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ジャニーズ期間限定ユニット J-FRIENDSからTwenty★Twentyに受け継がれる“意志” ジャニー喜多川の夢が形を変えて実現

2020年05月14日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

リアルサウンド編集部

 ジャニーズ事務所による、新型コロナウイルス感染拡大防止への支援活動「Johnny’s Smile Up! Project」。その一環として、期間限定ユニット「Twenty★Twenty(トゥエンティー・トゥエンティー)」を結成し、チャリティーソング「smile」を制作することが13日、発表された。


(関連:J-FRIENDS、再集結を望む声も V6 三宅健、KinKi Kids……ラジオで語られる特別な思い入れ


 リリースに関する詳細は、まだ明らかにされていない。


 これまでも、有事の際にはさまざまな形でチャリティー活動を行ってきたジャニーズ事務所だが、期間限定ユニットを結成し、楽曲を制作するのは二度目のことだ。


 1997年12月、阪神淡路大震災の復興支援を目的にTOKIO・V6・KinKi Kidsによる期間限定ユニット・J-FRIENDSが結成された。


 約6年間という活動期間の中で、彼らによる寄付金総額は9億円以上にものぼった。神戸市役所内には「ありがとうJ-FRIENDS」と題された記念碑が今も残されている。


 エンターテインメントが、こんなにも誰かの力になる。それが証明された時間だった。エンターテインメントと、それを愛する者が生み出すパワーは、ときに想像をはるかに上回る。記憶にも、記録にも残るチャリティー活動だった。


 J-FRIEDNSに続きTwenty★Twentyにも参加を表明しているKinKi Kids、そしてメンバー全員が関西出身である関ジャニ∞・ジャニーズWESTは、当時のJ-FRIENDSの活動や支援について、今回発表されたグループコメント内で触れている。


 ちなみに、年末恒例の『ジャニーズカウントダウンコンサート』も、元をたどれば1996年末、V6が被災地域である神戸ワールド記念ホールにて『V6 COUNTDOWN ’97』を開催したことがはじまりだ。翌97年には東京宝塚劇場でJ-FRIENDSとしてカウントダウンコンサートを開催し、会場にて募金活動やチャリティーグッズの販売を行った。あのころJ-FRIENDSが作り、残したものが、現在まで脈々と受け継がれている。それは「意志」も、同じくかもしれない。


 J-FRIENDSは、マイケル・ジャクソンやボン・ジョヴィ(ジョン・ボン・ジョヴィ、リッチー・サンボラ)といった海外の著名なアーティストからも楽曲提供を受け、リリースしたシングル・ミニアルバムはすべてオリコン初登場1位を獲得。シングル曲「Next 100 Years」ではB’zの稲葉浩志が訳詞を制作するなど話題を呼んだ。


 そして今回、楽曲「smile」を書き下ろしたのは、ジャニーズとは初のタッグとなる櫻井和寿(Mr.Children)。自身も、長きにわたって精力的にチャリティー活動を行っている櫻井は、ジャニーズが歌うことを前提としたからこそ書けた歌詞があるといい「ジャニーズの皆さんほど、このフレーズを歌うにふさわしい方はいない」と、歌詞の一部を明かしている。


だけど忘れないで
[君の笑顔に逢える]
それだけで生きていける僕がいる


 Twenty★Twentyのメンバーのなかには、櫻井に憧れる者も少なくない。櫻井が作った楽曲を歌うという、メンバーにとっては夢のようなコラボの実現が、こうした有事の際というのは少々、悔しくもある。それでも「ジャニーズの力」「ジャニーズにしかないもの」を信じて楽曲を託してくれた、櫻井の想いに応えたいとする声、責任感は、メンバーのコメントからもうかがえた。


 ジャニー喜多川が、何年も前から構想を練り、誰よりも待っていた「2020年」。このような形で迎えるとは、誰もが予想だにしなかっただろう。あのジャニー喜多川が2020年にいないという現実も、心のどこかでいまだ、信じることができない。


 参加メンバーであるSixTONESは、コメント内で唯一ジャニー喜多川について触れ、形を変えて実現するTwenty★Twentyに対し「感慨深い」という印象的な言葉を残した。


 2020年、世界をおもてなしする「日本のエンターテインメント」。ジャニー喜多川が描いていた壮大な夢の全貌は、今となっては誰も知り得ない。


 ただひとつ分かるのは、ジャニー喜多川が誰よりもエンターテインメントを、人々の笑顔を愛し、エンターテインメントを楽しむことのできる「平和な世界」を望んでいた、ということ。誰よりも「エンターテインメントの力」を信じていたのが、ジャニー喜多川だ。


 きっと彼が健在であったなら、この時勢に胸を痛め「今できる何か」を探し、行動しただろうと思う。偉大な父なき今、ジャニー喜多川の夢は、彼が遺した子どもたちが、手探りで繋いでいく。


 すでにいくつもの支援プロジェクトが動くなか、「音楽」という原点に立ち返ったTwenty★Twenty。


 新型ウイルスと共存し得る未来、再びエンターテインメントを心から楽しめる平和な世界がやってくるその日まで、人々の心を支え続ける存在であってほしい。(新 亜希子)