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自宅待機中だからこそ挑戦したい、現役YouTuberによる「YouTubeの始め方」

2020年05月01日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 現在流行中の新型コロナウイルスの影響で、自宅での時間を持て余しているのは方も少なくないだろう。家でぼおっとしていて、ふと「YouTubeを初めてみようかな」と思ったことはないだろうか。


(参考:新型コロナの影響で収益激減、現役YouTuberたちの悲鳴


 この記事は現役でYouTuberとして活動している筆者が、YouTubeへの動画投稿を始める上で必要なこと、意識しておいたほうがいいことをお伝えしたい。


■適当にはじめても大丈夫
 YouTubeでチャンネルを作成して動画投稿を始めるのに必要なものはなんだろうか? 編集用のパソコン、カメラ、照明、マイク……、挙げ出せばキリはないが、これらの高価な機材が無くとも動画投稿は始められる。


 ほぼ全員が1台は持っているスマートフォンで動画を撮り、スマホからYouTubeにアップロードする。スマホ1台でも動画投稿は成立するのだ。現に私自身も登録者が5000人を超えるあたりまでは、iPhone8で動画を撮影していた。


 もちろん、きちんとした機材を揃えて良い環境で撮影するほうがいいに超したことはないのだが、良い環境で撮影した動画が必ずしもいい動画とは限らない。テレビの映像は複数台の高価なカメラを使って、照明や音質にもこだわって作られているが、時にはテレビ番組よりもYouTubeの何気ない動画のほうが面白いと思うことがあるように、画質が多少粗くても、音質が悪くても、照明がないから顔に影ができていても、大事なのは動画の本質的な面白さだ。画質や音質はあくまでも副次的なものにすぎない。


 そうはいっても画質や音質も大事じゃないの? と思うかもしれないが、画質に関してはスマホの画質でも十分に”見られる”映像になる。こだわるとしたらむしろ音質で、これはスマホに接続できるタイプのものが手に入れやすい値段で販売されているので、初めに揃えておくのもひとつの手だ。


■続けるために頑張りすぎない
 YouTuberが動画で自身の日常を語る時によく動画を編集している風景が映される。急上昇ランキングを見てみても、そこに並ぶほとんど全ての動画は編集されており、最近ではテレビ番組に近い編集のクオリテイをした動画まで見られる。


 しかし、YouTubeをはじめたばかりの段階であまり編集にこだわりすぎるのはオススメしない。本当にゼロから動画投稿をはじめた場合、たいていの場合は初めの頃はほとんど誰にも見られない。視聴者は投稿を続けるうちに徐々に増えていくもので、登録者と再生数を増やすのには時間がかかる。


 だからこそ凝った編集をはじめからやっていると、動画が数回しか再生されなかったときにひどく落ち込むことになる。「8時間も編集したのに、これだけしか再生されないのか……」と落胆する前に、まずは軽い編集や無編集の動画でもいいから継続的に動画を投稿してみてほしい。


 カメラの前で自分の話したいテーマについて、詰まってもいいので一段落するまで話し続け、後でその動画のうち詰まっている部分や同じことを言っている部分、うまく言えなかった部分だけをカットする。編集はそれだけでも十分だ。テロップはあるに超したことはないが、テロップ付けは編集で最も時間のかかる作業だ。フルテロップはあまりオススメしない。


 スマホアプリ「Vrew」を使えば動画の無音部分の自動カットや、音声読み取りによる自動テロップ付けも可能なのでこちらを使ってみるのもアリだ。


■サムネイルとタイトルにはこだわるべき
 と、ここまで「動画制作にはあまり時間をかけすぎないほうがいい」と述べてきたが、はじめたばかりの頃でもある程度こだわりを持つべき箇所はある。サムネイルとタイトルだ。


 動画が再生されるかどうかを決めるサムネとタイトルは、「どうすればより多くの人が興味を持ってくれるか」を考えながら毎回試行錯誤して作ってみてほしい。前回はこのサムネにして再生回数がイマイチだったから、今回は新しい工夫を……といった具合に改善を繰り返していけば、デザインの専門的技能がなくともある程度のクオリティのサムネイルが作れるようになる(困ったらまずは他のYouTuberのサムネを真似してみてほしい)。


 スマートフォンでもいくつかのアプリやサービスを組み合わせて使えば本格的なサムネイルが作成可能なので、挑戦する価値はある。


■ロールモデルにするべきYouTuber
 今回の記事では「比較的労力をかけずに、続けられるYouTube動画投稿」というテーマでお届けした。最後にテーマに沿って編集にあまり時間を割いていないであろう人気YouTuberを数人ご紹介したい。


 まずはオリエンタルラジオ中田の「中田敦彦のYouTube大学」。このチャンネルでは中田が毎回様々なテーマについて熱く語る動画が投稿されているが、基本的には中田の喋りがほぼノーカットで映し出される。もちろん動画撮影前の準備は手厚く行なわれているであろうが、編集にはそこまで時間をかけていないことが動画から伝わってくる。


 このチャンネルのように自分が情熱を注いでいることや、特別人より詳しいこと、好きなこと、そういった事柄について話せると思うのならぜひ今すぐYouTubeに動画を投稿してみてほしい。


 細かいポイントとして、ホワイトボードや黒板あるいはパワーポイントのようなソフトを使うことでテロップ付けの手間が減ることもこのチャンネルから学ぶことができる。


 次に登録者100万人越えの人気YouTuberシバターの動画を見てみてほしい。シバターの動画は毎回何らかの事象に対して辛口な意見を述べる”物申す系”と呼ばれるが、編集は毎回共通のOPとED以外ほぼ編集はされていない。


 そしてこの記事の前半で述べた「画質や音質がいいからといって動画が面白くなるわけではない」という点についても、この動画を見て実感していただけるだろう。シバターの動画の画質が今より粗かったり、音質が悪かったりしても、シバターの動画の面白さは軽減されるだろうか? 


■辞めずに続ける、がYouTubeの王道
 あのヒカキンも長い間YouTube動画が見られない期間が続いた後に大ブレイクを果たしている。YouTubeで必要なのは面白い動画を作る力と、作った動画が多くの人に見つかるまで動画を出し続けられる継続力だ。だからこそ、YouTubeをはじめたての頃は動画を長期間継続して上げ続けられるような体制を作る必要がある。


 自宅待機が続き嫌になる毎日かもしれないが、家で新しいことに挑戦してみるのも悪くはない。(カードゲーム芸人)