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ファストリがサプライチェーンと取引工場従業員を支援、権利侵害のホットライン設置も

2020年04月22日 19:32  Fashionsnap.com

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新型コロナウイルス感染防止に伴う休業の影響で、工場に対する発注キャンセルや賃金未払い、不当な解雇などがアパレル企業で相次ぐ中、ファーストリテイリングが国内外の取引先縫製工場やサプライチェーンで働く人々のために講じている具体的な支援策を発表した。
>>同社では3月下旬からマスク1000万枚を全世界の医療機関などに寄贈

 ファーストリテイリングは、生産パートナーである取引先縫製工場の財政的安定を支援する対策として、生産済みおよび生産開始している商品については、事前に合意された条件に基づき支払いを確約していると公表。縫製工場が購入済みの生地や副資材についても責任を持って使用する方針で、万一不要になった場合には補償を実施。このほか、工場の財務リスクの把握やオーダー状況と生産キャパシティの把握によるリスク管理、生産スケジュールの柔軟な調整など、工場の財務状況を把握した上で支援を行うための協議を進めていくという。
 サプライチェーンで働く人々が安全に働ける対策としては、国際労働機関(ILO)と世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の共同プログラム「ベターワーク」と連携し、工場の衛生管理強化や休業になった際の補償に関するガイドラインを工場に提供。休業補償に関する問い合わせ窓口を設置し、各国の法令や同社の「生産パートナー向けコードオブコンダクト」に則って、従業員が適正な待遇と補償を受けられるよう支援を実施する。
 このほか、権利を侵害されるなど不当な扱いを受けた際に同社に直接通報できるホットラインを設置。移住労働者が雇用主である工場から必要な支援を受けられるよう、国連の国際移住機関(IOM)と連携して待遇などに関するガイドラインを提供する。さらに、工場の協力の下でIOMと連携して必要な追加支援を実施していく。また、工場では手洗いや検温、マスクの着用などを引き続き推進。一部工場に対しては赤外線検温器を提供し、工場内での感染リスク抑制に貢献しているという。
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