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2PM、熱い歌声の“愛されパンダ”Jun. Kと“元祖グローバルアイドル”ニックン それぞれの魅力をおさらい

2020年05月03日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

2PM『THE BEST OF 2PM in Japan 2011-2016』

 チムスンドル――。


(関連:2PM、爽やかなデビュー曲から“野獣アイドル”な楽曲まで 日本リリースシングルから振り返る音楽的変遷


 韓国語で、獣を意味する“チムスン“+アイドルの“ドル“を合成した言葉。そう、日本でも「野獣アイドル」「猛獣アイドル」として一世を風靡した、2PMの呼び名だ。平均身長180cm以上という恵まれた体格を鍛え上げ、雄々しい筋肉を惜しみなく披露。長い手足を大きく振っても決してブレることのない強い体幹が、迫力あるダンスを可能にした。元来イメージされる“アイドル=キラキラと優雅な王子様“とは異なる、“ギラギラとした強い男たち“という新しいアイドル像の体現。それが、2PMのもたらした革命だ。


 2008年に『Hottest Time Of The Day』でデビューを果たすと、2009年には権威ある『2009 Mnet Asian Music Awards(MAMA)』で最高賞のアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。韓国のみならずアジアでの人気を高めていく。2011年5月、シングル『Take off』で待望の日本デビューを果たし、リリースイベントには4万人のファンが駆けつけた。その行列は約2kmにもなったという。


 年を重ねるごとに増していくセクシーさ。かと思えば、バラエティでは少年のような愛くるしさが漂う。罰ゲームでヒモ付きの洗濯バサミが登場すれば、メンバーの鼻のフチにも遠慮なくつけて、キャッキャッする様子が実に微笑ましかった。そんな彼らも気づけば30代に。6人全員が日本でもソロデビューを果たし、アーティストとしての実力も確かなものとなっている。


 現在、メンバーの兵役に伴いグループとしての活動は休止しているが、2021年には完全体でカムバックすると見られている。また2020年に入って、5年前にリリースした「My House」のMVがYouTube上で話題を呼び、10代、20代にもファン層が広がっているようだ。そこで、今回は2PMの完全体を待ち望む間に、メンバーの魅力を年齢順におさらいしたい。


■熱い歌声の愛されパンダJun. K
 リードボーカルを務めるJun. Kは、掠れを感じる色気のある声色で、驚くほど伸びやかに高音も歌い上げる。雄々しい2PMのダンスパフォーマンスを際立たせているのは、会場を包み込むほどの豊かな声量を持つJun. Kの歌声だ。彼の才能は歌唱力だけではなく、クリエイティブな面にも開花している。「HIGHER」をはじめ、人気が再燃している「My House」もJun. Kによる作詞・作曲。他にも多くの楽曲制作に携わっている。JYPエンターテインメントの公式YouTubeチャンネルで公開された自宅スタジオには、整然と機材が並び、「ここでコーラスをレコーディングした」と、まるで秘密基地の中で宝物を見せてくれる少年のように、嬉しそうに語る姿が印象的だった。


 2014年には日本でのソロデビューを果たし、作詞・作曲・プロデュースもすべて担当した作品を次々とリリースしていく。インタビューでは「自分の音楽世界に共感してほしいという思いでソロ活動はやっているんです」と語り、R&B、ヒップホップ、ラップそして彼の魅力を存分に発揮するバラード……と、実に多くの音楽を取り入れ、自らの作品に昇華していく。楽曲を発表するたびに、新たな顔を見せてくれる頼もしさ。


 また、顔が似ていることからグッズを収集するほど、Jun. Kが愛しているのがパンダだ。自分の化身のようなパンダを「LOVE & HATE」のMVでは量産されていくように登場させるなど、思わずコンセプトを深読みしたくなるような映像美にもワクワクさせられる。5thミニアルバム『THIS IS NOT A SONG』は残念ながら新型コロナウイルスの影響により発売が延期に。そして2年ぶりとなる日本でのソロツアーも日程振替となっているが、この事態が落ち着いた暁には彼の歌声に思う存分酔いしれたい。


■元祖グローバルアイドル・ニックン
 今やK-POPアイドルグループは、韓国人以外のメンバーがいるのは決して珍しい風景ではなくなった。その礎を築いた人物といえば、2PMのニックンだ。中国系アメリカ人の母と、タイ人の父を持つニックンは、アメリカ・カリフォルニア州で生まれ、幼少期はタイに移り住み、そして少年期はニュージーランドへ留学するなど、広い世界を見てきた。さらに、スカウトを機に渡韓し、2PMとしてデビュー後は日本でも活動。英語、中国語、タイ語、韓国語、日本語を使い分ける秀才だ。西洋と東洋を融合した魅力を持ち、笑顔を絶やさず、いつも紳士的なニックン。ピアノが得意で、歌声も甘く、「天使」と呼ばれるにふさわしい存在。しかし、そんな柔和なイメージのニックンは、宿泊先のホテルでも筋トレを欠かさないという肉体派。メンバーのソロツアーにはいつも駆けつけて応援するアツい部分も。さらに、ニコニコしながらも罰ゲームとなれば容赦ない熱血系なので、やはり野獣アイドルの一員であることは間違いない。


 日本でのソロデビューは2018年12月。初のソロミニアルバム『ME』では、作詞作曲のみならず得意なアートを活かして、ジャケットデザインにも挑戦した。穏やかな色彩には彼の優しさが、そして黒いガウンにあしらわれた天使と悪魔のモチーフは繊細な彼の心情が表れていた。続く2ndミニアルバム『Story of…』では、より彼のロマンティックな部分が色濃く反映されていく。インタビューでは、タイトルの“…”部分に強いこだわりがあるとも。「“聴く人次第“で違ったストーリーになるように、あえて“…”にしたんです。皆さんに、自分自身の“ストーリー“を描いてほしいなと思います」と、細部までこだわった作品を楽しんでいると、まるでニックンの手のひらで転がされているような気分になる。(参照:CanCam.jp)


 アメリカ国籍のニックンには兵役義務がない。だからこそ、「メンバーたちが戻ってくるまで、2PMは僕が守っていく」とソロライブでも、Jun. Kが手がけた楽曲を披露したり、メンバーのモノマネをして歌ってみせたりと、ファンとグループのつながりを強めようと工夫していた。「2PM……会いたい」と、ファンに負けないくらいメンバーが完全体を待ちわびているというのも、2PMという物語のエモーショナルなところだ。(参照:リアルサウンド)(佐藤結衣)