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ドラマ制作にも新型コロナウイルスの影響が 新スケジュールから探るMCUの今後

2020年04月17日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ブラック・ウィドウ』(c)Marvel Studios 2020

 新型コロナウイルス禍の中、デザイナーたちがマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)をモチーフにした画像をSNSに投稿してちょっとした話題になりました。


参考:キャラクター写真はこちらから


 一つは『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスシーンを使って、ヒーローたちがマスクと医療衣に身を包んでいるというもの。コロナウイルスに立ち向かう医療関係者をヒーローとして称えたものです。また、超ミクロ世界でアントマンとワスプがコロナウイルスを退治しているアートもありました。MCU好きとしてはちょっと勇気をもらえました。


 ご存じのようにコロナウイルスによって様々な映画の公開スケジュールが大幅に変更されています。MCUも例外ではなく5月1日に日米で公開されるハズだった『ブラック・ウィドウ』が11月6日公開に変更。また、製作スケジュールにも影響が出ていることから、MCUは改めて今後の公開スケジュールを発表しました。


 もともと『エターナルズ』の公開予定日に『ブラック・ウィドウ』をもってきたので玉突きに公開順がずれていくわけです。それによると、


2020年
『ブラック・ウィドウ』11月6日公開


2021年
『エターナルズ(原題)』2月12日公開
『シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(原題)』5月7日公開
『スパイダーマン3(仮題)』7月16日公開
『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』11月5日公開


2022年
『(マイティ・)ソー/ラブ&サンダー(原題)』2月18日公開
『ブラックパンサー2(仮題)』5月8日公開
『キャプテン・マーベル2(仮題)』7月8日公開


 また、ディズニーが立ち上げたストリーミング・サービス「Disney+」を使っての配信ドラマ・シリーズは、


2020年
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー(原題)』8月配信
『ワンダヴィジョン(原題)』12月配信


2021年
『ロキ(原題)』『What If?(原題)』『ホークアイ(原題)』(『ホークアイ』は2022年説あり)


2022年
『ミズ・マーベル(原題)』『シーハルク(原題)』『ムーンナイト(原題)』


 となります。いずれも全米公開予定日ですが、最近のMCUは日米同時が多いので日本公開もほぼこのタイミングでしょう。『スパイダーマン3』はMCUに属しますが、ビジネス的にはディズニー(マーベル・スタジオ)ではなくソニー・ピクチャーズの配給なので、今後のソニーさんの判断次第で変更されるかもしれません。


 いわゆるフェイズ4は『(マイティ・)ソー/ラブ&サンダー』までで、5月8日の『ブラックパンサー2』からフェイズ5が始まると言われています。


 気になるのは、Disney+です。11月ごろに日本でも本格的にローンチと言われています。MCUの映画とドラマがより連動してくることを考えると、ドラマの方もタイミングよく観たい。現状、『マンダロリアン』などDisney+の作品は、日本ではDisney DELUXEというサービスが受けていますが、8月の『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』はいつ、どっちのサービスで楽しめるんでしょうか? 未だ明らかにはなっていません。繰り返しになりますが、これは新型コロナウイルスが夏ごろまでに収束、それに伴い撮影も再開されるという前提です。


 さて、スケジュールが発表されたことに伴い、それぞれの作品について色々な推測・憶測が飛び交っています。いずれもMCUが公式に発表しているものではなく、ファンの妄想・願望に基づくニュースが多いのですが、こういう噂につっこんだり、ワクワクするのもMCUの楽しみ方。そのいくつかをご紹介しましょう。


・『シャン・チー』はMCU版“天下一武闘会”映画になる説
 MCUのアジア系カンフーヒーロー、シャン・チー。どんな映画になるのか興味津々ですが、どうやらトニー・レオン演じるヴィラン、マンダリンの主催の格闘技トーナメントに主人公が参加する。その試合はタイトルにもある、マンダリンが持つ10個のパワーリング「テン・リングス」を賭けた戦いになるという。このアレンジはありですね。ハリウッドでは『燃えよ!ドラゴン』のリメイクや浅野忠信さん・真田広之さんも出演の『モータル・コンバット』の再映画化など格闘技映画がブームの兆しなので、このアプローチは悪くないかも。


