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Twitterがリプライの新レイアウトをテスト開始 “有害なリプライ”抑止やコメント付きリツイート検索機能も実装へ?

2020年05月08日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

英語版Twitterサポートの正式アカウントのツイートより

 定番SNSであるTwitterが、新機能をテストすることが明らかになった。


 今回テストが始まる新機能のほかにも、テスト中の新機能が複数確認されている。そうした新機能が正式採用されれば、Twitterの利便性を高めるかも知れない。


(参考:Twitterの消える投稿「Fleet」はフェイクニュースの温床に? 海外メディアが指摘


・リプライの流れを見やすく
 英語版Twitterサポートの正式アカウントは6日、リプライの新しいレイアウトをテストするとツイートした。そのツイートによれば、新しいレイアウトでは線とインデント(字下げ)を使って、リプライの関係が視覚的に明確になる。例えば、リプライに対してさらにリプライすると、言わば「孫リプライ」が分岐する様子が表示される。なお、テストの対象となるユーザは「iOS版とWeb版の一部の人」とのこと。


 実のところ、リプライに関連した新機能テストは昨年にも実施されている。既報の通り、世界最大の家電見本市であるCES2019の会場において、リプライを色分けするテストの画像が確認されたのだった。この時のテストでは、フォロワーのリプライとフォロワー以外のそれが色分けされているのも確認された。もっとも、その後、この色分けする新機能は正式実装されることなく現在に至っている。


 今回の線とインデントを活用する新機能も、実際に正式採用されるかどうかはわからない。しかし、リプライ関連のUIを繰り返しテストしていることから、TwitterにはリプライのUIを改善しようとする意図があることはうかがえる。


・「有害」なリプライに再考を促す
 また、英語版Twitterサポートの正式アカウントは6日、有害なリプライに再考を促す機能を実験していることもツイートした。そのツイートによれば、リプライに有害となる可能性がある言葉が使われていた場合、リプライする前に修正することをうながすプロンプトを提供する実験が進行中なのだ。実験は、iOS版ユーザの一部に限定して行われているようだ。


 以上のツイートについて報じたTechCrunch Japanの6日付の翻訳記事によると、Instagramも有害コメントに警告を与えるテストを昨年実施したところ、一定の成果が認められた。この成果をうけて、警告を与える対象範囲を画像に拡大していた。


 Twitterの有害リプライ抑止機能に関して、気になるのはどのような言葉が有害と判断されるか、ということであろう。この件については、US版TechCrunch編集部がTwitter社に質問したのだが、その回答はまだないようだ。この質問は回答されない可能性があり、回答されたとしても曖昧なものになると思われる。というのも、有害リプライの判断基準を明確に周知してしまうと、その判断の裏をかいて有害リプライを試みるユーザが現れると予想されるからだ。


・コメント付きリツイート検索を簡単に
 Twitterの新機能テストは、上記だけにとどまらない。テック系メディア『The Verge』は4月23日、コメント付きリツイートを簡単に検索する機能をテストしていることを報じた。報じられた機能とは、リツイートをコメントなしとコメント付きに分けて表示して、コメント付リツイートにリプライすることを可能にする、というものだ。この機能のUIを画像として添付したツイートも発見されている。この機能は、一部のiOS版ユーザを対象にテストしているようだ。


 現在、リツイートの数はコメントなしとコメント付きのものを合算して表示している。コメント付きリツイートを検索するには、インターネットで見つかる検索ツールを使う方法と検索コマンドをTwitterのキーワード検索に入力する方法が知られている。もっとも、これらの方法は特定のユーザにひもづいたコメント付きリツイートを表示するものである。特定のツイートに対するコメント付きリツイートを検索したい場合は、ツイートのURLをキーワード検索に入力する必要がある。いずれにしても、現在のTwitterではコメント付きリツイートを検索するには手間がかかる。テスト中の新機能が正式採用されれば、こうした手間を省けることが期待できる。


 以上のように、Twitterは利便性を高める複数の新機能をテストしている最中なのである。しかしながら、1年以上前にテストされたリプライを色分けする機能が正式採用されていないことから分かるように、新機能の採用基準は厳しいものに設定されていると推測される。テスト中の新機能も「お蔵入り」になる可能性が少なくないだろう。


(吉本幸記)