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halca新曲「時としてバイオレンス」はアニメのための曲でありラブソングでもある

2020年05月13日 18:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●"ザ・王道OP曲"と思うような疾走感
これまで『ぼくたちは勉強ができない!』や『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』など、数々のTVアニメの主題歌を歌ってきたシンガー・halcaが、5月27日に5thシングル「時としてバイオレンス」をリリースする(※配信は5月13日開始)。

『邪神ちゃんドロップキック’』のOPテーマに起用された爽快感のあるアッパーチューンで、自身初となるアニメOPテーマを担当することとなった。そんな新譜のリリースにあたってインタビューを敢行。充実のカップリング2曲も含めて、たっぷり語ってもらった(本インタビューはビデオ通話にて実施)。
○●自身の歌を振り返る機会として活かした、“STAY HOME"期間

――最近は自宅で過ごされる時間が増えていると思います。ライブ開催も難しい状況が続いていますが、そんななかで歌うことについての想いに何か変化はありましたか?

すごく鼻歌が増えました! ライブやイベント、レコーディングで早く歌いたいなっていう気持ちがあふれ出ているというか……有難いことに今まで歌える機会をたくさんいただいていたので、「歌いたい! 聴いてもらいたい!」という抑えられない気持がが出ているような感じなのかな、と思っています(笑)。あと、改めてCDで自分の曲を聴き返すと、「最近のライブではこう歌う癖があったけど、当時はこうやって歌っていたなぁ」という曲もありました。

――ご自身で、自分の変化に気づいた。

はい。それで、今の自分でもう1回歌ってみて聴き比べてみると、「ここは最近のほうがいいから、次のライブでもそうしよう」という部分や「ここは初心に戻って、CDの自分をお手本にしたほうがいいな」みたいなところもあったんですよ。そういうふうに自分の楽曲を振り返る、良い機会にもなりました。

――ニューシングルの表題曲「時としてバイオレンス」は『邪神ちゃんドロップキック’』のOPテーマですが、作品自体はもともと知っていましたか?

はい! ツッコミどころ満載な部分があったり、わかる人にはわかるようなパロディっぽいものが入っていたり、「それ流していいの!?」みたいな部分もあるとても賑やかな作品じゃないですか(笑)。そういうところがすごく面白くて、私も観てゲラゲラと笑っていたんです。でも、今まで主題歌を担当させていただいた作品は恋愛ものの作品が多くて、こういう女の子がいっぱい出てくるがっつりコメディな作品は初めてなので、最初にお話を聞いたときは「私が歌わせてもらえるの!?」ってびっくりしました。曲も「どんな曲になるんだろう?」とすごくわくわくしました。

――そのとき予想した曲調と実際の曲調は、結構近かったですか?

いい意味で近くなかったです。作品になぞらえてちょっとネタっぽい曲といいますか、わちゃわちゃした掛け合いとかがいっぱいあるような曲なのかな? と予想していたんですけど、"ザ・王道OP曲"と思うような疾走感のある曲で、嬉しかったです。あと、OP映像がプレミア公開されたときに私も観ていたんですけど……。

――どんな反応がありました?

映像のおかげもあって、"邪教徒"(※『邪神ちゃんドロップキック』ファンの総称)の方々が「あれ? 観るアニメ間違えたかな?」みたいにコメントされていて……「しめしめ」って思いました(笑)。正直にお話しすると、2期から主題歌を担当させていただくということに、ちょっと不安もあったんです。でも、邪教徒の皆さんはすごく優しく前向きに受け入れてくださって、みなさんからのコメントを見てとても嬉しかったです。「みんなで一緒に楽しく『邪神ちゃんドロップキック’』を盛り上げていこう!」という想いが感じられて、すごく温かさを感じました。
○●レコーディングで意識した、気持ちよさとOPらしさ

――そんなOP曲のなかで、halcaさんお気に入りのポイントは?

