首都圏、近畿圏でスーパーマーケット「ライフ」を展開するライフコーポレーションは4月23日、買い物客に対する3つのお願いとして、混雑緩和などに向けた協力を呼び掛けた。イトーヨーカ堂、ローソンでも同様のお願いをしている。
新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議は22日、人の密集がみられるスーパーなどの入場制限などを求めた提言を発表。各小売店の対応は、こうした見解を受けたものとみられる。
複数名で来店しない、レジでは間隔を開けて並ぶ、など
ライフでは、ホームページ上などで以下の3つを呼び掛けている。
(1)店内混雑緩和のため「複数名でのご来店」は出来る限りご遠慮願います
(状況により「入場制限」をお願いする場合がありますので、予めご理解をお願いします)
(2)店内では他のお客様との距離を空けてお買い物いただくようお願いします
(レジではお待ちいただく場所がわかるようにラインを引いておりますのでご協力をお願いします)
(3)ご来店の際は出来る限りマスク着用の上、入店前には店頭備え付けの消毒液などのご使用をお願いいたします
特に(1)の「複数名での来店」は、従業員を守る上では切実な願いだ。緊急事態宣言の発令後、多くのレジャー施設や大型商業施設が営業停止になり、家族そろってスーパーで買い物する人が目立っている。また、休校中の学生が複数人で不要不急の来店をするなど、遊び場を失った人々の"たまり場"と化した感も否めない。同社は
「新型コロナウイルス感染が拡大する現在の状況では『お客様と従業員の安全・安心の確保』を最優先と考えています。その上で『食料品をはじめとした生活必需品の販売を継続することで地域の皆さまのライフラインを支えていくこと』が私たちの使命だと考えています」
と改めてスーパーの営業を続ける意義を強調。その上で「お客様自身と従業員の安全を確保するために、当面の間は、特に3つの点に一層のご協力を賜りたく、何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます」と異例のお願いをしている。
イトーヨーカ堂も22日、店頭に"分散来店"を呼び掛けるポスターを掲示。ローソンでも各店舗で混雑時間を明示したポスターを掲示するなどして工夫している。
東京都の小池百合子知事は23日にも、スーパーの入場制限など都としての対策を公表する方針。スーパーの来店客が増えている現状を受け、報道陣の取材に「ルールを厳しめに設けることが必要」などと答えている。