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ラストアイドル 阿部菜々実&長月翠&山本愛梨&米田みいな『愛を知る』インタビュー “歌”への思いと初の選抜制を振り返って

2020年04月14日 19:52  リアルサウンド

リアルサウンド

ラストアイドル 阿部菜々実&長月翠&山本愛梨&米田みいな(写真=稲垣謙一)

 ラストアイドルが4月15日に8thシングル『愛を知る』をリリースする。


 『青春トレイン』から約7カ月ぶりとなる今作は、ラストアイドルとして初の選抜制が取り入れられた。総勢41人が参加した立候補制のオーディションバトルで上位にランクインした18人が、選抜メンバーとして参加できる。ダンスと歌唱による実技審査の結果、阿部菜々実をセンターに、長月翠や間島和奏といった実力者のほか、2期生、2期生アンダーから8名が選ばれる大混戦となった。


 緊張のオーディションバトルとは打って変わって、表題曲の「愛を知る」は、作曲がバグベア、編曲は野中“まさ”雄一によるアッパーチューン。早口でネガティブな思いを歌うAメロから、ツービートのサビでは一転してポジティブな気持ちを爆発させる。〈君と出会って泣けて来た なぜか涙が止まらない〉〈心 閉ざしてた僕が 同じ痛みを感じた存在〉という歌詞は、2年間で幾多のバトル、合宿を共にしてきたメンバーの胸中のようでもある。


 今回リアルサウンドでは、オーディションにてその選曲、パフォーマンスから大きな反響を呼んだ阿部菜々実、長月翠、山本愛梨、米田みいなの4人を“歌うま選抜”として選出。オーディションの振り返りから、「愛を知る」の歌唱、さらには付かず離れずの関係性だった山本、米田が心を開く瞬間、長月が夢見るラスアイバンドの展望など、話題は多岐にわたった。(渡辺彰浩)


(関連:ラストアイドル、シングル『愛を知る』選抜バトルで見せた個々の力 阿部菜々実、長月翠、間島和奏らの熱戦を振り返る


■4人がバトルの歌唱曲を選んだ理由


ーーこの4人での取材は珍しいですよね?


山本愛梨(以下、山本):初めてです。


ーーどんな組み合わせかは聞いていますか?


米田みいな(以下、米田):いや、何も。


長月翠(以下、長月):歌が上手い!


ーーお、正解です。歌うま選抜です。


長月:やった!


ーー「愛を知る」の話をする前に、2019年のラストアイドルは「大人サバイバー」「青春トレイン」とパフォーマンスを極めていった1年だったと思いますが、みなさんの中でその成長の実感はありますか?


阿部菜々実(以下、阿部):1年間での成長を感じています。選抜メンバーもそうなんですけど、カップリング(「壁は続く」)の子たちのパフォーマンスを初めて見た時に、「昨日1日で振り入れをした」と聞いて、「1日でここまでできるの?」って思ったんです。「大人サバイバー」と「青春トレイン」で身についた力が大きいんだなと感じました。


ーー米田さんは「青春トレイン」で注目を浴びた一人ですよね。


米田:「大人サバイバー」の時はポジションが一番後ろだったので、正直私のことなんてわかんないっしょって感じの気持ちでやっていたんですよ。


ーーはい(笑)。


米田:でも、「青春トレイン」の時にBメロのセンターに選ばれてから、少しずつだけど自信がついてきたんです。その自信を「愛を知る」のオーディションにも活かすことができたんじゃないかなって。パフォーマンスでも、もっとしっかりしようという意識がついて、「大人サバイバー」の時よりは成長したなと思います。


ーー今回の選抜オーディション開催が発表されたのは、昨年末の『2周年記念クリスマスコンサート』のステージでした。阿部さんはあの場でバトルがない時期が続いたことに「物足りないと感じていた」と話していましたが、バトルをしたいという雰囲気はグループの中にもあったんですか?


長月:グループ全体の中にはなかったです。でも、私と阿部はずっとやりたいって言い続けて、こういう取材の場でも「次、何やりたいですか?」って聞かれたら、絶対に「バトル」って答えていました。正直、この1年間、みんなで何かをやるってなった時に、力の発揮どころがよくわからないまま過ごしていて。全体としての成長は目に見えてわかるし、今まですごくぬるいことをやっていたんだなって、自分たちのパフォーマンスを見て成長を実感したんですけど、個人に目を向けると、全体の力はあっても一人ひとりの力が伸びてないなって感じることもあって。なので、バトルができてよかったなって思っています。


ーー初めての選抜制についてはどう捉えていますか?


