マイナビは4月22日、「社会人の学び直し」に関する調査結果を発表した。調査は2~3月にネット上で実施し、20~59歳の会社員800人から回答を得た。
義務教育を終えた社会人が、大学などの教育機関でもう一度教育を受ける「学び直し」について、8割以上が「興味がある」(82.1%)と答えた。年代別にみると、「30代」(89%)が最多で、「20代」(85.0%)、「40代」(83.0%)、「50代」(71.5%)と続いた。
「金銭的に苦しいので無理」「勤務時間が長く、家に帰ると疲れが先に立つ」
「学び直し」に期待することを聞くと、最多は「仕事の幅を広げる」(50.6%)がだった。次いで「専門性を高める」(43.8%)、「学んだ知識をいまの仕事に役立てる」(43.1%)、「資格の所得」(33.9%)、「昇給」(28.3%)、「良い条件での転職」(27.6%)と続く。
一方、半数近くの人は「学び直しをしたことはない」(46.5%)と回答。その理由を聞くと、「時間がない/忙しいから」(52.6%)が最多で、次いで「勉強にお金を掛ける余裕がないから」(30.7%)、「何から始めればいいか、分からないから」(20.6%)と続いた。回答者からは
「お金を掛けて勉強すれば強制的に学べるが、金銭的に苦しいので実際には無理」50代男性)
「勤務時間が長く、疲れてしまい、家に帰ると疲れが先に立つ。睡眠時間は減らしたくないので寝てしまう。休日はのんびりしたいので、何もしたくない」(50代女性)
といった声が寄せられた。また、中には「子供が居るので仕事から帰れば、家事、育児。休みの日も買い物やら家事やらで忙しい」(30代女性)といった意見もみられた。
学び直しで得たメリット、5割が「特になし/分からない」
一方、「学び直しを現在している」と回答した人は16.9%、「過去にしたことがある」という人は36.6%だった。
勉強したジャンルのうち、最多は「パソコン」(24.3%)だった。次いで「医療・福祉」(22.7%)、「語学(英語)」(22.4%)、「会計・経理・税務」(12.6%)、「金融」(12.4%)、「経営・経済」(12.1%)と続いた。
実際に学び直しを通じて「どんなメリットが得られたか」と聞くと、約半数が「特になし/分からない」(47.0%)と回答。次いで「資格の所得ができた」(27.6%)などと続いた。
一方で「昇給した」(9.3%)、「離職後、再就職がうまくいった」(6.8%)、「昇進・昇格した」(6.5%)、「良い条件で転職ができた」(5.8%)、「転職して、希望の仕事に就けた」(4.9%)などとキャリアアップに関連する回答率はいずれも10%未満だった。
回答者からは「学び直しをしたら自分の為になるのは明らかだが、お給料には反映されない。だから、モチベーションが上がらない」(20代女性)といった不満が寄せられた。