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iPhone 12(6.1インチ)はトリプルカメラ&ミリ波非対応? 折りたたみiPhoneは当分先か

2020年05月09日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

Pigtou「EXCLUSIVE: Leaked Apple iPhone 12 6.1 inch renders show dimensions, cameras and more」より

 予想仕様が固まりつつあるiPhone 12(仮称)シリーズに関して、新たな情報が判明した。今回判明した情報は、以前からの予想を補強するものもあれば、予想仕様を更新するものもある。さらにあの有名アナリストの最新レポートが発表され、Appleの長期的プランも明らかになった。


(参考:iPhone 12シリーズのデザインは“完成済”? リリース時期は視界不良


・iPhone 12下位モデルはsub-6のみ対応
 テック系メディア『Tom’s Guide』は8日、iPhone 12シリーズのうち下位モデルの仕様に関する新情報を報じた。既報の通り、iPhone 12シリーズは下位モデル2機種と上位モデル2機種(便宜上「iPhone 12 Pro」とも呼ばれる)がリリースされる、というのが定説となっている。iPhone SE 2020のリリース日を的中させたことで評価の上がったリーカーであるJon Prosser氏によると、下位モデルは5G回線のなかでもsub-6のみに対応しミリ波は非対応となるようだ。


 iPhone 12の発表が9月と見られている現状でリークされたミリ波非対応という情報は、確定的と言ってもよいだろう。というのも、今後ミリ波対応を進めたとしても、発表に間に合わないからだ。もっとも、以上の下位モデル仕様はすでに予想されていたことではあった。


 5G対応スマホの仕様を比較するうえで、ミリ波対応という観点は重要である。5G回線にはsub-6とミリ波の2種類があり、ミリ波のほうがより大容量の通信が可能となる。しかし、ミリ波は減衰しやすいという弱点があるので、利用可能エリアは都市部に限られると予想されている。現在の日本市場におけるミリ波対応スマホには、「Galaxy S20+ 5G」(5月下旬以降発売)と「arrows 5G F-51A」(6月以降販売)がある。今後は、各メーカーの最上位モデルを中心にミリ波対応が進むと考えられる。


・Proとの違いはLiDARスキャナの有無
 また、iPhone 12下位モデルのうち6.1インチモデルに関して、スマホケースメーカーのPigtouは7日、最新の予想仕様にもとづいて作成したレンダリング画像を公開した(トップ画像参照)。その画像を見ると、背面にはトリプルカメラが搭載されている。またノッチも確認できる。


 6.1インチモデルはさらに下位モデルにあたる5.7インチモデルとともにデュアルカメラになると予想されていた。Pigtouの記事は、6.1インチモデルがトリプルカメラになることを固く信じているものも、デュアルカメラの可能性もまだ少しある、とも述べている。


 Pigtouのレンダリング画像と前述のTom’s Guideの仕様予想をふまえて、現状わかっているiPhone 12シリーズの仕様をまとめると、以下のようになる。


・iPhone 12/5.7インチモデル:OLEDディスプレイ、5G(sub-6)対応、デュアルカメラ
・iPhone 12/6.1インチモデル:OLEDディスプレイ、5G(sub-6)対応、トリプルカメラ
・iPhone 12 Pro/6.1インチモデル:OLEDディスプレイ、5G(sub-6/ミリ波)対応、トリプルカメラ、LiDARスキャナ搭載
・iPhone 12 Pro Max/6.7インチモデル:OLEDディスプレイ、5G(sub-6/ミリ波)対応、トリプルカメラ、LiDARスキャナ搭載


 カメラ関連仕様に限って言えば、下位モデルと上位モデルの決定的な違いは、LiDARスキャナの有無ということになる。高度なAR体験を可能にするLiDARスキャナを活用したアプリに関しては、6月に開催されるApple主催の開発者会議WWDC2020(オンラインで実施)で明らかになるだろう。


・フォルダブルiPhoneのカギはミニLED?
 iPhone 12シリーズに加えて、今後のAppleの長期的プランも明らかになった。Apple専門ニュースメディア『MacRumors』は7日、ミニLED製品に関するAppleの製造計画を報じた。この計画のソースは、Apple製品に関する世界的に著名なアナリストであるMing-Chi Kuo氏である。


 Kuo氏によると、Appleは今後ミニLEDを採用した製品をリリースする予定があり、2020年第3四半期から2021年第1四半期のあいだのどこかの製造が始まる、とのこと。さらに、最初にミニLEDが採用されるのは新型MacBook Proになるようだ。


 ミニLEDとは、iPhone 11 Proに採用されているOLEDディスプレイよりさらに高品質なディスプレイを可能にする技術である。ミニLEDを採用すると、ディスプレイをさらに薄くすることができ、曲げることも可能となる。ミニLEDは、現状では特許の存在のみ確認されているフォルダブルiPhoneの素材として最適なのだ。


 もっとも、Kuo氏のレポートにはミニLEDを採用したiPhoneに関する言及はない。しかしながら、ミニLEDを採用したApple製品の出荷は2021年には300%、2022年には225%増加すると予想されている。この出荷数の増加のなかには、ミニLEDを採用したiPhoneも含まれているかも知れない。


 以上のようにiPhone 12シリーズの予想仕様は固まりつつあると同時に、未来のiPhoneの仕様も垣間見えているのだ。そして、Appleのブランド力は新型コロナウイルスによって傷つけられることはないと思われるので、iPhone 12以降のiPhoneにも着実な進化が期待できるのではないだろうか。


(吉本幸記)