長月:今回、選抜に入ったメンバーには、歌唱メンバーになったことがない子もかなりいて。逆に歌唱メンバーだったのに、入れなかった子もいる。今後もこの選抜制を続けていくのであれば、自分がいつ選抜でなくなるかもわからない、選抜に入れるかもしれないと思って練習をしてくる子もいるので、刺激になると思います。高めあうという点に関して、選抜制って大事なんですね。今回選抜制にした意味が見えなくならないためにも、これからも続けてほしいです。


ーーここからは、歌唱審査を中心にオーディションを振り返っていきます。阿部さんは欅坂46の「サイレントマジョリティー」を歌っていました。


阿部:何か一曲選ぶとなった時に、いつも歌っているような曲、私が歌うだろうなと想像できる曲はやめようと思っていて。「サイレントマジョリティー」は誰でも知っている曲じゃないですか。今、ラストアイドルがオーディションをやっているということを、少しでもたくさんの方に知ってもらう、ちょっとでも興味が持ってもらえるような選曲ができたらいいなと思って考えた時にピンときて歌いました。


ーーオーディションでは「新しい一面を見せるため」とも話していましたね。


阿部:前作と前々作でセンターをやらせてもらって、見てくれている人たちの中には飽きている人もいるかもしれないと思っていたので、意外だと思ってもらえるのが一番いいかなと思ったんです。


ーー長月さんの選曲は、松田聖子さんの「青い珊瑚礁」。これは2ndワンマンライブでも歌っていましたね。


長月:私、最近、音域が広くなってきていて、低い声がめちゃくちゃ出るんです。それで本当は中森明菜さんの曲が歌いたくて練習していたんですけど、お母さんに自分が声を出して一番気持ちのいい曲にしたらどうかと言われて。そのことがあって「青い珊瑚礁」を選んだんですけど、後から見返したら緊張で全然音が取れていなかったので反省しています。


ーー長月さんの声質にあったいい選曲だと思いました。コンサートを経て、歌っているうちに思い入れも深くなっていったんですか?


長月:お母さんは私に松田聖子さんみたいなアイドルになってほしいみたいなんですけど、全然逆方向に行っちゃってますよね。……最近、私、お母さんのことが好きで。


米田:素敵!


長月:大人になって、一周まわって母親のありがたみがわかってきたので、親孝行しようって気持ちで選びました。


ーー長月さんは、『TOKYO IDOL FESTIVAL』の歌唱力に定評のあるアイドルがパフォーマンスする企画「IDOL SUMMER JAMBOREE ACOUSTIC」にも出演していますよね。


長月:すごく嬉しいことです。なかなか出来ない経験で、いろんなことを吸収したり、歌の上手い他のアイドルを見て、自分も頑張ろうと毎年思っています。一緒のステージで歌った原田珠々華さんは、もともとアイドルをやっていたんですけど、今はギター一本で歌っていくシンガーソングライターとして活動していて、こういう人生もあるんだなと思って。ギターも歌も上手で、私は人見知りであまり喋れないんですけど、「すごいですね」って一言だけお話しました。


ーー山本さんは松浦亜弥さんの「引越せない気持ち」を歌っていました。


山本:小田さくら(モーニング娘。’20)さんがすごく好きなんです。バースデーイベントの動画を観ていたらその曲に出会って、そこから本家の松浦亜弥さんの動画を観て衝撃を受けました。お二方とも同じ曲を歌っているのに、違う曲を歌っているように見えて、私もこんな風に歌えるようになりたい、こういう表現がしたいと思うようになりました。その曲を歌っていくうちに、自分の中でも大切な曲になっていって、オーディションが決まった時は、この曲にしようって即決でしたね。衣装も小田さくらさんと色違いを着て、パワーをもらいました。


ーー山本さんがセンターを務めた「青春シンフォニー」は、つんく♂さんのプロデュース楽曲でした。


山本:つんく♂さんと出会って、人生が変わりましたね。考え方もそうですけど、人間としてもアイドルとしても成長できたし、今まで自分がやってきたことが中途半端だったんだなって、そこからアイドルをもっと頑張ろうと改めて思いました。


ーーつんく♂さんから、かけられた言葉で印象的なものは?


山本:「みんなに対してじゃなくて、あなたに対して歌うんだよ」とか、あとは「山本は、あともう一皮剥けたら大丈夫」って言ってくださって。追求してます、その皮ってなんだろうって。その時に言っていただいた言葉の意味が最近やっとこういうことなのかなって感じることが増えてきて、今になって響いてますね。当時は疑問でいっぱいだったんですけど、だんだんわかってくるようになりました。


ーーそれは具体的にどういったことですか?


