2020年のGT300クラスにおいて、注目を集めているチームのひとつがPACIFIC - D'station Racingだ。GT300に長年参戦し、光る速さをみせてきたPACIFIC RACING TEAMと、2019年からアストンマーティン・バンテージAMR GT3を投入し、上位を争ったD'station Racingが、さらなる体制強化を目指しコラボレーション。トップを狙うチームができあがった。もともと強固な両チームの体制に加え、アストンマーティンとミシュランの組み合わせ、藤井誠暢とAMRワークスドライバーのニッキー・ティームの起用と、話題はとにかく多い。
今季からのコラボレーションだけに、それぞれのチームの歴史を振り返らなければならないだろう。まずPACIFIC RACING TEAMは、もともと2000年に設立された『パシフィックプロモーション』が起源だ。プロモーションという面では、2007年にミス日本の中部北陸ブロック代表・全国グランプリを輩出したこともあるほどだ。
パシフィックプロモーションは、現在もともにサーキットを舞台に学生たちが研鑽を積んでいる中日本自動車短期大学(NAC)とともに、ソーラーカーでのシルクロード横断など、さまざまなプロジェクトをプロデュースしてきた。2009年にはNAC内に新たにモータースポーツエンジニアリング学科が開設され、産学連携による未来のモータースポーツに関わる人材の育成と業界の発展を目的として実践的な教育を開始する。そこで学生により良い環境を提供するべく生まれたのが『PACIFIC RACING TEAM』だ。