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上場企業の従業員感染、直近2週間で"3倍超" 在宅勤務が難しい「建築」「製造」などで急増

2020年04月21日 12:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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帝国データバンクは4月20日、「新型コロナウイルスの影響や対応等」に関する調査結果を発表した。調査は上場企業を対象に実施し、3月17、31日に続く3回目。今回は4月17日時点までに公開されたプレスリリースなどを元にまとめた。

新型コロナウイルスによる休業や防疫措置などの影響を受けた上場企業は1602社にのぼった。前回調査からは新たに560社で影響が判明し、全上場企業(3778社)の4割以上を占めた。

営業活動への影響は2倍超 外出自粛、緊急事態宣言で休業相次ぐ


影響を業種別にみると、最多は「製造」(535社、前回比166社増)で、次いで「サービス」(398社、同142社増)、「小売」(241社、同92社増)などが続いた。前回調査からの増加率が最高だったのは「金融」(55社、同29社増)で2.1倍。次点で「建設」(41社、同20社増)の2.0倍だった。

影響を受けた1602社のうち、700社(同265社増)が業績へのマイナス影響に言及。このうち「影響の懸念がある」など影響不確定の企業は335社(同95社増)、客足・販売の減少、下方修正などで既に影響が出た・出る見通しの企業は365社(同170社増)だった。

業績の下方修正を行った企業では、売上高の消失額合計が約1兆7000億円と2兆円規模に迫っており、同社は「今後も消失額のさらなる拡大が見込まれる」としている。

店舗や拠点の営業停止、営業時間短縮対応など営業活動に影響が出た企業は360社(同194社増)で、前回調査から2倍超の増加だった。外出自粛要請や緊急事態宣言の発令を受けて「小売」「サービス」などを中心に休業などの措置が相次いだ。他方、サービス提供・イベントなどの開催中止・延期は240社(同94社増)だった。

70社が決算発表を延期 業務停滞が影響

自社や関連会社などで従業員の感染が判明した企業は、278社(同186社増)判明した。前回調査からは202.2%増と3倍超の増加率。「小売」「サービス」のほか、在宅勤務が難しい「建築」「製造」などの業種で、従業員の感染が急増したことが押し上げる要因になった。

テレワークの導入など働き方の変更を表明した企業は、判明分で458社(同189社増)、出張・プライベートなどにおける海外渡航の禁止、自粛の対応を取る企業も148社(同36社増)だった。また、国内外で従業員の出勤が停止して決算業務が滞っていることを理由に、決算発表の延期を公表した企業は開示分で70社にのぼった。