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野生のゴリラは食事中に感謝の歌を歌い、絶え間なくオナラをする 世界初の貴重映像をロボットゴリラで撮影(ウガンダ)

2020年05月04日 22:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ロボットゴリラに興味津々のゴリラの群れ(画像は『All That’s Interesting 2020年4月29日付「Animatronic Ape Sent To Spy On Wild Gorillas Films Them Singing During Dinner Together」(John Downer Productions)』のスクリーンショット)
このほどアメリカのテレビ番組で、ゴリラが食事中に歌ったり、オナラをする様子を収めた世界初の貴重映像が公開された。撮影内容はもちろんだが、精巧なロボットゴリラをスパイとして送り込んだその驚きの撮影手法が話題になっている。『Fox News』『Daily Mail Online』などが伝えた。

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米PBSで4月29日に放送が開始された『Nature: Spy in the Wild 2』では、ハチドリやコモドドラゴン、コアラ、オウサマペンギンなど50以上の動物を4シリーズに分けて特集している。今回、ウガンダにてマウンテンゴリラ達の自然な姿を観察するため、撮影チームは目にカメラを仕込んだ精巧な赤ちゃんゴリラのロボットを作り上げ、群れのなかに溶け込ませる手法を取った。

番組プロデューサーのマット・ゴードン氏は、この作戦はゴリラのコミュニケーション方法を考え、いかにリアルなゴリラロボットを作り上げるかにかかっていたと語る。

「ゴリラにとってアイコンタクトはとても大事なんだ。最初のエピソードを見てもらえばわかると思うけど、野生のゴリラはロボットゴリラに一直線に向かってきて、その瞳をじっと見つめているんだ。だから僕らは顔の作成に最も力を入れたんだよ。」

チームはこのスパイゴリラが群れのボスゴリラ“シルバーバック”に警戒され脅威とみなされないように、あえてサイズの小さな子供のゴリラに作り上げ、ゴリラの糞をロボットに塗って臭いを同化させた。また目線を逸らす機能で、他の若いゴリラがシルバーバックにそうするように敬意を示し、従順な態度をみせることでこのロボットは無事、群れに溶け込むことができたのである。

努力が実り、このスパイゴリラは世界で初めてゴリラが食事中に感謝を示す歌を歌う姿や、絶え間なくオナラをし続ける姿の撮影に成功している。ゴリラが食事中に歌うことは2016年の研究で明らかになっていたが、音声のみの証拠であったため、今回の高画質の撮影映像は極めて貴重な資料となる。またこの映像で明らかになった、ゴリラがとてもガス体質で食事中絶え間なくオナラをしているという新事実も今後のゴリラ研究において大きな意味を持つことだろう。

さらに撮影クルーは、このロボットゴリラに興味を示して一緒に遊ぼうとする赤ちゃんゴリラの可愛い姿も奇跡的に捉えていた。

「赤ちゃんゴリラは僕らのスパイゴリラに近づき、胸をたたく動作をしたんだ。それは彼にとって『一緒に遊ぼう』の合図なんだ。」
「もし僕らのゴリラが生気なく動かないただのロボットだったら、すぐに興味を失くしたと思うよ。でも、僕らのロボットゴリラは胸をたたき返すことができたのさ。」
「この赤ちゃんゴリラとの映像は、従来の方法だったら撮影するのはかなり難しかっただろうね。」



画像は『All That’s Interesting 2020年4月29日付「Animatronic Ape Sent To Spy On Wild Gorillas Films Them Singing During Dinner Together」(John Downer Productions)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)