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スーパーGT:星野一樹が語る、2020年シーズンの目標と石川京侍への期待

2020年04月21日 12:31  AUTOSPORT web

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スーパーGT岡山公式テストでの星野一樹
スーパーGT参戦18年目を迎えるベテラン星野一樹。2019年シーズンは第4戦タイで3年ぶりのGT300クラス優勝を飾り、2020年もGAINERからGT300クラスに参戦する。

 4月20日時点で、2020年シーズンの開幕は7月11~12日とされているなか、今シーズンの目標や、引き続きチームメイトとなる石川京侍へ期待する思いを聞いた。

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■昨年の1勝を経て迎える2020年シーズンの目標

 星野は2018年にGAINERに移籍し、吉田広樹とコンビを組んで参戦した2018年シーズンは第6戦SUGOで2位表彰台を獲得。ただ、8戦中4戦で得点できず、ドライバーズランキングは16位に終わる。「早く結果を出さなければ、という焦りもあって空回りしたシーズンでした」と移籍初年度を振り返った。ただ、この年の悔しさが新たなチームメイトである石川京侍を迎えて挑んだ2019年に繋がる。

 新たなチームメイト石川京侍を迎えて挑んだ2019年シーズンの第4戦タイでは、星野が序盤から表彰台圏内をうかがうと、最終ラップの5コーナーで石川がトップを走行していたリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rをオーバーテイクする大仕事を成し遂げ、悲願の1勝を飾った。

「2年目の2019年シーズンは『絶対に勝つんだ』というつもりで挑んで、タイで優勝できました。しかし、タイ以外のレースでポイントの取りこぼしが多く、シリーズとしては下位に沈んでしまいましたね」

 星野の言葉の通り8戦中5戦でノーポイントとシーズンを通しての安定感に欠け、ドライバーズランキング14位でシーズンを終えている。

 2019年には勝利を挙げ、GAINER所属3年目の2020年に向けて「必ずチャンピオン争いに加わるという覚悟です」と星野は意気込む。

「2020年もシーズン1勝は最低限の目標としてあって、そのうえでポイントの取りこぼしを少なくする。毎戦もっともっと粘り強くポイントを獲って、シリーズの争いに最後まで関わる、ということを目標においています」

■チームメイト石川京侍への期待

 そんな覚悟をもって今季に挑む星野だが。ともにGAINER TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-Rをドライブするチームメイト、石川京侍にも期待を寄せている。

 SRS出身の石川は、Rn-SportsからGT300に参戦すると、2017~18年にエヴァRT初号機 Rn-s AMG GTで速さをみせる。2018年にはGULF NAC PORSCHE 911で自身初のポイントを獲得。その活躍が認められ2019年にGAINERに加入し、星野のチームメイトとなった。

「京侍は速いし、ドライビングスタイルの違いもあるので、ドライビングに関して僕が言うことは何もないです。非常にやりやすいので、いいタッグを組めている」と星野。

 そして何より、星野が買うのは石川の熱い“ハート”だ。「京侍は昨年『優勝したからすごい』というよりも、その結果を出すための気持ちだったり、ファイナルラップで『行く』と決めた根性がすごい。結果としてあのオーバーテイクがダメだったとしても、あそこで仕掛けたことはすごく評価できるし、京侍に対する見かたも変わりました」

「レース後のインタビューで自分も言いましたが、京侍は今後注目を浴びていくドライバーになるだろうなと期待しています」

 とはいえ、将来チームを牽引する“エース”となるには、足りない部分もある。「物事に取り組む姿勢や熱い気持ちを秘めてはいるけど、なかなか表に出さないので、もっとそういうところが見えてくるようになると、もっとまわりがついてくる」と、ベテランらしいアドバイスも話してくれた。

 星野は2010年以来、ドライバーズタイトルからは遠ざかっている。GAINERに移籍して3年目の2020年を見据え、星野は“覚悟”という言葉を使った。しかし、その表情は険しいものではなく、石川とともに戦う新しいシーズンを待ち焦がれている期待に満ちた表情だった。