山本:ステージに立ってる時とか、バラエティ番組の収録をしている時とかに、ふと感じるんですよ。ここでもっとこういうことを言わなきゃだめだったなとか、ここのパートを任されているのにこういう表現をしないとだめだったなという時に感じますね。


ーー長月さんも「夜中 動画ばかり見てる…」(シュークリームロケッツ)は、つんく♂さんプロデュースでしたね。


長月:私がすごく覚えてるのは、「お前ら性格悪いだろ」「痩せるな」って言われたこと。それまでアイドルは痩せていなきゃいけないと思っていたんですけど、そういうことじゃないんだなって思ったし。そのままの私たちをどう活かすかっていうのをつんく♂さんは考えてくださるから、自分たちで変に色を付けなくてもいい。ちょっと前髪巻いてみようとか、つんく♂さんに言われた以外のことをすると、ファンの人からの評判も落ちるんですよ。全部が見えていて、すごい人なんだなって感じましたね。


ーー阿部さんもハロプロ好きですよね。


阿部:私、つんく♂さんに一回会ったことがあって。モーニング娘。のオーディションで、3次審査に行った時に、知らずに会場に入ったらつんく♂さんがいたんです。私のほかにもオーディションを受けてる子が十人くらいいて、一人ひとり名前を言っていくんですけど、最後につんく♂さんから「阿部さん。それは地毛ですか?」って言われて(笑)。「はい。地毛です」って答えたら、「茶色いですね」って言われました。それだけで終わったんですけど、いっぱいいる中で私に質問をしてくれて嬉しかったのを覚えています。


■1期生と2期生、縮まる距離


ーー米田さんはMISIAさんの「オルフェンズの涙」を歌いあげました。


米田:オーディションがダンスと歌だったので、ダンスはダンスで踊って、歌は歌でしっかり歌おうと思って、自分が得意なバラードを選びました。「オルフェンズの涙」って最初からサビが高音でドンと来るんですよ。自分はサラッと歌いたいタイプの人なんですけど、この曲は高低差の激しい挑戦曲でしたね。


ーー米田さんには、アイドルとしてももちろんですが、歌手、アーティストへの憧れも強く感じます。


米田:ラストアイドルに入る前は将来の夢がまだはっきりと決まっていなくて、自分が歌手になりたいのか、少人数か、もしくは大人数のグループに入りたいのかわからなかった時に、スクールの代表のグループに入らさせてもらって、その時に大人数もいいんだなと思い、今ラストアイドルでやらさせてもらっています。でも、頭の片隅にはどこか歌手、アーティストへの憧れがありますね。


ーーアベマオリジナル版の配信では、オーディションの時にポケットにお守りを入れているところが映し出されていて、こんな可愛らしい一面もあるんだと思いました。


米田:そうなんです。本当は可愛らしいんですよ!


一同:ははははは(笑)。


米田:厄年だったので、オーディションでは絶対に失敗できない、死ぬ気で頑張らなきゃと思っていたので。自信もあったんですけど、厄払いだと思って頑張りました。


ーー1期生のみなさんから見た米田さんはどんな方なんですか?


長月:面白いですよ。私、基本的に2期生には絶対に「長月さん」って呼ばれるんです。「長月さんって、本当に呼ばないでください」ってみんなに言ってるのに、誰一人「みぃたん」って呼んでくれないんですよ。でも、米田だけは「翠」って呼んでくれるようになって、すごくフレンドリーです。MVの撮影の時も、みんなで階段を上るシーンの時に一人で熱唱していて。それに合わせて私と安田愛里で乗っかっていったら一緒に遊んでくれて。楽しい人です。


ーーさっきも長月さんが話している時に「素敵!」と合いの手を入れてましたからね。


長月:優しいんですよ。そういうところ。


米田:今回の8枚目で、けっこう近づけたなって思いますね。


ーー山本さん、米田さんのお2人は、アクターズスクール広島出身です。


山本:そうなんですよ。アクターズでは(米田が)先輩だけど、ラストアイドルでは1期、2期の関係だから、実はどう接していいのかいまだに掴めていないんですけど。


米田:(開いた両手を山本に向けて)先輩ですよ!


山本:いやでも、アクターズでは大先輩なんですよ。歴が全然違うんです。


米田:関係ない、関係ない。


山本:姉さんなんです。


ーー山本さんが福山校、米田さんが広島校なんですよね。


米田:だから、そんなに会うこともないって感じで。


山本:発表会でちょろっとみたいな。


ーーテレビに出ている山本さんを見て米田さんとしては、どんな心境だったんですか?


