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TWICE、異なる出発点から現在まで続く“歌って踊ること”への喜び ドキュメンタリー第1回を観て

2020年05月06日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

TWICE『&TWICE』

 TWICEのドキュメンタリー『TWICE:Seize the Light』が、4月29日より配信開始されている。本作は毎週各1エピソードずつがYouTube上にて公開されるもので、昨年から行われていた初のワールドツアー『TWICE WORLD TOUR 2019 ‘TWICELIGHTS’』密着映像とともに、練習生時代から今に至るまでの歩みをメンバー自身が振り返る内容となっている。


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 このドキュメンタリーの制作記者会見において、リーダーのジヒョは「デビュー初期には単独コンサートの開催が大きな願いだったのですが、ワールドツアーまで成功させたのが誇らしいです。去年は(グループにとって)大きなターニングポイントとなりました」とコメントしていた。今や世界中から愛されるグループにまで成長したTWICE、その現在地からはどんな風景が見えているのだろうか。


 先週公開されたEp.1「夢に向かう私たちの第一歩」は、ステージを降り、次のパフォーマンスに向けて慌ただしく準備するメンバーの姿を捉えた映像から始まる。舞台裏で汗を拭き、メイクを整え、慣れない外国語の挨拶を繰り返し練習する彼女たちを、観衆は大歓声で呼び続けている。


 2015年のデビュー以来、シーンの最前線を共に走り続けてきた9人。しかしデビューまでに至る道のりは、それぞれ異なる出発点から始まっていたという。


 10歳から練習生としての生活をスタートさせたジヒョ、同じく幼い頃から自然と芸能界に興味を持ち始めたというチェヨンは、周囲からの勧めが後押しとなった。また、エアロビクス教室で習得したダンスを祖母の前で披露していたジョンヨンや、TVに映る自分を祖母に見せ喜ばせたかったというサナ、姉と共にオーディションを受けたというモモは、家族の存在が志のきっかけとなったことを明かした。


 一方でナヨンやミナのように、反対する両親の説得から始まったと話す者がいるのも、あまり意外なことではない。


 親元を離れ異国の地での生活を選んだメンバーを含む、夢の道を行く本人たちと、それを送り出す家族が踏み出したそれぞれの一歩。その計り知れない重さを、いちファンとしてたびたび想像してみては途方に暮れることがある。


 しかしここで印象的だったのは、当時の心境を語る彼女たちが、歌って踊ることの喜びをみずみずしく表していたことだ。


 「自分にとって大好きで心から感動できるものは何かを真剣に考えていました」「歌って踊っているときが一番幸せで、とてもワクワクするんです」と言うナヨン、「怖いものなんて何もなくて、期待で胸が躍っていました」「外国に行けば多くのことを経験し学ぶことができると思ったんです」と話すツウィは、まるで昨日のことを話しているかのような新鮮な語り口で初心を振り返っていた。


 TWICEのパフォーマンスを見るとき、いつも感じることがある。それはどんな時も側に寄り添い、一歩ずつ共に前へ進んでくれるような、あたたかな誠実さだ。どれだけ大きな会場に立っても観衆一人ひとりと対話するように歌い踊る、TWICEの不思議な魅力。それは、彼女たちが第一歩を踏み出したあの頃から現在まで大切に抱き続けている“歌って踊ること”のピュアな喜びとそのまま結び付いているのかもしれない――そんなことを思った。


 続くEp.2「激しかったあの日、9人の練習生たちの話」では、決意を胸にスタートラインに立ったメンバーたちがどのように才能の芽を育んでいったかが語られる。(菅原史稀)