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『エール』裕一の音楽に対する意志の強さ 窪田正孝の演技は子役とのつながりを感じさせる

2020年04月13日 12:31  リアルサウンド

リアルサウンド

『エール』(写真提供=NHK)

 福島商業学校で学ぶ裕一(窪田正孝)は留年し、2回目の4年生を送っていた。裕一は相変わらず音楽に夢中で、授業中も作曲に熱中する始末。教師に怒られ、廊下に立たされても、裕一の頭の中は音楽でいっぱいだった。NHKの連続テレビ小説『エール』が第3週の初日を迎え、音楽に対する裕一の意志の強さが描かれた。


【写真】曲がひらめいた裕一(窪田正孝)


 子ども時代の裕一を演じた石田星空からバトンタッチした窪田。窪田演じる裕一は、子ども時代と変わらず、気弱な言動を見せる。だが、音楽のことを考えている裕一の目は、石田演じる裕一がはじめて西洋音楽に出会ったときの目の輝きを受け継いでいた。


 裕一は独学で音楽の勉強を続けてきた。弟の浩二(佐久本宝)は、音楽に夢中で落第した兄と、そんな兄に甘い両親に反発。商売をする家の息子が商業学校へ行くのが当たり前だった時代に、高等学校を目指すことを決心する。そんな弟の決意に、裕一は「あっ、いいんじゃない?」とあまり関心がない様子。裕一の頭の中は、いつでもどこでも音楽でいっぱいなのだ。


 だが裕一は、ハーモニカ倶楽部の会長・舘林(川口覚)にかけられた辛辣な言葉に戸惑うことになる。「本気で音楽家になるつもりだったの?」「夢はいくらでも持ちたまえ。ただ、人間、身の程を知ることも大切だよ」


 父・三郎(唐沢寿明)からも音楽家の夢について聞かれた裕一は、「父さんも…無理だって思ってんの?」と不安げだ。裕一は、「音楽家になれ」「好きなこと、得意なことに力を尽くせ」という三郎の言葉を信じていた。三郎は「成長すっと(好きなことが)変わる場合あんだろ」と言うが、「変わんない…逆に、日々募ってる」という裕一の返事は、彼の音楽への強い思いを明らかにした。


 SNS上では「窪田くんの中に石田くんが見える! あの子が大きくなった感じのままだ!」「子役から窪田正孝さんへなんの違和感もないの凄い」と、子役とのつながりを感じさせる窪田の演技を絶賛する声があがっていた。気弱だが、音楽にひたむきな裕一は、家業や勉学に対する問題にどう立ち向かっていくのか。今後の展開に期待が高まる。


(片山香帆)