いっぱいあります! 全体的になんですけど、初めて聴いたときにベルが鳴っているような明るい感じもしましたし、特にサビでは階段を駆け上がっているような曲だなという印象も受けました。その2つのイメージが、聴いていてわくわくさせてくれているように思います。

――また、歌詞には邪神ちゃんとゆりねの関係も反映しつつ、アニメを離れてラブソングとしても聴ける曲のように感じました。

邪神ちゃんって、ほんとはみんなと仲良くしたいけどついつい意地悪しちゃってお仕置きされちゃうじゃないですか? なので"邪神ちゃんの曲"と思って歌うとツンデレの曲っぽいんですけど、ラブソングの目線から聴いてみると、追いかけても、追いかけても追いつけないすごく鈍感な人にアピールしているような感じがするんです。そういうところも、すごく面白い曲ですよね。

――ただ、そうなるとレコーディングでは多様なイメージのバランスを取るために、いろいろと考えて歌われた部分も多かったのでは?

実はあまり頭を使わずに、勢いと感覚で歌っていったんです。でも、そのなかで「歯切れ良く歌うこと」には気をつけました。サウンドがすごく気持ちいい曲なので、「聴く方にとって、耳に気持ちいい曲になったらいいな」と思って、歌声からもそう感じてもらいたくて、そこは意識して歌いました。

――特にどんな部分に気をつけられましたか?

自分の発する言葉の中で、カ行が一番得意だと思っているんですけど、そういうところはいつもよりも強調しました。たとえば、1番の「サプライズのバクダンも」というフレーズの"バクダン"の"ク"とかで、特にそういうものを感じてもらえるかもしれません。

――そういう部分の子音を立たせることを、意識したというか。

はい。あと、サビとかでの高音を裏声にするんじゃなくて、でも優しかったり余裕そうだったりでもなく、しっかりスパーンと突き抜けるように歌ってみました。実はこの曲、最初に聴いたときはまだOPかEDなのか決まっていないタイミングに出会ったのですが、なんとなく曲調から「OPかな?」と勝手に思っていたので、「最初に流れるなら、パーンと弾けるような元気が出る感じがいいよね」と思ったんです。

――そのアプローチ、ラブソングとしてこの曲を見たときに、女の子の必死さのようなところにもつながるかもしれません。

たしかにそうですね! 必死そうな「待ってよー!!」みたいな姿を感じていただけるかもしれませんね。

●これからも歌い続けていきたいのは"ラブソング"
○●MVで不意に叶った"密かな願い"とは?

――表題曲ではMVも制作されましたが、3種類の衣装のhalcaさんが登場するものになっていますね。

そうなんです。そのうち、白いhalcaが研究中にくしゃみをすると、黒いhalcaに入れ替わってしまうという設定がありまして……。

――その白と黒のhalcaさんの衣装や髪型が、ゆりねっぽいものだったのも気になりました。

あっ、そうなんです! あとは眼帯もゆりねちゃんをリスペクトしました。実は、MVについての話し合いが始まる前に、なんとなく「ゆりねちゃんみたいな服、着てみたいなぁ」と思っていたんです。ちっちゃい頃からゴスロリとかロリータと呼ばれている、お姫様みたいな服に憧れていたので嬉しかったんですけど……でもそれは、誰にも言ってなかったんです。

――なるほど、偶然。

はい。普段キャラ的にもよくイジられるので、「言ったら絶対イジられるな」と思って言えなくて(笑)。でも、監督さんもすごく丁寧に分厚い企画書を作ってきてくださったので、私もすごく妄想が膨らみました。撮影日まで、表情の練習とかもしてみました。MVの終盤では、今まで出したことのない表情にも挑戦しているので、ぜひMVを観て確かめてみてください!

――さて、続いてカップリング曲についてもお聞かせください。まず「Fuzzy Rain」は、別れを描いた悲しい曲のように感じたのですが。

まず、作詞してくださった宮嶋淳子さんと相談したときに、曲の印象が「雨みたいだね」っていう話をしたんです。宮嶋さんとは普段考えていることとかのお話をよくするんですけど、この曲についてのお話をしたときに、普通の雨とか土砂降りじゃなくてお天気雨みたいにしたらいいんじゃないかなと思いまして。それで、最初は雨が降っているけど「友達に戻ろう」と決められたときに雨が上がりかけて虹が出てきて、前向きな方向に進んでいくところを表現していただきました。

――歌われるなかで、感情の流れはどのように意識されていましたか?