米田:まず、山本愛梨さんがアクターズに入る前から山本愛梨さんの存在は知ってたんですよ。


山本:えぇ!


米田:Twitterで可愛い子がいるなって見ていて。そうしたらアクターズに入って、「あ、あの子いるやん!」と思って。さらに、入った瞬間に『ラストアイドル』にも出ていて驚きました! オーディションがある情報は私も知っていたんですよ。でも「バトル」って言葉にチキっちゃってた部分があって。


ーーチキっちゃってる……(笑)。


長月:喋り方おかしい(笑)。


米田:結局、オーディションは受けなかったんですけど、山本愛梨さんが受けていて「あ、出てる!」と思って。最初はアクターズに入りたてだし、もっと初々しいのかなと思っていたんですけど、堂々とされていて、かっこよくて。衝撃を受けて、自分もいけるかなと思ったんです。


ーーさっきから、“山本愛梨さん”って呼び方が……。


山本:そうなんです! 愛梨って呼んでほしいんです。


米田:本当ですか!? ガチ!?


山本:だって、もうウィンウィンじゃないですか。


ーーウィンウィン……(笑)。


山本:アクターズでは先輩だけど、ラスアイでは私が先輩で。ウィンウィンなんです。


米田:プラスマイナスゼロ?


山本:だから普通に仲良くしたいです。距離感があるんです、ちょっと。でも、似てるんですよ。広島だし、同じ匂いがするんですよ。


米田:先輩方を下の名前で呼ぶとか、距離が近づくのは全然いいんです。でも、周りからの目が怖くて……。


山本:それは、みいなちゃんだから許される。


米田:いや、でも……。


長月:それで怒りそうなのって、池松(愛理)と私くらいじゃないですか(笑)。だから、大丈夫ですよ。私がいいって言ってるんだから。あとは池松だけです。上下関係が。


阿部:でも池松愛理ちゃんは、みいなちゃんのことめっちゃ好きだから。


長月:だから、大丈夫だよ。誰も怒る人いないよ。


米田:じゃあ、今度会った時、「愛理!」って呼ぶから(平然とした態度で)。


長月:それはダメ! ヤバイ!


一同:ははははは(笑)。


■ライブ生配信でファンの人に会える喜びや「愛を知る」


ーーフォーメーションについても聞きたいのですが、オンエアで長月さんが言っていた「阿部の隣」に込められた思いを……。


長月:それ、どこにいっても聞かれるんですよね……。


ーーまぁ、そうですよね。みんな聞きたいところですから。


長月:上手い表現がほかにないんですよ。ここがいいんですよね。落ち着くんですよ。阿部の隣が。ここから1cmずれただけで気持ち悪いというか。言葉にはできないんですけど、ここがいいんです。


ーー阿部さんとしては、長月さんの隣は?


阿部:最初からずっと隣だから安心するし、当たり前になってしまっている。だから、離れた時が想像つかない感じはあります。


ーー以前、LaLuceのみなさんにインタビューした時に、「もし、今後2期生とのバトルがあったら?」と聞いたら「うちらには阿部がいるので!」と頼もしい返事が返ってきたことがあって。あの時も阿部さんを中心とした固い絆を感じたんですよね。


長月:もっと前からの話ですよ。「好き好き」(「好きで好きでしょうがない」)くらいから。ラストアイドルってなった時に、背中を貸しあえるのは阿部しかいない。ヤンキーもののドラマで、背中を守るぜみたいな感覚なんですよ。外に戦いに行く時に、ここじゃないとやりにくい。安心してものを言えない。尻拭いをしてくれるんですよ。こういう場で私がなにか言ってもいいことを言って終わってくれるし、パフォーマンスもそうで、私が人とは違うことをしちゃっても全部まとめてくれる。ここだとなんでもやりたいことができるので、本当に信頼してるし、ありがとうって思ってます。


ーー阿部さんとしてはそういう意識は?


阿部:あります。私は逆に型にハマっちゃうタイプなので、翠ちゃんもっとやってくれ! って思ってます。


ーーいい関係性です。「愛を知る」はAメロの疾走感のあるビートが特徴的ですが、歌うのは難しい楽曲ですか?


長月:前作の「青春トレイン」の方が難しかったです。「青春トレイン」はリズムが独特で歌いにくかったんですけど、今回は練習の時から聞いてきていたり、先にMVを撮ったりして頭に入っていたので、今までよりは歌いやすかったです。


米田:踊りながら歌って疲れちゃっている時は、少し遅れただけでも違和感がすごく出てしまうので、テンポが速い分そこは意識していますね。


ーー歌い方で意識している部分は?


