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四肢の一部を失った7歳男児 スター・ウォーズの義手に「嬉しくて大興奮」(米)<動画あり>

2020年05月06日 21:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

スター・ウォーズがテーマの義手を初めてつける男児(画像は『Open Bionics 2020年4月15日付Twitter「Meet 7-year-old Super Ethan, who received his Hero Arm yesterday!」』のスクリーンショット)
2歳の時に四肢の一部を失った米イリノイ州の男児が、7歳にして初めて“ヒーロー・アーム(Hero Arm)”と呼ばれる義手を手にした。義手は映画『スター・ウォーズ』をヒントにして製作されたもので、男児は機能性だけでなくそのカッコ良さに大興奮しているという。『Fox News』『news.com.au』などが伝えている。

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米イリノイ州オーロラに住む7歳のイーサン・サッピントン君(Ethan Sappington)は、2歳の時に敗血症に罹り四肢の一部を切断した。医師からは「生存の可能性は5%」と言われたが、病気と闘い生き抜いた真のサバイバーだ。

そんなイーサン君が初めての義手を手にしたのは、先月14日のことだった。“バイオニック・アーム(筋電義手)”と呼ばれるこの義手は、2014年に設立され英ブリストルを拠点に展開する「オープン・バイオニクス(Open Bionics)」が開発。センサーが筋肉の動きを読み取ることで、手の開閉だけでなく物を掴んだりといった手の細部の動きまでも可能にしている。

それだけではない。同社は成長著しい子供たちのために、映画『スター・ウォーズ』『アイアンマン』『アナと雪の女王』、ビデオゲーム『Deus Ex(デウスエクス)』をヒントにデザインした“ヒーロー・アーム”の製作に力を入れており、手が欠損した子供たちにヒーローの勇気と自信を与えている。

イーサン君が選んだのは、大好きな『スター・ウォーズ』シリーズの『フォースの覚醒』で登場した“ドロイドBB-8”で、この義手を初めて装着した様子が同社のSNSでシェアされた。

動画でのイーサン君は、マスクをしているため顔の表情はわからないが、義手には興味津々の様子がうかがえる。義手はキーンと音を出したり、手の甲が光ったり、腕を入れることで指が動き、イーサン君の目は「すごいぞ。カッコいい!」と訴えているようでもある。

カメラの前では落ち着いているように見えたイーサン君だが、母親は同社のインタビューにこう明かしている。

「イーサンは嬉しくて、その日は大興奮でした。夜に義手をつけたまま寝てしまったほどです。寝ている間に義手は外しましたが、イーサンは朝起きると一番に『義手はどこ?』と尋ねてきたのですよ。」

同社のスポークスマンはこの義手について「快適で、調整が可能、そのうえ通気性に優れており、重さは1キロ未満と軽量で、最大8キロまでの重量に耐えられる。3Dプリントと3Dスキャン技術を駆使して作られており、高機能なカスタムメイドの義手をより速く、低価格で提供することを目指している」と述べている。

また今後は従来のデザインに加え、映画『アリータ: バトル・エンジェル』モデルも登場する予定だそうで、イギリスだけでなくアメリカ、フランスなど12か国で入手が可能なようだ。価格は約31万円(3千ドル)くらいからと決して安くはないが、日本の義手が最低150万円と言われるなかでのこの値段は画期的と言えよう。

なおヒーロー・アームは8歳くらいから利用が可能で、7歳のイーサン君はアメリカで最年少ユーザーになったそうだ。イーサン君はこれまでにも義足を装着してマラソン大会などに挑戦しており、今後はヒーロー・アームでますます活躍の幅を広げていくに違いない。



画像は『Open Bionics 2020年4月15日付Twitter「Meet 7-year-old Super Ethan, who received his Hero Arm yesterday!」』『NEW-GEN Universe 2020年1月16日付Twitter「How cool would it be to have a bionic arm like Luke from the popular Star Wars franchise?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)