メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフが、英国の自動車メーカー、アストンマーティン・ラゴンダに出資したことが明らかになった。アストンマーティンは、現レーシングポイントを引き継ぐ形で2021年からF1に参戦することが決まっている。
レーシングポイントの共同オーナーであるルーレンス・ストロール率いるコンソーシアムは、今年初め、アストンマーティンの大株主となり、ストロールが同社の会長に就任することが決まった。これに伴い、レーシングポイントは2021年からアストンマーティンとしてF1に参戦することも発表された。
ストロールと親しい間柄にあるウォルフは、アストンマーティンF1チームを率いるポジションに就くのではないかといううわさがささやかれているが、本人はそれを否定し続けている。ウォルフとメルセデスとの現契約は2020年末までとなっているものの、ウォルフは来年以降もメルセデスにとどまる意向を示している。
4月17日、ウォルフがアストンマーティン社の株式4.77パーセントを購入したことが分かった。ただし、アストンマーティンがさらなる資本調達のためにライツイシュー(新株予約権無償割当)を行うことより、月曜には0.95パーセントに希薄化されるという。そのため、ウォルフはいち個人投資家という立場になる。
メルセデスのスポークスパーソンは、今回の株式購入によりウォルフがメルセデスを離れる予定はないとコメントした。
「月曜に予定されているライツイシューにより、完全に希薄化されるため、この投資は社の0.95パーセントに相当することになります」とスポークスパーソン。
「これは財政投資であり、トトとメルセデスとのパートナーシップ、彼の役員としての役割にこの取引は影響しません」
メルセデスの親会社ダイムラーは、長年、アストンマーティンの株主を務めている。レーシングポイントは現在、メルセデスからパワーユニットとギヤボックスの供給を受けており、来年アストンマーティンのワークスチームになることで、メルセデスとのつながりがより深くなるものと考えられる。