長月:〈生きてりゃいいことあるもんさ〉とか、最後の〈愛を知る〉とか叫ぶところ。音源だとハモりで高い音も入っているんですけど、実際に私たちは高い声では歌っていなくて。なので、私はあえていつもハモっているんですよ。


米田:ちょっと高い方に?


長月:そう。高いパートを歌った方が見てる人もテンションが上がるし、自分たちも最後っていう感じがするので。今ここで初めて告白しました。勝手に歌ってるので、あとからやめてくださいって言われるかもしれないんですけど(笑)。私、そういう役割なところがあるんですよ。叫ぶ担当みたいな。勝手に思ってるだけかもしれないですけど、その役割を全うしようと思って。


ーーみなさんがラストアイドルの中で歌っていて難しいと感じる楽曲はありますか?


長月:「夜中 動画ばかり見てる…」です。サビの音程が取れないんですよ。〈夜中〉ってところが難しくて。毎回緊張します。


ーー『クリスマスコンサート』でほかのメンバーが歌っているのを見て、難しい楽曲なんだと改めて感じたのを覚えています。


長月:歌い込んだからこそ出来るパフォーマンスなので、もし自分が歌ってないメンバーで「これ、やってください」って急にセトリを渡されたら、嫌と思っちゃうくらい難しいんだなって思いました。


阿部:私は「誰かの夢が叶ったら」。


山本:たしかに。


長月:あれはヤバイ。


阿部:1期生の楽曲なんですけど、サビが異常に高いんですよ。『2周年』の時も改めてびっくりしちゃって……。


長月:阿部と私の2人は高い声を出す時、超張るんですよ。だから、2人の張り合いみたいになってます(笑)。


ーー「愛を知る」の初披露は生配信で中継されました。披露してみていかがでしたか?


長月:つらすぎる。歌うだけでも、ダンスを踊るだけでも息が切れるんですよ。それにお客さんがいないと、さらに疲れるんです。お客さんがいるとランナーズハイみたいなアドレナリンが出て来るので。リハーサルもきつくて、歌えないかもなって思っていたんですけど、いざ本番が始まったらお客さんが目の前にいるように感じられて、最後まで歌いきれました。今までで一番いい評価をいただいた実感もあります。


ーー無観客ライブを通してファンの方の存在を再認識したのではないですか?


長月:それは思いました。コメントにも愛が溢れていて、会えることの喜びとありがたみがわかりましたね。愛を知りました。


ーー恒例の質問になりますが、今後やってみたい企画はありますか?


山本:ラスアイサーカス! ずっとやりたいんです。


長月:本当にやめて! それ、前も言ってなかった!? 一人でやって。


山本:みんなと一緒に試練を乗り越える。ライオンを使ったり。


長月:動物は嫌です。人命が危ういのはやめよう?


米田:素敵!


ーー例えば、歌に特化した企画とか。


長月:はい! バンドやりたいです。


米田:やりたい!


長月:私、将来の夢が、バンドのボーカルなんですよ。決まった歌とダンスをパフォーマンスとして見せるアイドルと違って、バンドはその時々でリズムを変えて好きな音程で歌ったり、その時の気持ちに合わせて歌い方を変えられるのがすごく気持ち良さそうだなって。だから、ラスアイバンドをやりたい。


山本:ほのぴー(西村歩乃果)も言ってるよね、バンドやりたいって。


長月:ラストアイドルには、ギターとかドラムとか出来る子がめっちゃいるんですよ。4人でボーカルやりません? リトグリ(Little Glee Monster)さんみたいな。


ーーコンサートでも映えそうですね。


長月:コンサートのシャッフルコーナーでたまにあるんですよ、歌うま選抜が。でも、ほとんどこの4人は散りばめられちゃうので。みんなで本気で歌いたいですね。


山本:やりたい。ハモりたい。


ーー例えば、阿部さんは楽器をやるとしたらどんなパートがいいですか?


阿部:楽器一個もできないですけど、ドラムやりたいです。


長月:急に!?


米田:私は昔バイオリンをやったことがあるんです。その時はロバの鳴き声みたいな音しか出なかったので、また挑戦はしてみたいですね。バンドでバイオリンって、なかなかいないじゃないですか。


ーー「愛を知る」はパンクサウンドなので、合うかもしれないですね。


米田:「愛を知る」のバンドバージョンとか。


長月:やりたいです!