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三陽商会が4期連続の赤字決算、百貨店や商業施設の休業で純損失26億円

2020年04月14日 13:12  Fashionsnap.com

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ギンザ・タイムレス・エイト(2019年9月撮影) Image by: FASHIONSNAP.COM
三陽商会が2020年2月期の決算を発表した。新ブランドの立ち上げや、大型直営店と運営セレクトショップのリニューアルなどに積極的に投資したものの、消費税増税、自然災害、記録的暖冬、新型コロナウイルスの流行といった外的要因により、売上高は688億円6,800万円(2018年12月期は590億9,000万円)、営業損益は28億7,500万円の赤字(同21億7,600万円の赤字)、経常損益は28億円9,900万円の赤字(同19億5,000万円の赤字)で、減収減益となった。また、親会社株主に帰属する当期純損益は26億8,500万円の赤字(同8億1,900万円の赤字)で、18億円以上赤字が拡大。同社は2016年度から3年連続で最終赤字を計上しており、今期で4期連続での赤字決算となった(2020年2月期から決算期変更)。

 同社は2019年に20代後半~30代前半の女性がターゲットの新ブランド「キャスト:(CAST:)」や、パーソナルオーダースーツブランド「ストーリー アンド ザ スタディー(STORY & THE STUDY)」をスタートしたほか、直営店の「三陽銀座タワー」をフルリニューアルし、「ギンザ・タイムレス・エイト(GINZA TIMELESS 8)」としてオープン。また、ブランド誕生15周年を迎えた「ラブレス(LOVELESS)」のリブランディングにも着手した。昨年10月には、経営責任体制を再整備するためとして、岩田功氏が代表取締役社長兼社長執行役員から取締役に降格し、取締役兼常務執行役員だった中山雅之氏を社長とする新人事を発表していた。
>>三陽商会が岩田功社長の降格を発表、バーバリーショックから抜け出せず
 今後の計画としては、従来の売上高拡大の成長戦略を見直し、利益額と利益率を重視した商品政策と販売政策に方針を転換。需要にあった商品調達を徹底することで値引き販売を削減し、適切な粗利益の確保、店舗の販売効率向上を目指す。これらを含む大幅改変による販管費の削減を通じ、営業損益を5億円の黒字に回復させるという。なお、2021年2月期通期連結業績予想については、新型コロナウイルスの終息時期が不透明で、政府による緊急事態宣言を受けて同社の主要販路である百貨店や商業施設が臨時休業、営業時間短縮の措置を取っていることなどから、業績への影響額の算定が困難であるため未定とした。