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ヴィクトリアの滝、10年ぶりに「迫力ある光景」も観光客ゼロ(ジンバブエ)

2020年04月24日 16:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

10年ぶりに水量が激増したヴィクトリアの滝(画像は『IOL 2020年4月22日「WATCH: Victoria Falls reaches highest flow in 10 years - but no one’s there to see it」』のスクリーンショット)
世界三大瀑布の一つ、ジンバブエとザンビアの国境にあるヴィクトリアの滝(Victoria Falls)は世界中から多くの観光客が訪れる。時期よって流れる水量に差があるが、やはり一番の人気は迫力ある光景が見られる水量の多い時だろう。そんなヴィクトリアの滝が10年ぶりに水量が激増し、美しい景色を楽しめるところだったが、残念ながら観光客の姿はなかったという。南アフリカメディア『IOL』などが伝えた。

4か月ほど前、ヴィクトリアの滝は100年ぶりの干ばつにより崖肌が見えるほどに枯渇し、1秒当たりの流量は12月2日で227トンしかなかった。雨季であるこの時期も昨年は水量が少なく、2019年4月20日の水量ですら1007トンほどしかなかったことから、このままではユネスコ世界遺産のこの滝は干上がるのではないかと心配されていた。しかし今年の雨季は予想を超える雨量となり、今年4月20日の流量は3922トンを記録、昨年の同じ日の実に4倍近い水量となった。

このことに、ヴィクトリアの滝の水を運んでくるザンベジ川当局の広報・報道官エリザベス・カロンガさんは「現在雨季のジンバブエでは、雨量の増加そして滝上流の水が集まる場所からの流出量の増加が著しいことが原因だ」と述べている。10年ぶりの最高水量となり、轟音とともに上がる水煙に包まれて、迫力満点の瀑布をすぐそばで見られる絶好の時期なのだが、観光客はいない。ジンバブエも3月30日から、新型コロナウイルス対策のためロックダウン(都市封鎖)を行っており、海外からの観光客がいないのだ。この水量のピークは5月末まで続くと見られており、観光促進に大いに貢献すると期待されていたが、新型コロナウイルスの影響はここにまで及んでいた。

昨年は水量の少なさで観光への影響が出ていたのだが、今年は水量が激増したにもかかわらず観光への打撃は免れそうにない。

画像は『IOL 2020年4月22日「WATCH: Victoria Falls reaches highest flow in 10 years - but no one’s there to see it」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)