・『スパイダーマン3』のタイトルは「ホームラン」でデアデビル出る説 
 トム・ホランドのスパイダーマン映画は、「ホームカミング」「ファー・フロム・ホーム」とタイトルにホームがつくので、「ホーム~~」になることはまず間違いないでしょう。それで窮地に陥ったピーターことスパイダーマンの大逆転を狙って『スパイダーマン:ホームラン』というタイトルではないかと(笑)。また『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をご覧になった方ならお分かりの通り、これからのピーターには弁護士が必要ですよね。そこでマーベルの弁護士ヒーロー、マット・マードックことデアデビルが登場という流れか? 実際、90年代のスパイダーマンのアニメでは似たようなエピソードがあります。マーベルにはもう一人弁護士ヒーローがいて、それがシーハルクであり、このスパイダーマン映画でシーハルクを登場させて、ドラマの『シーハルク』につなげるという可能性も大いにあります。しかし、僕としてはデアデビル説に期待したい。そしてNetflix版の『デアデビル』を演じたチャーリー・コックスが演じてくれたら、なお嬉しい! ちなみに「シーハルク」にはマーク・ラファロのブルース・バナー/ハルクも出演するということで調整中とマーク・ラファロ自身が認めました。これまた嬉しい!


・キアヌ・リーブスがいよいよMCU登場説
 マーベル・スタジオの社長でMCUのプロデューサーであるケヴィン・ファイギは、かねてからキアヌ・リーブスのMCU参加を望んでおり、水面下で交渉しているそうです。いくつかのキャラ候補の名があがっていますが、ここにきてゴーストライダーを望むファンの声が多い。そしてゴーストライダーが登場するとなれば、ホラー界の巨匠にして、スパイダーマン映画を手がけたサム・ライミが監督を務めると報道されている『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』ではないかと。


・2022年は“海の男”対決説
 もうひとつ、キアヌ・リーブスが演じるのでは?と言われているのが、サブマリナーという異名を持つ海の超人、ネイモア。海底のアトランティス王国の王です。ネイモアについては『エターナルズ』でその存在が示唆され、2022年公開の『ブラックパンサー2』に登場? キアヌ・リーブスかどうかはともかく『ブラックパンサー2』にネイモアというのはありうるかと思います。『アベンジャーズ/エンドゲーム』でブラックパンサーの親衛隊長オコエは明らかに海底になにかある・いることを知っていました。そして2022年というのはDCの『アクアマン2』の公開年です。DCとMCUは2016年に『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』とともにヒーロー同士バトル映画を公開した過去があり、2022年にDCとMCUで海のヒーロー対決があるかも。


・『キャプテン・マーベル2』からX-MEN登場説
 実はキャプテン・マーベルはX-MENともつながりがあり、20世紀フォックス版の映画『X-MEN』シリーズでアンナ・パキン演じるローグやジェニファー・ローレンスのミスティークはキャプテン・マーベルのヴィランだったりもしました。また、最近のコミックでは彼女はウルヴァリンと共演している! なので、MCUにX-MENを登場させる布石として映画『キャプテン・マーベル2』というのは悪くないのです。


・ロバート・ダウニー・Jr.がMCU復活説
 ロバート・ダウニー・Jr.演じるアイアンマンことトニー・スタークがホログラム×AIみたいな形で復活する説。『スター・ウォーズ』において先代ジェダイの騎士がフォースの力で幽体みたいに現れるイメージでしょうか? このパターンでまずトム・ホランドのスパイダーマン3作目でピーターを助け、そしてDisney+で企画中と言われている“ウォー・マシーンとアイアン・ハート(黒人の少女がアイアンマンの意志を継ぐ)”のドラマに登場か? ロバート・ダウニー・Jr.の復帰の仕方としてはいいアイデアですね。


 いかがだったでしょうか? 繰り返しになりますが、これはMCUの公式発表ではなく「関係者から聞いたところによると……ということになるらしい」文脈で語られるネットの記事などをまとめてみたものですが、僕個人として「これはありうるかも」というものを紹介しています。どれも楽しい噂です。


 こうした噂と並行して、アントマンとワスプの新作映画の脚本家が『リック・アンド・モーティ』のジェフ・ラブネスに決まったとのニュースや、ジェームズ・ガン監督がファンに対し「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作目はロケットの秘密を描く」と答えたりなど、これからのMCU情報も聞こえてきました。MCUは実際に公開されるまでどうなっているかわかりませんが、早く映画館で答え合わせができる世の中に戻ってほしいですね。 (文=杉山すぴ豊)