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三越伊勢丹HDが新型コロナの影響で赤字転落へ、特別損失104億円を計上

2020年04月27日 18:02  Fashionsnap.com

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三越伊勢丹ホールディングスが、特別損失の計上および繰延税金資産の取崩しを行うとともに、今年1月に公表した2020年3月期連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)の業績予想を下方修正したことを発表した。売上高は前回予想から3.1%減の1兆1,190億円、営業利益は同22.5%減の155億円、経常利益は同15.2%減の195億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前回予想の70億円の黒字から110億円の赤字の見通しとなった。

 下方修正の理由として同社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による訪日外国人の急減に加えて、日本国内で消費行動を自粛する動きが強まったことで、主力の百貨店事業を中心に売上高が大幅に悪化していることを理由に挙げている。
 特別損失については、連結子会社が保有する店舗設備等において、現在の事業環境および今後の見通しを勘案し、減損損失約104億円を計上。また、連結子会社である三越伊勢丹において新型コロナウイルス感染拡大による影響が不確実な状況を踏まえ、回収可能性について検討を行った結果、繰延税金資産約69億円を取り崩すことにしたという。
 三越伊勢丹ホールディングスは、前年度末までにコマーシャルペーパー300億円を追加発行するとともに、取引銀行との間でコミットメントラインの想定必要額について準備を進め、手元流動性の充実を図っていたことから、「当面の事業継続に必要な資金は十分確保されている」とコメント。また、現在の状況が長期化した場合の対応として、設備投資の削減や追加の経費削減にも取り組んでいくという。
 なお、5月7日に予定していた決算発表については、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響で決算業務に遅れが生じていることを理由に、5月11日に延期することを決めた。
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