2020年04月24日 18:52 弁護士ドットコム
国会で審議されている「検察庁法改正案」では、内閣・法務大臣の判断で、検事長ら役職者の勤務延長ができる特例が設けられている。
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この点について、有志の弁護士らが4月24日、記者会見を開き、「検察官の独立性を失わせ、政治に従属させる」などと危険性を強調した。
会見した「法の支配の危機を憂う弁護士の会」は、ホームページで弁護士の反対の声を募集。すでに500人を超える賛同を得ているという(同日13時半現在)。
この法案は、検察官の定年を63歳から65歳に引き上げるほか、63歳の段階で役職定年制が適用されるというもの。
ただし、内閣あるいは法務大臣が必要と判断した場合は、63歳以降も幹部職を続けられる。つまり、検察人事における政府の影響力が強くなる。
検察人事をめぐっては今年1月にも、政府が従来の法解釈を変更して、東京高検の黒川弘務検事長(63)の定年を延ばしたことが問題視された。
同会事務局長の島田広弁護士は、「検察が政権の中枢に切り込む事件を扱えなくなる」と危惧。
共同代表で青山学院大学名誉教授の新倉修弁護士は、次のようにコメントした。
「法務大臣の指揮権の発動によらなくても、『トロイの馬』が、良心的な検察官の抵抗を押しつぶして、検察の職務を内部から腐敗させることができることになる」
呼びかけ人に名を連ねた、元日弁連事務総長の海渡雄一弁護士は、「新型コロナウイルスの影響で、市民運動が難しくなっている」とし、だからこそネットで声をあげてほしい、と呼びかけた。