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三越伊勢丹HDが暖冬や新型コロナの影響で2年ぶりの赤字決算、純損失111億円

2020年05月11日 17:02  Fashionsnap.com

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伊勢丹新宿店 外観 Image by: FASHIONSNAP.COM
三越伊勢丹ホールディングスが、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の業績を発表した。増税や記録的暖冬、新型コロナウイルスの流行といった要因により、売上高は1兆1,191億円(前年比6.5%減)、営業利益は156億円(同46.4%減)、経常利益は197億円(同38.2%減)で減収減益となった。親会社株主に帰属する当期純損益は111億円の赤字(前期は134億円の黒字)となり、概ね4月に下方修正した業績予想通りとなった。最終赤字となったのは2年ぶり。


 2019年度は、約100億円をかけて伊勢丹新宿店本館と日本橋三越本店(第2期)、銀座三越のリモデルを推進。伊勢丹新宿店ではメンズ館(2019年3月)を皮切りに、3階を除く本館1階~6階を段階的にリモデルし、本館の2階フロアが今年3月に完成したことでリモデルが完了した。このほか、デジタル事業の基盤構築に向けた56億円の追加投資と、ロイヤルカスタマーの満足度の向上やトレンドを取り入れた店舗づくりに注力し、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げる営業利益300億円達成を目標としていた。
 2019年4~12月期までは黒字を確保していたが、新型コロナウイルスの影響で2020年1~3月期は赤字に転落。3月は営業時間の短縮や入店客数の減少などを受けて売上が落ち、増税の影響を受けた昨年11月から6ヶ月連続で前年実績を下回った。また店舗設備において減損損失約104億円を計上し、繰延税金資産約69億円を取り崩したことも業績に響いた。
 今後は、新型コロナウイルスによる影響が長期化する見通しから、商圏が広い伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の基幹3店に経営資源を集中するという。赤字が恒常化している店舗として伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、新潟三越の3店舗を閉店しており、来年2月には三越恵比寿店が営業を終了する。
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