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NCT、マーク含む“7DREAM”復活にファンが沸いた背景 『Reload』以降への期待も

2020年04月20日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

NCT DREAM『Reload』

 7DREAM will be back!!


(関連:NCT 127、TWICE、ITZYら公演延期・中止などを受けたライブ配信が盛んに ファンとの心の距離を縮める役割も


 10代限定のグループとして『Chewing Gum』でデビューしたNCT DREAMは、メンバーが成人を迎えると卒業するという制度がある。この制度によってグループのリーダーとして支柱的存在であったマークは、2ndミニアルバム『We Go Up』、デジタルシングル「Candle Light」を最後に、NCT DREAMを卒業した。


 冒頭の7DREAMとは、マークを含めデビュー時のメンバー7人を指した呼び名だ。その7DREAMが、この度復活することが所属事務所のSMエンターテインメントから発表された。プレスリリースによれば、以下の制度変更が決定されている。


・4月29日にアルバム『Reload』を発売
・NCT DREAMの卒業制度の廃止
・マークのDREAMへの復帰
・ロンジュン、ジェノ、ジェミン、チョンロ、チソンはそれぞれの活動方向に応じて今後新たにリリースのあるNCT各チームにも参加する
・マークを含めた7人でNCT Uの形での活動を行う


 上記の「NCT Uの形での活動を行う」という部分で解釈が分かれているが、ともかく7DREAMとして7人での継続的な活動が行われることがはっきりとした。


 そもそもNCT DREAM、ひいては7DREAMとはどのようなグループだったのか、まずは振り返ってみたい。


 先述のようにNCT DREAMは、NCT UやNCT 127を擁するNCTプロジェクトの一部で、10代限定のグループとしてデビューした。広義のVaporwaveを意識した極彩色のMV、当時14歳のチソンをはじめとした圧倒的な若いエナジー、NCT印のハイレベルなダンスと楽曲、ホバーボードを使ったパフォーマンスなど、あらゆる衝撃を残した。


 NCTはこれまで、U、127ともに“ネオ・カルチャー・テクノロジー”の標榜通り、新時代のクリエイティブを見せてきており、K-POPカルチャーに多大な影響を与えた。他方でNCT DREAMは、日本の“kawaii”カルチャーが世界で変遷を遂げて新たな価値観として定着していったように、若さゆえのフレッシュさやキュートさをアップデートしたグループとも言えるかもしれない。さらにメンバーが10代だけで構成されていることにより、楽曲やグループとしての世界観やストーリーが、メンバーそれぞれが持つ現実とクロスオーバーしていくアイドルならではの魅力も、一層厚みを増す。


 メンバーのマークはNCT全てのグループでデビューしており、今ではSMが誇るK-POPアベンジャーズ、SuperMのメンバーとしても活動している。ゆえにかなりの多忙さを極めており、NCTのエースとも言えるメンバーだ。そんなマークが20歳を機にNCT DREAMを卒業したことは、読んで字の如く卒業、そして旅立ちとしての意義を感じられる。マークが参加した最後のミニアルバムの表題曲「We Go Up」にはマークも作詞に参加しており、次のステージへと進んでいく心境を感じられる。


 マーク卒業後もNCT DREAMは、『NCT 2018 EMPATHY』収録の「GO」のように少年から成長した青年としての妖しい魅力の発露といった、新たな一面を見せている。


 3rdミニアルバム『We Boom』のリード曲「BOOM」は、特徴的なボイスサンプルが耳に残る、ミニマルかつストイックな楽曲だ。最近リリースされたNCT 127の2ndミニアルバム『NCT #127 Neo Zone』収録の「Sit Down!」などとも近い内容だが、ポップな歌を立たせるマスタリングや展開でポップミュージックとして成立させている。「BOOM」からは、20歳を目前に控えた10代ならではの危うさ、不安定さゆえの魅力をトラックの面からも感じることができる。さらに言えばマークとの別れを経験しているからこそ、より大人へと成長してく渦中の姿とも捉えられるかもしれない。


 今後は年齢制限がなくなりメンバーが固定化されたことによって、10代のさらにその先のストーリーや魅力を描いたコンセプトも増えていくだろう。


 そして、『We Boom』の次なるリリースとして冒頭の7DREAM復活と共に発表されたアルバムが『Reload』だ。このアルバムは現在の6人での活動となり、マークがNCT DREAMに合流するのは、『Reload』での活動を終えた後なる。安直な想像ではあるが、「Reload」とは「再装填」、「再積載」を表す言葉だ。つまり、マークの復活に備えたタイトルとして捉えられる。7DREAMの復活に備えて、ティザーやアートワークなどからそのあたりの演出を深読みしながら楽しむのもアリかもしれない。(ヤマダ)