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新型コロナの感染拡大で、アメリカ人のネットの使い方はどう変わった?

2020年04月17日 10:51  リアルサウンド

リアルサウンド

Pexelsより

 新型コロナウィルス感染を少しでも抑えるため、私たちは自粛生活を送っています。筆者も家族揃って不要不急の外出を避け、日中は家で過ごしています。家庭内にテレワークが2人、しかも夫は会社のワークステーションにアクセスしながら仕事をしないといけないので、私は日中の不要不急のネット使用(つまりNetflix)を控えざるを得ないことになっています。


(参考:アメリカ、新型コロナ対策でAmazonら大手企業に課税検討か 低所得層の救済目的で


 日本でもそのような状況なら、自粛要請どころではなく「屋内退避命令」のアメリカではどのようになっているのでしょう? パンデミックで変化した米国のネット利用状況を、米国のオンラインデータプロバイダーの「Similar Web」と「Apptopia」の2社の協力のもと、ニューヨークタイムスがまとめていたので紹介します。1月15日から3月24日までの期間を調査し、米国で初めてCOVID-19による死亡者が確認された2月29日を境に大きな変化が見られたそうですよ。


・Netflix、Facebook、YouTubeはスクリーンに変化
 まずは、時間潰し系の代名詞、NetflixやFacebook、YouTubeですが、ウェブサイト版とアプリを比較して、ウェブ版の使用率がどれも大きな伸びを見せています。


 具体的には、Facebookのウェブ版使用量は+27%で、Netflixは+16%、YouTubeは+15.3%。一方、アプリ版はFacebookが+1.1%でNetflixは+0.3%、YouTubeのアプリは-4.5%と減少が目立ちます。


 これまでの傾向として、ユーザーはスマートフォンでこういったサービスを利用していましたが、家で過ごす時間が増えたことで大きな画面に戻ってきたように思われます。


・ソーシャルディスタンスを合言葉に急成長したアプリ
 SNSを介したコミュニケーションに加え、実際にあって話ができなくなるとグループチャットのアプリの需要が急激に上がりました。


 Google Duoは+12.4%、Nextdoorは+73.3%、Housepartyは+79.4%という急成長。特に、2月29日(米国で初めてCOVID-19による死亡者が確認された日)からの成長率が目まぐるしいです。(Housepartyはデマが発生したとお伝えしましたが、その影響が グラフにも現れているのでしょうか)。


 日本でもグループチャット飲み会(いわゆるZoom飲み)が大人気。グループチャットアプリやサイトの利用率は、日本でも同じように右肩上がりの線を描いているのかもしれません。


・情報の仕入れ先にも変化
 興味深いのが、新型コロナウィルスに関する情報の仕入れ先の変化です。人々は自分の生活範囲がどうなっているのかを知るために、2月に入ってからローカルニュースを扱うウェブサイトを率先して読むようになったようです。また、大手メディアだと、CNBC.comがもっとも読まれ、ニューヨークタイムスとワシントンポストが数字を伸ばしています。反対に、政治ウェブサイトは、時に読者が減少していたという結果になっています。より確かでフェアなニュースかつ、バイアスのかかっていない情報を求めているのが数字に現れているようです。


・テレワークとオンラインスクールはZoomで
 屋内待避命令が出て、通勤通学ができなくなると、一気にZoomが注目されました。その2月29日からの伸び率は他の追従を許さないほど。Google Classroom(5Mくらい)が2番手で健闘していますが、6Mをはるかに超えるZoomにはかないません。


 急激に利用者が増えたZoomですが、その後、複数の脆弱性が見つかり、セキュリティの懸念が報じられました。また、Zoom Bombと呼ばれる嫌がらせが多数報告されるように。中には、子供たちがオンライン授業を受けていると急にポルノが流されるという悪質な悪戯もあったそうです。Zoom側が対処に追われる一方、Zoom使用禁止の動きもあります。米国の学校でZoomによるオンライン授業を禁止したり、台湾政府がZoomを全面禁止にしたり、ドイツ外務省やGoogleが使用を禁止すると報じられました。


 日本では大々的にオンライン授業を行なっていない上に、Zoomが爆発的にヒットする前にZoomの脆弱性が叫ばれていたので、極端に右肩上がりの曲線を描いていないかもしれません。ただ、情報入手先を選定したり、スマホよりも大画面に移行気味というのは、アメリカ同様日本でも見られるかもしれませんね。


 ちなみに、筆者は大画面は大画面でも、プロジェクター派。映画が見られないストレスは、プロジェクターを使っておうちシアターを楽しむことで解消していますよ。


(中川真知子)