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Duolingoが語学検定試験に用いるAI技術を論文にて発表

2020年05月07日 15:32  Techable

Techable

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TOEICよりも安く早い英語検定試験を提供し、1000校以上の教育機関で語学レベルの証明として利用されている語学学習アプリ、Duolingo。

2020年4月に、検定試験の設計に用いている人工知能プログラムの仕組みが論文誌で公開された。
欧米の大学で英語能力の証明として利用可能Duolingoは語学学習アプリのリーダー的存在だ。無料で多様な言語が学習可能であり、単語や筆記、リスニングをゲーム形式で習得していく。データを重視した教育を展開しており、人工知能・機械学習を使って、ユーザーの回答から問題の難易度や間違いの種類を分析し、カリキュラムの最適化を図ってきた。

2014年からは英語の習熟度を測る検定試験を開始。自宅でも受験できる1時間程度の試験であり、料金は49ドルと、200ドルを超えるTOEICやTOEFLよりも安価だ。

米国や欧州を中心に数多くの教育機関では、留学生が英語力を証明するために、Duolingoの検定試験を受け入れるようになっている。
信頼性が証明されたAIによるスコア判定2020年4月にはDuolingoが検定試験の設計に用いている人工知能プログラムの仕組みが、論文誌「Transactions of the Association for Computational Linguistics」で発表された。

2万5000に及ぶ過去の設問・回答から学習した人工知能は、最初の4問の成績から最終的なスコアの推定を開始する。

5問目以降の問題は、AIによって難易度がリアルタイムに調整され、例えば、習熟度が低い受験者には簡単な問題を出題されることになる。

25問以上出題される検定試験は、受験者の回答によって最適化され、1~100で採点されたスコアが算出される。

2018年に実施された2万1000回の試験では、人間の専門家が習熟度を判断した場合とほとんど同様のスコアが推定されており、TOEFL等の他の試験とも相関があった。

まだ定着していない単語を推定して再履修を促したり、習熟度に応じてどのような順番で何を学ぶか推定したりと、学習法が最適化されるようになったのは、機械学習や統計分析の成果であると指摘されている。

Duolingo English Test