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ボルボ『XC90』『XC60』に48Vの最新HVパワートレイン“B5”を追加設定

2020年04月24日 16:31  AUTOSPORT web

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新開発48Vハイブリッドパワートレーン"B5"を搭載した『XC90』(手前)と『XC60』
2017年時点で将来的に発売するモデルの「全電動化」を発表していたボルボが、SUVラインアップの旗艦モデルとなる『XC90』と、ミドルサイズの主力モデル『XC60』に、新開発48Vハイブリッドパワートレイン“B5”を初搭載。さらに限定車『XC90 B5 AWD Nordic Edition(ノルディック・エディション)』も設定し、4月23日より発売開始となっている。

 いつの時代も世界をリードする安全技術と堅牢な車体、スカンジナビアンデザインを特徴としてきたボルボ・ブランドは、中国の吉利汽車グループ傘下に入ってから大きな変革の時代を迎えており、新世代デザインへの移行と同時にDrive-E (ドライブイー)戦略と銘打ち、内燃機関は2リッター4気筒以上を生産しない方針を打ち出してきた。

 さらにその後も、環境意識の高まりを受け大胆な電動化シフトを打ち出し、2017年には「2019年以降に発売予定の新型モデルは、全車に電動化技術を盛り込む」と宣言している。

 そのボルボの歴史上初となる新開発48Vハイブリッドパワートレイン“B5”は、SGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行う最新トレンドを持つハイブリッドシステムとなる。

 このシステム出力250PS(184kW)/350Nmを誇るB5では、スターターモーターに代わりISGMを用いてエンジン始動を行うことにより、アイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減を実現し、ガソリンエンジン本体もDrive-Eの第3世代となる4気筒2リッターエンジンを採用した。

 この新エンジンは新世代ボディ構造とともに、高いレベルの衝突安全性能も考慮したコンパクト設計に加え、シリンダーの表面処理の改良などエンジン内部の摩擦(フリクション)低減を図るとともに、CDA(シリンダー・ディ・アクティベーション/気筒休止)システムを導入したことで、一定条件を満たした状態での2気筒走行が可能となっている。
 またエンジンパフォーマンスに影響を与えることなく車内外の騒音レベルを抑えるため、エキゾーストシステムをはじめさまざまな機構の改良も実施し、より上質感のある走行性能と実用域での燃費も向上させた。

 一方、ロックアップ機構付きの電子制御8速ATにも改良を加え、バイ・ワイヤー化したことにより『XC60 B5 AWD Inscription』には“T8 Twin Engine”と同様にスウェーデン・オレフォス社のクリスタルガラス・シフトノブを採用している。

 そのB5導入に合わせて『XC90 B5 AWD Momentum』をベースに設定された『XC90 B5 AWD Nordic Edition』は、人気オプションのパノラマ・ガラス・サンルーフやharman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステムに、通常のMomentumグレードには設定のない専用20インチ・アルミホイールなどを装備。

 スカンジナビアンデザインを感じさせるリニア・ウォールナットウッドパネル他、カラーコンビネーションの内外装を設定したディーラー特別限定車となっている。

 もちろん、その他の新世代ボルボ車と同様に対向車対応機能や歩行者・サイクリスト検知機能、インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)などを備えるCity Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム)をはじめ、全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、パイロット・アシスト(車線維持支援機能)、BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)、ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避機能)、オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)など16種類以上の先進安全・運転支援機能を持つ“IntelliSafe(インテリセーフ)”を全車に標準装備している。

 内外装、シートカラーともに3色のコンビネーションが用意され、『XC60』のB5系は2グレードで634万~734万円。『XC90』はMomentumの1グレード展開で824万円に。そして100台限定の『XC90 B5 AWD Nordic Edition』は879万円となっている。