トップへ

無料化したGoogle Meetはセキュリティ・機能面で「Zoomの対抗馬」になりうるか?

2020年05月06日 18:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 米テクノロジー大手Googleは、機能を強化したビデオ会議ツール「Google Meet」を無料化することを発表した。


(参考:ビデオ会議、ビデオチャットはどのアプリ・ソフトにすべき? 実際に使ってわかるそれぞれの特徴


 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、防疫対策として世界的にリモートワークが急速に普及している。そこで特に人気を集めたZoomに、大量のアカウント情報流出という事態が発覚したことで、多くのユーザーが代替サービスへの乗り換えを検討してる。


 果たしてGoogle Meetは、Zoomの対抗馬となりうるのだろうか。


・急増するユーザー、安全対策に心血を注ぐ
 1月以降、Google Meetの1日の利用は30倍以上に増加。1日の合計利用時間は30億分以上、新規ユーザーは1日約300万人増えており、Google Meetの1日の会議参加者数は1億人を超えたという。


 『Google』はブログ上で「メールアドレスを持っているユーザーは誰でもGoogle Meetにサインアップし、会議や画面共有といった企業や教育機関向けに提供している機能が使用できる」と述べてる(参考:https://japan.googleblog.com/2020/04/bringing-google-meet-to-more-people.html)。


 プライバシーとセキュリティにも細心の注意を払っていることをGoogleは強調。ユーザーの安全性やデータのセキュリティ、情報の機密性の維持に必要な保護を提供ための具体的な取り組みについて説明している。


 なお、9月30日を過ぎると、無料版のGoogle Meetでは、会議毎に60分の時間制限があることも、頭に入れておきたい。


・まとまり欠けるGoogleのビデオチャット事業
 「Google Meet」は、元々「Google Hangouts Meet」という名のツールを改名したもので、2017年以前には「Hangouts Meet」と「Hangouts Chat」で構成されていた。2013年以降、Gmail内に含まれているチャットアプリ「Google Hangouts」は、また別物だ。


 Googleは、全ての「Hangouts」プロダクトの統合を望んでいるというが、Googleのまとまりのないメッセージング戦略が、今後どのようなものになるか全く確信が持てない、と『Ars Technica』は伝えている(参考:https://arstechnica.com/gadgets/2020/04/google-meet-googles-third-video-chat-service-is-now-free-for-everyone/)。


 Googleのビデオチャットへの最初の取り組みは2008年と、一歩先を行っていたが、古いサービスを終了しては、また新たなサービスをローンチしており、あまり継続性がなかった。「Google Meet」は「Google Hangouts」とGoogle Duoに次ぐ、Google3番目のビデオチャットサービスだ。


 同記事では、Googleが膨大なリソースを単一のコミュニケーションスイートに集中して投入して、継続的にアップデートしていれば、今頃はビデオチャット業界のリーダーになっていた可能性がある、と指摘する。


・Google MeetとZoomの徹底比較
 『Android Central』は「Google Meet」と「Zoom」の詳しい比較を行っている(参考:https://www.androidcentral.com/google-hangouts-meet-vs-zoom)。


 両サービスともに無料で利用を開始でき、「Google Meet」は最大100人参加の会議で60分間使用できる。「Zoom」は、最大100人参加の会議で40分の時間制限があるが、1対1では時間無制限だ。


 両方とも、より多くの機能を揃えた有料版も用意している。「Zoom」有料版は月々15ドルからで、最大500人参加の大規模な会議を行なうことが出来る。「Google Meet」を備える基本的なG Suiteは、月額6ドルからと手頃で、会議参加者人数は、最大250人だ。


 Zoomは、問題が表面化したセキュリティ強化に注力しており、何とも甲乙つけがたく、いい勝負という印象がある。無料で始められるため、どちらが自分に向いているか、両方試してみるのもいいかもしれない。


(Nagata Tombo)