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江田島平八、嘴平伊之助、伊達直人…人気漫画のキャラ名乗り、「マスク寄付」あいつぐ

2020年05月12日 10:11  弁護士ドットコム

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全国で人気漫画のキャラクターを名乗って、マスクや消毒液を寄付する、という行為があいついでいます。ネット上では「かっこいい」「素敵すぎるわぁ」などと称賛する声があがっています。


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●「江田島平八である!!」

愛知県豊田市では、サラリーマン風の男性が5月7日、市役所を訪れて、警備員に「消毒液を寄付する」と告げ、ダンボール箱を渡して立ち去りました。



箱の中からは、漫画『魁!!男塾』(宮下あきら)の登場人物、「江田島平八より」と書かれた紙と手指用のアルコール消毒液(600ミリリットル)18本が入っていました。



さすがに、あの名ゼリフ「わしが男塾塾長 江田島平八である!!」とまでは言わなかったようです。



豊田市によりますと、これまでも実名によるマスクの寄付はありましたが、匿名によるものは初めて。寄付された消毒液は、来庁者の消毒用として、市役所の出入り口に置いてあるそうです。



●あの『鬼滅の刃』のキャラクターも

調べてみると、こうした事例はほかにも見つかりました。



岩手県一関市では3月23日、人気漫画『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)のキャラクター、「嘴平伊之助」(はしびらいのすけ)を名乗る男性が一関看護専門学校・准看護高等専修学校にマスクと消毒液を寄付しました。



また、福島県郡山市では4月19日、漫画『タイガーマスク』(原作:梶原一騎 作画:辻なおき)の主人公、「伊達直人」を名乗る60歳くらいの男性が、郡山消防署富久山分署にマスク200枚を寄付して、立ち去ったそうです。



いずれのケースでも、本名を告げなかったということですが、硬派なキャラクターを名乗る傾向があるように思えます。



●災害時によく見られる行為

このように漫画やアニメの人気キャラクターを名乗って、物資を寄付するのは、大きな災害があったときによく見られます。



野暮ったい話ですが、法的には、単に「偽名」を名乗っても、ただちに違法とはなりません。ただし、刑法(私文書偽造)や軽犯罪法など、法律の要件にあてはまれば、違法となる可能性があります。



たとえば、その名前の人物との「人格の同一性」を偽ろうとしている場合は、私文書偽造罪が考えられます。しかし、今回のような漫画のキャラクターは、さすがにそれはないだろうと考えられます。



新型コロナの影響で、マスクや消毒液の高額転売が社会問題化する中、とてもほっこりする「いい話だった」といえるでしょう。