リバティ・メディアのCEOを務めるグレッグ・マッフェイは、一部のチームが現在の経済不況へ対処できるように、前払い金を支払ったと述べている。
世界的な新型コロナウイルスの流行による影響を受けて、F1のシーズンは混沌としており、2021年に大幅な収益の減少が見込まれる一部のチームには、著しい財政上の圧力がかかっている。
チームはスポンサーからの収入とFOM(フォーミュラワン・マネジメント)の分配金を頼っているが、どちらの収入源も今年開催されるレースの数によっては、枯渇する恐れがある。
「我々は軽率なやり方で現金を使用することを奨励しているわけではないが、事業運営と、我々のパートナーであり多額のコストを負担しているチームの事業運営による現在の業績との間で、バランスを取ろうと試みている」とマッフェイは木曜日に『Wall Street Analysts』との電話会議で説明した。
「我々はすでに、特定のチームには通常の支払いに先立って前払いを行った。さらに同様のことを行う可能性もある。援助を必要とするチームを繋ぐために我々が行うかもしれない対策は、ほかにもある」
「これを普通小切手帳と見なしているわけではまったくない。我々はチームが確実に運営していけるようにしたいのだ。なぜなら彼らは、我々が2020年、2021年、そしてそれ以降もレースを成功させていくために必要だからだ」
マッフェイはどのチームが前払い金の恩恵を受けたかについては見識を示さなかったが、ハースとウイリアムズは受け取った可能性が高いと思われる。
F1は、2020年カレンダーの立て直しのための緊急対応計画に積極的に取り組んでいるところだ。マッフェイは無観客でシーズンを開幕するのが最も可能性の高い選択肢であると認めた。
「我々はあらゆる面で数多くの可能性もしくは課題を抱えている。チェイス(キャリー/F1のCEO)と彼のチームには複数の選択肢がある。それにはいつ開催されるか分からない状態にありながらも、既存のレースを他のレースと差し替えることを主催者に依頼するタイミングを推し量ることも含まれる」
「したがって西ヨーロッパの特定の国々で、一部のイベント開催がどのように行われるようになるか様子を見ているところだ。その周辺の選択肢がカレンダーの始まりになるかもしれないと考えている」
「まだ保証はできないが、それは確かに計画されることだ」