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iPhone 12上位モデルはiPhone 5ライクなデザインに? 小さなHomePodも開発中

2020年04月15日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ブルームバーグ「Apple Plans iPad-Like Design for Next iPhone, Smaller HomePod」より

 iPhone 9(SE2)の発表が目前に迫っている一方で、市場関係者の関心はiPhone 12(仮称)に集中しつつある。こうしたなか、同モデルに関する新情報が明らかになった。同時に、iPhoneシリーズ以外のApple製品の開発動向も判明した。


(参考:iPhone 12、プロトタイプの画像がリーク 全4モデルで確定か?


・発表は例年通りも、リリースは遅延か
 ブルームバーグは13日、iPhone 12をはじめとするAppleが開発する製品に関するリーク情報を報じた。Appleの製造計画に詳しい人物によると、iPhone 12の上位モデルのデザインは端末の縁がiPhone 11 Proのような丸みを帯びたものではなく、四角いエッジのきいたものとなるという。こうしたデザイン変更の結果、iPhone 5に似たものになるようだ。ちなみに、iPhone 12は下位モデルと上位モデルがそれぞれ2機種、合計で4機種リリースされるというのが定説になっている。


 iPhone 12の上位モデルには、先日発表された新型iPad ProのようにLiDARスキャナが実装されると噂されている。この噂が示すように、近年のiPhoneはAR機能重視を打ち出している。今回のリーク情報によれば、iPhone 12シリーズはAIとARのタスク処理を強化するために、チップを大幅にアップグレードする、とのこと。おそらく新型チップが搭載されるだろう。


 iPhone 12の開発動向でもっとも気になるのが、スケジュールだろう。周知の通り、新型コロナウイルス流行の影響でAppleのサプライチェーンは通常通りには機能していない。しかし、同モデルは例年通りに9月頃に発表になる見込みだ。もっとも、一部のモデルのリリースが数週間程度遅れる可能性がある、とのこと。


・新型HomePodは現行モデルの約半分
 ブルームバーグの記事は、新型HomePodについても言及している。新型HomePodの最大の特徴は、現行モデルの約半分の大きさになることだ。つまり、Google Home Miniに相当する製品をAppleもリリースしようとしているのだ。新型homePodは数ヶ月前から開発に着手しているが、遅延が生じている。それでも、今年後半のリリースを目指している。


 HomePodは音質には定評があるものも、スマートスピーカー市場のシェアは競合他社に大きく後れをとっている。国内テック系メディア『ロボスタ』が2月に公開した記事によると、2018年と2019年の第4四半期における世界のスマートスピーカー市場のシェアは、1位がAmazonで2位がGoogleである。3位以下はBaiduをはじめとした中華系メーカーが占めており、2019年にはシェアを伸ばしている。Appleは、こうした中華系メーカーの後に続く位置にいる。


 HomePodが伸び悩んでいる原因のひとつとして、Appleが開発する音声アシスタントのSiriがGoogleアシスタントのような競合製品と比べて劣っていることが指摘されている。こうしたなか、Apple専門ニュースメディア『9to5Mac』は4月はじめにAppleがAIスタートアップのVoysisを買収したことを報じた。Voysisは自然言語処理(AIが人の話し言葉を理解する処理)に優れたAIを開発していることで注目されていた企業であり、報じられた買収はSiriの改良が目的と言われている。


・Apple Tags、新しいMacBook Proも開発中
 ブルームバーグの記事は、iPhone 12と新型HomePod以外のApple製品に関する開発情報も報じている。AppleはApple Tags、MacBook Proの新バージョン、新型Apple TV、低価格のiPad、そして新しいiMacを開発中のようだ。


 Apple Tagsとは、鍵などの小物にとり付けて使ういわゆる「忘れ物防止タグ」である。このカテゴリーの製品にはTileのような先行商品があるものも、Appleはクールなデザインでそうした既存製品に挑戦すると見られる。Apple Tagsの開発は1年以上前から続けられており、今年の早い時期にリリースされる予定だ。


 MacBook Proの新バージョンと新しいiMacのリリース時期は不明であるが、2020年のPC市場はAppleにとって厳しいものになるかも知れない。調査会社Canalysは10日、2020年第1四半期におけるPC市場を考察する記事を公開した。同四半期におけるPCの需要は、新型コロナウイルス流行によってリモートワークを余儀なくされたことによって、大きく増加した。しかし、中国組み立て工場の操業が制限されていたために供給が需要に追い付かず、結果的に前年同四半期より出荷数が減少した。減少幅がもっとも大きかったのがAppleのPC製品であり、前年同四半期より20%程度減少した。


 2020年第2四半期以降のPC市場は、中国工場が正常化するものも、リモートワークの増加による特需が終わり、さらに新型コロナを原因とした業績悪化によって企業が設備投資を控えるために需要は急激に減少すると予想されている。競合他社に比べて高額なAppleのPC製品は、需要の落ち込みによる影響を大きく受けるかも知れない。


 以上のようにAppleはiPhone 12をはじめとして様々な製品の開発を進めている。しかしながら、どの開発にも新型コロナウイルスの悪影響が及んでいるため、今後の動向に関して不透明感が拭えないと言わざるを得ないだろう。


(吉本幸記)