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『DEATH STRANDING』は新型コロナ禍の世界を予見していた? いまこそ『デススト』をプレイすべき理由

2020年04月18日 16:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.

 新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、「おうちエンタメ」に焦点が当たっている現在。リアルサウンドテック編集部スタッフが、それぞれの「おうちエンタメ」を紹介する短期連載記事がスタート。第一回はミーハー心を忘れないゲーマー・副編集長の中村が担当します。


(参考:旅した世界にもう一度出かけよう 『DEATH STRANDING』に遊び方満載のフォトモード追加


 それぞれが“自宅で過ごすプロ”であるところのリアルサウンドテック編集部ですが、自宅でのエンタメとなると、やはり真っ先に手をつけたくなるのが“ゲーム”でしょう。僕が現在進行形でやっているゲームは『あつまれ どうぶつの森』なのですが、Nintendo SwitchやNintendo Switch Liteが品薄ということや、世界の現状を考えると、このタイミングでオススメしたいのは『DEATH STRANDING』です。


 制作は“小島監督”こと小島秀夫氏率いる「コジマプロダクション」。小島監督の作るゲームは、『メタルギアシリーズ』に代表されるように「時代を反映する・先取る」世界観が特徴とされていて、それは『DEATH STRANDING』も然り。発売当初は、SNS社会をモチーフにした社会・世界との繋がりや、現在のトランプ政権下にあるアメリカを予見しているような内容に胸を打たれ「またしても小島監督は預言者だった!」と感銘を覚えたものでした。


 発売前後のインタビューでは、「映画とゲームの垣根」や「ゲームとストーリーテリング」について掘り下げたものですが、なんということでしょう。このタイミングで改めて&初めてプレイしていただければわかるのですが、意図的ではないにせよ、新型コロナウイルスが全世界を脅かす世界の現状を、見事に言い当てているような内容なのです。


 『DEATH STRANDING』の世界は、アメリカ全土を襲った怪現象「デス・ストランディング」により、国民たちは未曾有の被害に晒されている(!)ところから始まります。そんな中で立ち上がった主人公は、伝説の配達人「サム・ポーター・ブリッジズ」(以下サム)。彼がアメリカ東海岸から西海岸を股にかけ、とにかく“配達”を行うことで、人々の絆を繋げ、世界や地域を救っていく話なのです。


 劇中に登場する人々は、ミュールやBTといった敵や「時雨(タイムフォール)」という雨を恐れて外に出てくることはなく、“配達人だけが外にいる”という状況。これはまさに、新型コロナ禍にいる世界そのものといえるのではないでしょうか。


 そんな世界の状況下においても、サムは自分の目的や、自分を必要としてくれる人たちのため、とにかく配達を続けるのです。このゲームをプレイすることで、日常では何気なく対応していた配達人の方とのコミュニケーションにも変化が訪れたのですが、この状況下においては、より懸命に働く彼らへの感謝を抱かずにはいられません。


 最低限の食材買い出しとはいえ、自宅に篭りきりになってしまうと、人と人とのコミュニケーションが疎かになったり、オンライン上のやりとりですら粗野になってしまいがちな現在。『DEATH STRANDING』をプレイすることで、この作品に込められた“繋がることの尊さ”と、“届ける人への感謝”を噛み締めてみてはいかがでしょうか。


(中村拓海)