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新型コロナ対策でも注目が集まる「換気 」- どうするのがベスト?

2020年05月04日 12:21  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
住まいの空気環境、そのなかでも今、注目を集めているのが「換気」です。とくに新型コロナウイルス対策のひとつとしても換気は大きなポイントになっています。また、「風通しが良い」と表現される通り、居心地のよい場所にはきれいな空気が欠かせません。

では、「換気の良い場所」をつくるにはどうしたらいいのでしょうか。日本の住まいに採用されている「24時間換気システム」と工夫、換気の種類について解説します。
○2003年以降に建てられた建物は「24時間換気システム」が換気している

新型コロナウイルスの対策として密閉空間を避け、「室内の換気をしましょう! 」といわれます。換気とは室内と外の空気を交換すること。今までも習慣として、「空気を入れ替える」として窓を開けていた人もいるかもしれません。ただ、「換気をよく」といわれても、防犯上などの理由で窓を開けっ放しというわけにいかないでしょう。

そもそも、今、暮らしている住まいが2003年以降に建てられたものであれば、「24時間換気システム」が採用され、自動的に換気されるようになっています。これは建物のホルムアルデヒド対策として義務付けられているからです。

ですから、自宅の窓を開け締めする前に、まずはこの24時間換気システムが正しく機能しているかを確認しましょう。きちんと機能していれば、2時間で室内の空気をまるごと入れ替えていることになります。ただ、知らずにスイッチを切っていたり、家具で換気口を塞いでいたり、または適切にお手入れをされていないことがあるかもしれません。気になる人は自宅の換気システムの説明書を探したうえで、換気口を開け、24時間換気システムはいつもオンにし、定期亭に掃除をするといいでしょう。
○窓の開け方など、今すぐできる換気の工夫とは?

一方、今の住まいが2003年以前のもので換気が不安という人は、以下のように自然換気をするとよいでしょう。

(1) 1時間に5~10分(2時間に10分より、1時間に一度のほうがベター)
(2) 窓は2箇所、できたら対角線上で「空気の通り道」を意識する
(3) 空気が入る側の窓は小さく、空気が出る側の窓を大きく開けると空気が流れる
(4) 窓がない部屋は扇風機を活用して風の通り道をつくる
(5) 必要以上に空間に人が密集しないこと

空気をキレイにするのに、「換気」ではなく「空気清浄機」ではダメなの? と気になる人もいることでしょう。ただ、空気清浄機には空気をキレイにする機能はあっても、給排気、つまり屋外の空気と入れ替える機能がありません。室内の空気を循環させることができても、人間が排出する二酸化炭素などを取りのぞくことできないのです。そのため、換気で酸素を取り入れて二酸化炭素を外に出すことが必要になります。正しく換気をしたうえで、空気清浄機を併用するのがよい方法です。
○第一種換気、第三種換気の違いとは? 熱交換ってなに

そもそも、日本の建物で「24時間換気システム」が義務化された背景には、住まいの高気密化が進み、室内で発生するホルムアルデヒドなどを屋外に排出する必要があるからです。最近では2018年に化学物質の指針値が厳格化されるなど、「空気環境」はますます重要となっています。

24時間換気システムには、「第一種換気」と「第二種換気」「第三種換気」があり、今まで、住まいの換気はローコストの「第三種換気」が主流でしたが、最近では給気も排気も確実に行う「第一種換気」を選ぶ人が増えています。

第一種換気:給気と排気のいずれも機械を使って行う
第三種換気:空気と取り入れる給気は自然、排出する排気は機械を使う
※第二種換気は住まいではほとんど使われないので、省略します

第一種換気は、第三種換気と比較して導入時にコストはかかるものの、給気部分に各種フィルターをつけることで花粉やPM2.5など、有害物質の屋内への侵入を防ぐことができ、空気の質を保つことができます。さらに第一種換気に、室内の温度をできるだけキープする「熱交換気」がついたものも登場しています。もちろん費用はかかりますが、自然と換気ができ、エアコンの温度も逃さない。そんな快適な暮らしができるようになっているのです。

なぜ、ここまで住宅の空気環境の設備が進化しているかというと、人体に取り入れるものの総重量のうち約6割が室内の空気といわれているから。部屋の空気がウィルス、花粉、化学物質などに汚染されていれば、人体には大きく影響します。これから住まいを探すときには、ぜひ「空気の質」「換気システム」に注目してみてください。(回遊舎)