2020年、通算24年目のスーパーGT参戦となるZENT GR Supraの立川祐路。ドライバーを務めながら2019年からはTGR TEAM ZENT CERUMOの総監督に就任、さらに今季からはTGR TEAM WAKO'S ROOKIEでも総監督を務める。新型コロナウイルス感染拡大の影響でスーパーGTがなかなか開幕しない中でのレーシングドライバーの暮らし、そしてトヨタGRスープラの仕上がり、2チームの総監督として迎える2020年シーズンについて話を聞いた。
■GRスープラの仕上がりの良さがあだに? なかなかシーズンが始まらない状況ではあるが、3月14~15日に行われた岡山公式テストでは、2日目のセッション4ではトップタイムをマークするなど順調な仕上がりをみせている印象を受けたZENT GR Supra。テストの状況と、今季から2チームの総監督となることの効果について聞いた。
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Q:では、3月の岡山公式テストの話にしたいと思います。ここまでのZENT GR Supraの仕上がりはいかかですか? YT:いいですよ。これまでTRDの開発車両でずっとテストをしてきて、そのセットアップをベースにして自分たちのクルマも進めていますが、当然38号車の仕上がりにいい手ごたえはあるんですが、開発車両のGRスープラの完成度が高かっただけに、スープラ勢はどのチームもいい状態なんです。そこからひとつ抜けだそうとすると、逆に大変だなと(笑)。
Q:2019年から総監督になったTGR TEAM ZENT CERUMOに加え、今年からTGR TEAM WAKO'S ROOKIEの総監督を兼ねるかたちになっています。プラスの効果はありますか? YT:もちろんありますね。セッティングの面でも情報を共有することにしています。セットアップ自体はエンジニアもドライバーも違うので、作業の進めかたは異なりますが、タイヤだったり、セットアップの方向性のトライなど、情報としてお互いにプラスになる。ここまで数回しかテストできていませんが、プラスになると思いますね。あとは、精神面での効果があると思います。38号車のメンバーと、昨年まで別チームだった14号車のメンバーと、お互い負けるわけにはいかないという気持ちの面がいまのところ良い方向にいっています。これが悪い方にいかないようにしないといけませんが。