長年にわたってWEC世界耐久選手権のLMP1クラスを戦ってきたレベリオン・レーシング。このスイスのプライベーターチームのCEOを務めるカリム・ブハドラは、同チームが2020年以降もGT3プログラムを通じてレーシング活動を継続させる可能性があると語った。
レベリオンは今年2月、2019/2020年シーズンのル・マン24時間レースを最後にWECのトップカテゴリーを含む「すべてのスポーツビジネス活動から撤退」することを宣言した。
ブハドラは、新型コロナウイルスの“パンデミック”による影響でWECのカレンダーがリスケジュールされたため、ル・マン以降のレースでもクルマを走らせる計画をSportscar365に打ち明けたが、これとは別に2020年以降もチームは違う立場で戦い続けることになるだろうと語った。
その計画には、ロマン・デュマがドライブするクルマともう1台のダカールラリーへの投入、スポーツカーレースではプロトタイプカーからGT3カーへの切り替えが含まれている。
スイスの高級時計メーカーであるレベリオンは最近、GTワールドチャレンジ・パワード・バイ・AWSの公式タイムキーパーをブランパンから引き継いだことが確認されており、SROモータースポーツ・グループが運営するシリーズとのスポンサーシップを参入の入口に利用することを検討している。
「私たちはまず、経済危機で何が起きているのかを注視し、その後さまざまな選手権が我々に対して何をもたらすのかを見極める必要がある」と語ったブハドラ。
「私たちはGTワールドチャレンジの新しいパートナーとしてGTレーシングに参加している。それをできるだけうまく使いたいと考えている」
「GTワールドチャレンジと、SROと強力なパートナーシップを結んでいるので、(同シリーズを戦う)チームを作るために何かをするつもりでいることは確かだ」
「今のところ確定しているものは何もないが、私たちは起業家精神に溢れており、ただのタイムキーパーとして留まるだけでは満足できない。おそらく、このチャンピオンシップは私たちの価値を見いだせると思う、どうだろうか?」
このようにかなり前向きに検討を進めているブハドラだが、チームが走らせるクルマや、欧州・北米・アジアという3つの地域のどのシリーズに参加したいかなど、プログラムの詳細を話し合うのは「時期尚早」であることを認めている。
「すべての選手権が異なる性質を持つため、それぞれのチャンピオンシップを理解するには最初の1年で経験を積む必要がありそうだ」とブハドラは述べる。
「我々もレースについては知っているが、すべてのシリーズでその構造や組織が違う。挑戦する舞台を決定する前にこれを理解したいと思っているんだ」
「また、チャンピオンシップに参加しているすべての人とのつながりを作るためにも、参加者を知る必要がある」
「それらは私にとって新しい本を開くことであり、私たちはそれから物語を書き始めるんだ」