、ジェニファーさんは積極的な治療は行わないことに決めたそうだ。

「残された時間を数えるのはやめたわ。今、私がすべきことはキコとの最期の時間まで過ごせることに日々感謝していくことよ。」


ジェニファーさんは人々へ少し喜びのおすそ分けと、キコのようにがんで足を失う犬たちの啓蒙活動をかねて2頭の絆を収めたインスタグラムを開設した。すると2頭がハグをして寄り添う愛らしい姿やジェニファーさんの美しい写真はたちまち話題となり、93万人ものフォロワーを抱える人気アカウントとなった。

「人気の理由は2頭がどの写真やビデオでもみせる愛情やつながり、思いやりね。あと2頭が一緒に訪れている美しい場所よ。」

5月29日でキコががんを患ってから1年を迎える。今もがんと闘うキコをジェニファーさんとワトソンは家族として日々支えている。

画像は『Watson & Kiko 2018年4月20日付Instagram「Thank you for being there when I need you the most.」、2019年6月15日付Instagram「Yesterday was very hard.」、2020年5月7日付Instagram「Tag that weird friend that you can’t live without because they are just to awesome.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)