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TCRデンマーク:初年度カレンダー改訂版オプションを検討中。若手F4出身者も参戦決定

2020年04月22日 12:21  AUTOSPORT web

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パンデミックの影響を受け、2020年に初年度シーズンを迎える予定だったTCRデンマーク・シリーズが苦境を迎えている
世界中で進行する新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響を受け、2020年に初年度シーズンを迎える予定だったTCRデンマーク・シリーズが苦境を迎えている。その他のカテゴリー同様に開幕戦の延期、市街地コースだった第2戦の中止決定を経て、新たにデンマーク政府が8月末までのスポーツイベント開催を禁止したため、さらなる改訂版カレンダー策定の必要に迫られているのだ。

「我々、TCRデンマーク・シリーズはみなさんが想像可能な範囲でもっとも困難なスタートを切ったと言っていい」と語るのは、TCRデンマーク・シリーズの責任者であるマーティン・ジェンセン。

「現時点からイベント開催準備モードではなく、計画策定のプランニングモードに立ち戻り、各トラックの担当者や参戦チームと密接に連携を取っている。多くの困難な課題にも関わらず、初年度に4~5戦のレースイベントを維持できると信じている」

 当初の4月18~19日から5月2~3日に延期されることが決定していた開幕戦FDMユランズリングは、ふたたびスロットを移して暫定的に6月20~21日の週末に移動し、カレンダー最後の2戦、9月26~27日のリング・ユールスランド、10月10~11日の最終戦パドボル・パークのみが本来の日付で開催できる可能性がある。

 プロモーターは現在、残るイベントを含め魅力的なカレンダーを維持するべく4つのオプションを検討しており、6月に移動した開幕戦と8月に予定されていたFDMユランズリングでの同一サーキット連戦を、政府の承認が得られた場合を条件として無観客で開催することを目指している。

 2番目のオプションは、最終戦開催予定地のパドボル・パークで例年9月12~13日に催される恒例のナイトレース・イベントに、TCRデンマーク・シリーズのエントラントを合流させる、というもの。

 さらに3番目のオプションとして最終戦予定日のさらに後、10月末にFDMユランズリングでのレースウイークを追加設定することも考えられているものの、これは北海に浮かぶ半島の気候を考慮すれば、天候の面でかなりの賭けとなる。

 そして現在評価されている最後のオプションは、6月と8月のFDMユランズリングでの週末を9月4~6日に移し、ダブルヘッダーの週末として開催すること。

 土曜と日曜でそれぞれ1ラウンドのレースフォーマットを消化する密度の高いタイムテーブルとなるが、この方式はすでに昨季のDTCC(Danish Touring Car Championship)で開催実績がある。

 先出のジェンセンは、シリーズ創設の年に厳しい舵取りを強いられながらも、次のように期待を込めた。

「我々は素晴らしいプランA、B、Cを持っていると信じている。どんな困難も乗り越えてトラックに行き、ドライバーとチームは素晴らしいシーズンを楽しむことができるはずだ。シーズンは短く非常に激動のスケジュールとなるだろうが、2020年の記念すべきシリーズ初年度として充分な数のレースを実施したいと思っている」

 そんな難しい条件のシリーズに向け、19歳のF4ドライバーであるヨナス・リンドハードがフォーミュラからツーリングカーへの転向を決意し、TCRデンマーク・シリーズ参戦を表明した。

 過去数年間、デンマークのフォーミュラ・フォード、F5、F4シリーズへと参戦してきたリンドハードは、新たにフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR DSGを購入してファミリーチームとともに参戦し、23歳未満に参加資格のあるAMカテゴリーのタイトル獲得を目指すという。

「これは間違いなくクールな挑戦で本当に楽しみだ。タフで厳しいだろうし、バックマーカーになる可能性もあるだろうが、今年は学習のシーズンに位置付けたい」と謙虚な目標を掲げたリンドハード。

「フォーミュラーカーでのキャリアを積もうとした場合、F4以降は信じられないほど高価になる。個人的に、それらをさらに推し進める方法が見当たらなかったんだ。一方でTCRデンマークには素晴らしいチャンスがある。エントリーリストには強力なチームや国を代表するドライバーが顔を揃えているからね」