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AirPods Pro Liteが5月に発表される? Apple製ヘッドフォン登場のリークも

2020年04月21日 12:31  リアルサウンド

リアルサウンド

appleinsider「AirPods Pro Lite」まとめ記事より

 新型コロナウイルス流行下であっても、3月には新しいiPad Pro、そして先日はiPhone SE 2020を発表したAppleは、5月と6月にも注目製品を発表するかも知れない。5月に発表する製品は、同社が世界シェア1位を占めているカテゴリーのものだ。


(参考:iPhone 12 Pro Maxの最新リーク動画公開、未来的デザインが明らかに


・iPhone SE 2020の発表日を的中させたリーカーがリーク
 Apple製品専門メディア『appleinsider』は19日、有名リーカーJon Prosserのリークツイートを紹介した。Prosser氏と言えば、先日発表されたiPhone SE 2020の発表日を的中させたことで急激に評価と信頼性が高まったリーカーである。同氏によると、来月、新しいAirPodsが発表されるようなのだ。


 ツイートでは、新しいAirPodsが本来は3月に開催予定だったApple新製品発表イベントで発表される予定であったことにも言及している。新型コロナウイルスの流行がなければ、3月に開催するはずだったイベントで、新しいiPad Pro、iPhone SE 2020とともに新しいAirPodsも発表されていたのだろう。


 また「新しいAirPodsと同時に新しいMacBook Proも発表されるかも知れない」とも述べている。同PCの発表に関しては、英語の表現である「Probably」が使われている。この単語の意味は日本語における「おそらく」より「十中八九」に近いものなので、かなりの確度をもって予想していると見られる。同PCが開発中という噂は、既報の通り、ブルームバーグも報じており、iMacも開発中のようだ。


・5月と6月に連続発表か
 ところで、新しいAirPodsはどのような仕様になるのだろうか。前出のappleinsiderの記事は、新しいAirPodsは「AirPods Pro Lite」になるのではないか、と推測している。AirPods Pro Liteとは、「Lite(軽い)」という単語が示すようにAirPods Proよりはリーズナブルだが、AirPodsよりは高機能という新たなカテゴリーのイヤフォンのことだ。


 現行のAirPodsとAirPods Proの機能上の違いは、イヤーチップ(耳に装着する部分)のカスタマイズ、耐水機能、そしてアクティブノイズキャンセリングの3機能だ。Air Pods Pro Liteに実装される可能性が高いのは、イヤーチップのカスタマイズと耐水機能のどちらか、あるいは両方だろう。アクティブノイズキャンセリングはAirPods Proとの差別化、そして何より価格を抑えると理由から実装される可能性は薄いと推測される。


 AirPods Liteの予想価格は、Wireless Charging Case付きのAirPodsと同じ199ドル(約21,000円)となると見られている。AirPods Pro Liteの登場により199ドルのAirPodsは159ドルに値下げし、Wireless Charging Caseが付かないAirPodsは販売終了となるとも予想されている。


 イヤフォンの類似製品であるヘッドフォンに関しては、Appleは2014年に買収したBeatsの製品をブランド名を残したまま販売している。こうしたなか、appleinsiderは7日、Apple製ヘッドフォンに関する噂を報じた。その噂のソースは、前出のProsser氏だ。同氏によると、毎年6月にAppleが開催している開発者会議WWDCで同ヘッドフォンが発表されるというのだ。


 なお、WWDC 2020に関しては、Appleは3月13日、同カンファレンスとして初めての試みとなるオンラインでの開催を発表した。こうした発表の背景には、もちろん新型コロナウイルス流行の影響が指摘できるだろう。


・シェア1位のAppleだが……
 AirPodsシリーズが属するワイヤレスイヤフォン市場は、Appleが無類の強さを誇っている。調査会社Counterpointが2月に発表した調査結果によると、同市場の出荷数から見たメーカー別シェアはAppleが1位で41%、2位がXiaomi、3位がSamsungと続く。売上からシェアを見ると、全世界の売上が66兆ドル(約7,200兆円)のうち62%をAppleが占め、2位にApple傘下のBeatsが続く。Appleのシェアが出荷数より売上で大きくなるのは、同社のイヤフォンが相対的に競合他社より高額にも関わらず、売れていることを意味する。


 以上のような市場状況において、AirPods Pro Liteがリリースされた場合、Appleはさらに出荷数から見たシェアを拡大すると考えられる。その一方で、売上から見たシェアは微増するにとどまるだろう。というのも、AirPods Pro Liteはリーズナブルな価格になるため、売上への貢献は限定的となるからだ。


 ワイヤレスイヤフォン市場において競合他社の追随を許さないAppleだが、同市場自体に懸念材料が存在する。Counterpointが昨年12月に発表した報告によれば、同市場は2022年まで年平均成長率80%で成長すると予想され、この成長は2009から2012年におけるスマホ市場のそれに比肩するものなのだ。だが、周知の通り、新型コロナウイルスの流行により、昨年の市場予測は大きく修正を強いられる。同市場は当初の予想のようには成長する可能性は低く、楽観的に見ても成長が鈍化し、悲観的に見れば横ばいか縮小の可能性がある。AirPods Pro Liteも、Appleが予想していたよりは売れないかも知れない。


 ワイヤレスイヤフォン市場の先行きは不透明ではあるが、AirPods Pro Liteがリリースされれば、同市場をある程度は刺激すると見て間違いないだろう。


(吉本幸記)