2020年05月10日 12:01 おたくま経済新聞
NASAの火星探査機「Mars 2020」のローバー「パーセベランス」が、2020年夏の打ち上げを前に、ケネディ宇宙センターで火星降下ステージへの収納作業が完了しました。今後降下ステージは探査機本体と結合され、アトラスVロケットに搭載されます。
火星ローバー「パーセベランス(忍耐)」は、火星表面を走行して土壌や岩石のサンプルを採取し、生命活動の痕跡を探るとともに、将来予定されている有人火星探査に向けての基礎データを収集することがミッション。さらに地球以外の大気圏を飛ぶ初めての航空機、小型ヘリコプター「インジェニュイティ(独創性)」も搭載しています。
フロリダ州のケネディ宇宙センターで、打ち上げに向けての最終組み立て作業は、2020年2月に始まりました。パーセベランスにインジェニュイティが搭載され、さらに減速用パラシュートと軟着陸用ロケットを装備した降下ステージとの結合作業へと進みます。
火星への着陸は火星大気圏突入後、まず減速用パラシュートでマッハ1.7から時速320kmまで減速。高度約20mからは、逆噴射ロケットが装備された降下ステージから7.6m下に吊される形で、パーセベランスは火星表面(ジェゼロ・クレーター)へと到達します。
火星と地球との位置関係から、パーセベランスを搭載したアトラスV(541)の打ち上げスケジュールは、2020年7月17日~8月5日のうち気象条件が整った日となります。火星着陸は、およそ半年後となる2021年2月18日。ミッションの期間は1火星年(約2地球年)を予定しています。
<出典・引用>
NASA ニュースリリース
Image:NASA/JPL-Caltech
(咲村珠樹)