2020年04月27日 07:01 リアルサウンド
アメリカで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急速な拡大をみせた3月に、ゲームの売上も大幅に増加したことが分かった。
(参考:Nintendo Switchが品薄で3DSの価格も高騰 緊急事態宣言の全国拡大で加速か)
・2020年3月は米国でゲーム売上が上昇、収益は16億ドルで前年比35%増
『Gamespot』は「新型コロナウイルスのパンデミックの間に、米国の人々はゲームにより多くのお金を費やしている」と報じている(参考:https://www.gamespot.com/articles/people-are-spending-way-more-money-on-games-in-the/1100-6476304/)。
調査会社NPD Groupのビデオゲーム業界に関する新しい統計により、2020年3月のアクセサリー、ハードウェア、ソフトウェアへの支出は、前年から35%増加、合計収益は約16億ドルに達することがわかった。
カテゴリー別では、2020年3月のソフトウェアの売上は、昨年と比較して34%増加して7億3,900万ドルだった。 NPD Groupは、これは2011年3月の7億7,800万ドル以来の高水準だという。
・アクセサリーとゲームパッドは、過去最高を記録
ハードウェアの販売状況も同様で、コンソールへの支出は63%増加して4億6,100万ドルになった。 NPD Groupによると、Nintendo Switchの2020年3月の売上は前年比2倍以上になり、これまで最高だった発売月を上回り、史上最高記録を更新。一方、PlayStation 4とXbox Oneの売上は25%以上増加した。
アクセサリーとゲームカードも上昇し、昨年と比較して12%増加。Nintendo Switch ProコントローラーやDualShock 4が売上を伸ばし、2020年3月は、アクセサリーとゲームパッドで過去最高を記録した。
ヘッドセットの販売も3月の新記録を樹立し、Turtle BeachのXbox One用Ear Force Stealth 600ワイヤレスヘッドセットが、一番の売れ筋だった。
なお、2020年3月に米国で最も売れたゲームは『あつまれ どうぶつの森』だったという。
・一方、イベントや実店舗、ゲーム開発は大打撃
一方で『PCMag』は新型コロナウイルスが、ゲームに及ぼした被害について、報じている(参考:https://www.pcmag.com/opinions/coronavirus-pandemic-puts-video-game-privileges-in-perspective)。
残念なことに、ロックダウンや自粛の影響で、 E3をはじめ多くのイベントが中止された。
また、実店舗でゲームを販売する小売業も、大打撃を受けている。GameStopは、14カ国に5,500店舗を展開しているが、元々デジタルに押されていたところに、新型コロナショックが発生。事業は、かつてないほど深刻な状況で、収益改善のために、2020年に300店舗を閉店することを決定した。
ゲーム開発にも遅れが目立っており、たとえば『Last of Us Part II』は、リリースが延期された。
2020年には、PlayStation 5とXbox Series Xのリリースが予定されている。しかし、パンデミック(世界的大流行)に起因する大不況が長引けば、少なくとも400ドルはするであろう家庭用ゲーム機を購入できる経済力が、各家庭に残されていない可能性もある。
今年後半になるほどその影響は顕著になりそうで、“過去最高の売り上げ”とはいえ、ゲーム業界にとっては油断できる状況ではなさそうだ。
(Nagata Tombo)