WRC世界ラリー選手権は若手ラリードライバーにスポットライトを当てるべく、シリーズ公式ゲームを使ったeスポーツ『eスポーツWRCシュートアウト』の開催を決定した。参戦ドライバーのなかにはペター・ソルベルグの息子であるオリバー・ソルベルグも含まれる。
世界中で脅威となっている新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、WRCは3月12~15日の第3戦メキシコを最後に中断状態にある。4月20日時点では7月16~19日のラリー・ケニアでシリーズ再開となる見込みだ。
このシリーズ中断期間に、WRCは将来シリーズ最上位クラスを戦うであろう若手ドライバーにフォーカスしたeスポーツイベントを開催すると決定した。これは先日行われたジュニアWRCのeスポーツイベントが好評だったことを受けて開催が決まったものだという。
大会はシリーズの公式ライセンスゲームである『WRC8』が使用される。参加ドライバーは11名でソルベルグのほか、2020年のWRC2を戦っているアドリアン・フォルマー、オーレ・クリスチャン・ベイビーなどが名を連ねている。
大会は4月21~23日に行われ、本来であれば4月23~26日に開催予定だったラリー・アルゼンチンのステージが戦いの舞台だ。
バトルは11名によるクオリファイラウンドで幕を開け、このクオリファイ上位8名が1対1の直接対決方式で争われるクォーターファイナルに進出する。クォーターファイナルの舞台はラリー・アルゼンチンの代表的ステージであるエル・コンドルだ。
クォーターファイナルを勝ち抜いた4名はセミファイナルに進出。アルゼンチンにあるテーマパークが舞台のステージでファイナル進出を賭けた争いが行われる。
頂上決戦となるファイナルはエル・コンドルとクッチーナ・ネバダの計2ステージを使って争われ、ここで最速タイムを刻んだドライバーがeスポーツWRCシュートアウトのウイナーとなる。
大会はクォーターファイナルからWRC公式Facebookでライブ配信が行われる予定で、クォーターファイナルは4月21日の中央ヨーロッパ時間21時(日本時間翌5時)、セミファイナルは22日の中央ヨーロッパ時間21時、ファイナルは23日の中央ヨーロッパ時間21時に配信開始となる。
WRCプロモーターのオリバー・シースラ代表は「新型コロナウイルスの影響でWRCがストップしている間、このeスポーツWRCシュートアウトを開催することで将来のスター選手にスポットライトを当てる」と述べている。
「もちろんドライバーたち、そして我々全員が現実世界でのバトルを待ち望んでいる。ただ、WRC8でラリー・アルゼンチンのトリッキーなステージを走ったとき、彼らの闘争心やアドレナリンは現実と変わらない形で放出されるだろう」
「バーチャルレースはモータースポーツのなかで、いま急速に成長を遂げている分野だ。我々は誰もが参加できるeスポーツWRCチャンピオンシップも開催しており、今回のWRCシュートアウトはそれと対をなす存在になる」
「WRCのファンには、このWRCシュートアウトを自宅で楽しんでもらい、そのあとにeスポーツWRCチャンピオンシップに挑んでもらいたい」