トップへ

新型iPhone SEのカメラは“残念”? 「最高のシングルカメラ」は最高のスマホカメラではない

2020年04月20日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

新型iPhone SE

 Appleからリリースされたばかりの、新型iPhone SEは、廉価モデルとして44,800円(税別)という価格は魅力だが、カメラについては失望したという意見が散見される。


(参考:新型iPhone SE(第2世代)はどんなユーザーが“買い”で、どのユーザーに“向いてない”のか?


・iPhone 11と同じ高性能カメラが期待されていたが、実際はiPhone XRレベル
 『Front Page Tech』のJon Prosser氏は、Appleが新モデルのiPhone SEに2018年のiPhone XRのカメラを採用していると述べる。iPhoneのカメラは、HuaweiやGoogleに遅れをとっていたが、iPhone 11で挽回した。


 『Forbes』はJon Prosser氏を除く多くのリークで、iPhone 11のメインカメラ使用と予想されていたため、これは驚きだと伝えている(参考:https://www.forbes.com/sites/gordonkelly/2020/04/14/apple-2020-iphone-se2-design-camera-upgrade-iphone-11-pro-max/#5b7848e744c7)。


・ハードは時代遅れも、ソフト面は向上
 『The Verge』は「iPhone SEのカメラ設定はAppleのソフトウェアに依存」という見出しで報じている(参考:https://www.theverge.com/2020/4/15/21222104/iphone-se-2-camera-specs-apple-software-processor-smart-hdr)。


 第二世代のiPhone SEは、2018年のiPhone XR以来となる「背面カメラが1つだけのiPhone」で、カメラのハードウェアは基本的なものだが、A13 Bionicチップを搭載しているため、画像処理はApple先端テクノロジーの恩恵を受けているという。


 ハードウェアは少し時代遅れだが、写真ソフトウェア側は最先端ということだ。


・主要スマホは、カメラ複数搭載がスタンダード
 『MacRumors』は、第二世代iPhone SEのカメラ仕様について詳述している(参考:https://www.macrumors.com/roundup/iphone-se/)。


 iPhone SEのカメラはコストが低く抑えられているが、iPhone 11や11 Proの技術を採用しているため、iPhone 8よりは、優れた写真を撮影出来る。


 12メガピクセルの広角カメラは、光学式手ブレ補正、ワイドカラーキャプチャ、ハイライト・シャドウのディテールを改善する次世代スマートHDRを備えたf/ 1.8絞り値を備えている。


 複数カメラを備えているiPhone 11や11 Proと異なり、ナイトモードや光学ズームはサポートされていない。一方でポートレートモード、ポートレートライティング、深度コントロールはサポートしている。


 ポートレートモードでは、人物、ペット、オブジェクトのポートレート写真を撮る際に、画像の背景をうまくぼかすことができ、ポートレートライティングでは、スタジオ品質の6つの照明エフェクトを画像に追加可能だ。


 深度コントロールを使用すると、ポートレートモードでキャプチャした画像のぼかし具合を調整して、ぼかしとディテールを最適にブレンドもできる。


 さらに、2019年のフラッグシップiPhoneで最初に導入された機能であるQuickTakeビデオがあるため、ユーザーは写真モードのまま、カメラボタンを押し続けることで、キャプチャをすることも可能となっている。


 7メガピクセルの前面カメラは、TrueDepthカメラシステムはないが、ポートレートモードのF2.2絞り値と深度コントロールをサポート。iPhoneの前面カメラでQuickTake対応は初だ。1080p HDビデオは30fpsで録画でき、その他の機能には、Retina Flash、自動画像安定化、バーストモード、自動HDR、ワイドカラーキャプチャ等がある。


 Appleは「iPhoneで最高のシングルカメラシステムが搭載されている」と説明している。しかし、近年のハイエンドモデルでは、カメラは複数搭載がほとんどだ。そもそもシングルカメラは、スマホカメラとして最高水準ではないということを理解する必要があるだろう。


(Nagata Tombo)