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日本上陸決定のDisney+が加入者5000万人突破 NetflixやAmazon超え“遅れてきた覇者”となるか

2020年04月14日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 米エンターテイメント大手のウォルト・ディズニー社は4月8日、動画ストリーミングサービスDisney+の有料会員が、ローンチから僅か5カ月で全世界5000万に到達したと発表。これを受けて、同社の株価は約7%上昇した。


(参考:Netflix、YouTubeが失速? Apple、ディズニー参戦で新時代迎える“動画ストリーミング戦争”の裏側


・西欧とインドで次々にローンチ
 2019年11月にアメリカでローンチしたDisney+は、初日に1000万人の加入者を集めた。2020年3月24日からは、西欧諸国でサービスを開始。インドでは、4月3日開始で既に800万人が加入している(参考:https://thewaltdisneycompany.com/disney-paid-subscriber-count-surpasses-50-million-milestone/)。


 ウォルト・ディズニー社のケヴィン・メイヤー氏は「今年後半の、西欧、日本、ラテンアメリカでの拡大に向けて良い兆しです」と述べる。


 Disney+では、ディズニー、ピクサー、マーベル、スターウォーズ、ザ・シンプソンズ、ナショナルジオグラフィック等、500を超える映画や350以上の番組を楽しむことができ、ウォルトディズニースタジオの最新リリースの独占ストリーミングも行っている。


・新型コロナウイルス感染拡大でファミリー層が大量契約
 『Forbes』は、ストリーミング分析会社のAntennaのデータを引用し、子供と一緒に楽しむ親の多くがDisney+を契約したと伝えている(参考:https://www.forbes.com/sites/arielshapiro/2020/04/08/disney-passes-50-million-subscribers-in-first-five-months-star-wars-marvel/#bf9a4dc60fb4)。


 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)により、休校も相次いでおり、多くの人々が、自宅で過ごすことを余儀なくされている。


 ウォルト・ディズニー社は、テーマパーク事業が軒並み閉鎖で、『ムーラン』や『ブラック・ウィドウ』といった待望の新作の制作が中断し、リリースが延期になるなど大打撃を被ってしまい、危機を乗り切るために新たな借り入れまでしている。そんな苦境での、Disney+の好調な滑り出しは、同社にとって朗報といえるだろう。


 これについて、『Gamespot』は「Disney+は予想よりもはるかに速く成長し、新たなマイルストーンに到達」という見出しで報じている(参考:https://www.gamespot.com/articles/disney-is-growing-much-faster-than-expected-reache/1100-6475828/)。


 同記事では新型コロナウイルスにより、多くの人が映画や番組を探していることが、加入者増加に大きく影響して可能性があるとの見方を示している。また『アナと雪の女王 2』や『2分の1の魔法』の前倒しによるデジタル公開も注目に値するという。


・初速はNetflixとAmazonの20倍以上、世界の頂点極めるか
 Disney+は当初、2024年までに6000万~9000万人の加入者を見込んでいたが、Walt Disney傘下で、3000万人を超える加入者のいるストリーミングサービスHuluを既に上回っている。


 Disney+は現在、サブスクリプション型のストリーミング市場で、世界第3位だ。1位は加入者1億6700万人のNetflixで、2位は1億5000万人のAmazon Prime Videoだ。NetflixとAmazonは、加入者5000万人に到達するのに10年を要した。


 現在のストリーミング全盛時代と背景は違えど、Disney+の初速は、20倍以上で、しかもまだ日本を含む多くの有望市場に進出する前だ。これは、世界一に上り詰めるのも時間の問題ではないか、と思わせるような驚愕の勢いと言っていいだろう。


(Nagata Tombo)