WEC世界耐久選手権のジェラール・ヌーブCEOは、新型コロナウイルスのパンデミックによってスケジュールが変更された2019/2020年シーズンを完了させるため、必要な場合は無観客でのレース開催の可能性もあることを示唆した。
昨年9月に開幕したWECの2019/20年シーズンは現在、新型コロナウイルスの影響で実質的な中断を余儀なくされている。当初、シリーズは今週末の4月25日に第7戦スパ・フランコルシャン6時間レースを開催するはずだったが、このスケジュールは8月15日に修正された。
また、その後のル・マン24時間は9月19~20日に、第6戦セブリングの代替ラウンドとなる2度目のバーレーン8時間が第8戦として11月21日に設定されている。
そんななかベルギー当局が8月31日まで大規模イベントを禁止する措置を発表。これによりWECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、ふたつのスポーツカーシリーズのスパラウンドは問題に直面することとなった。なお、直後に発表されたWECの声明では、レースの計画はまだ進行中であることが伝えられていた。
その後、ヌーブはEndurance-Infoが行ったファンのQ&Aに対して答え、WECとELMSの両イベントとも規制が残っていれば無観客でレースをする用意があることを認めた。
「現時点ではすべての可能性を考慮したと言うには時期尚早だ」とヌーブは述べる。
「この夏にWECとELMSを非公開で走らせなければならない場合、そうするだろう」
「参加者の安全が保証される限り、この夏のレースに参加できるように、我々のチームはあらゆる機会を利用すべきだと考えている」
ELMSは今月始めにリスケジュールされた暫定カレンダーを発表し、ポール・リカール(7月19日)、スパ(8月9日)、バルセロナ(8月29日)の4レースが今夏に予定されている。
ヌーブは当局の規制動向次第で計画が変わる可能性があることを強調した。実際にヨーロッパの一部の国では新型コロナウイルスの症例数が減少していることから、規制の緩和を行う動きが出始めている。
「いま、私たちは非常に謙虚である必要がある」とヌーブ。
「我々は閉ざされた出口戦略の詳細が明らかになるのを待っており、そのときになって初めて、この夏のイベントどのように運営するかを正確に知ることができるだろう」
「もちろん、もっとも重要な要素はすべての人が安全で健康であり、家にいるということだ」