特に最初のほうは、付き合っているけどラブラブなわけじゃなくて、自分たちの関係がはっきりしないイライラしている感じやヒリヒリしている感じを特に意識していました。もちろんセリフではなくて歌なんですけど、自分で聴き直してみてもそういった感情が伝わる歌い方ができていたように感じたので、ぜひ注目していただきたいです。

――それがライブのときに、そのときならではの形に姿を変えるのも楽しみです。

お客さんの顔を見ながら歌うのだと、レコーディングとは気持ちがまたちょっと変わりそうです。レコーディングでは妄想していたり、たまにマイクを"キミ"とか"あなた"だと思って歌っていたりするんですけど、ライブだとそのとき顔の見えているお客さんのことを曲中の"キミ"とか"あなた"だと思って歌ってしまうところがあるので、自分でもそういう微妙な変化が楽しみです。
○●「キュンとさせてあげるよ」

――ライブで変わりそうといえば、もう1曲のカップリング「キュンとさせてあげるよ」もだと思います。この曲は、ライブで盛り上がりそうなロックナンバーですが。

この曲、レコーディングはCD発売に合わせてしたんですけど、実は結構前に出会っていて、何かのタイミングで絶対歌いたいなと温めていたんです。初めて聴いたときからすっごくかっこいいなと思っていましたし、そのときからサビの歌詞は今と同じ「キュンとさせてあげるよ」で、メロディと歌詞がすごくぴったりでしっくりくる、頭から離れない曲だなと思っていました。

――そのフレーズ自体もですが、歌声も感情の強さを感じるものでした。

この曲の女の子が言う「キュンとさせてあげるよ」という言葉には、ちょっと上から目線でかっこいい・強いイメージがあると思うんですけど、よくよく歌詞を読んでいくとこの子は、かっこいいというよりもすごくかわいいことを言っているんですよ。「キミしか嫌なの」とか言っているのもすごくかわいいし、本当はすごく不安で、むしろ守ってあげたくなるような子だと思うんです。

――好きな相手が別の人を見ていそうですし、不安を隠すための強がりのようですよね。

はい。2番に「片思いの相手は ねえ わたしにすればいいよ」っていうフレーズが出てくるんですけど、それぐらいのことを強がって言っていないとドキドキして余裕がなくなっちゃう子なんじゃないかなと思ったんです。だから、照れ隠しみたいな気持ちも込めつつ、曲のノリにも合わせて声も張って強く歌っていきました。なので、アタックしたい人がいる方にはこの曲を聴いてもらって、この子の一生懸命な頑張りを感じてちょっとでも勇気を出してもらえたらなと思います。

――既に、この夏放送予定のTVアニメ『彼女、お借りします』でEDテーマを担当されることも発表されています。なので今後どんな曲を歌っていきたいかを、最後にお聞きしたいのですが。

これからも、ラブソングはたくさん歌っていきたいです。いろいろな楽曲を歌わせていただくなかで、自分が気持ちを入れやすかったりすごく共感したり、感情が揺さぶられて感動して涙が出てくるようなことが起きるのって、やっぱり恋愛がテーマになっている曲なのかなと思って。たぶん、何歳になってもそういう気持ちって誰にでもあるものだと思うので、長くたくさんの方に歌を聴いてほしいですし、「ラブソングといえばこの方!」みたいな方と一緒に研究して研究して、"究極のラブソング"みたいなものを作り上げて歌ってみたいです!
○●halca、5thシングル「時としてバイオレンス」

発売日:5月27日
・初回生産限定盤(CD+DVD)
価格:1,600円(税抜)
・通常盤(CD)
価格:1,200円(税抜)
・期間生産限定盤(CD+DVD)
価格:1,600円(税抜)
CD
M01.時としてバイオレンス
M02.Fuzzy Rain
M03.キュンとさせてあげるよ
DVD(初回生産限定盤)
「時としてバイオレンス」music clip
DVD(期間生産限定盤)
TVアニメ「邪神ちゃんドロップキック‘」ノンクレジットオープニング(須永兼次)