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「仙台メルパルク」結婚式トラブル、無関係のプランナーに「人生ぶっ壊した」中傷やまず…対応しない勤務先を提訴

2020年04月13日 10:21  弁護士ドットコム

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ホテルのウェディングプランナーだった女性が、客とのトラブルが発生した際に勤務先が虚偽の説明をし、ネットで中傷された女性の名誉回復などの措置をとらなかったのは安全配慮義務違反だとして2月20日、ホテルの運営元であるメルパルク株式会社(東京都千代田区)に対し、約330万円の損害賠償を求めて仙台地裁に提訴した。


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女性が勤務していたのは、ホテルメルパルク仙台。トラブルの発端は、2019年6月にメルパルク仙台で式を挙げた夫婦が、式場側の不手際をネットで訴えたことだった。テレビなどでも大きく報じられ、式場側に批判が殺到した。



その後、参列した夫婦の友人が、提訴した女性プランナーの名前を一部伏字にして「友達の結婚式がぶち壊されました」などとツイート。批判の矛先は、女性プランナーに集中した。



ネット上には、女性のフルネームや住所などの個人情報が掲載され、「人の人生ぶっ壊したの あなただよ」、「愉快犯に殺されそう」といった書き込みがなされた。事態は警察が女性や女性の家族のパトロールをするまでに発展。女性は体調を崩し、2020年1月に退職していた。



●ネットで中傷も相次ぐ

訴状などによると、女性は2018年4月からメルパルクに出向。今回問題となった結婚式では、初回時の客に対応する「受付班」として、夫婦に接客していた。その後、担当は同僚のプランナーに引き継がれ、同僚が挙式まで数カ月かけて打ち合わせをおこなった。



式当日は、夫婦からの事前のお願いが複数果たされなかった上、招待客の引き出物の中に発注表が入っていたり、食事が打ち合わせした内容と違ったりするなど、不手際が重なった。



その後、同僚と婚礼マネジャーは夫婦に対し、「(原告の)女性が勘違いし、それを同僚がフォローした」、「(夫婦と)一緒に(女性を)怒りたい」など、責任の多くが女性にあるかのような説明をしたという。



その結果、夫婦から話を聞いた参列者が、7月上旬からSNSで発信。真偽入り混じった情報が発信され、ネットでは「●●(女性の本名)ってクズが自殺実況すれば丸くおさまりまっせ」、「こんな悪人には死んでもらうほかないでしょ」などの書き込みがされた。



職場には「●●(女性)を出せ」など嫌がらせや苦情の電話が相次ぎ、勤務できる状況ではなかったという。



女性側は、同僚や婚礼マネジャーが誤った事実を夫婦に説明した行為について、会社は使用者責任を負い、会社が女性の名誉回復や被害拡大の防止のため、記者会見などの措置を何も取らなかったことについて、安全配慮義務違反があったと主張。慰謝料300万円のほかHPへの謝罪文掲載を求めている。



●メルパルク「係争中のため、コメントできない」

女性の代理人弁護士によると、会社から女性に対し謝罪などがなかったため提訴に至ったという。



「会社として、どのように従業員を管理し、再発防止を考えていくのか。労働者の安全管理をどう図っていくのか。それを明らかにすることが訴訟の意義」と話し、今回の訴訟は労使の問題と位置付けている。



メルパルクは弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「係争中のため、コメントできない。詳細については訴訟の中で主張していく」とコメントした。