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香取慎吾の「#NURIEdeART_うちで踊ろう」“ぬりえ”に挑戦 色を入れる作業は心のスキマが埋まるような感覚に

2020年04月13日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

「#NURIEdeART_うちで踊ろう」筆者が挑戦したぬりえ

 香取慎吾が「#NURIEdeART_うちで踊ろう」のハッシュタグを付けて自身が一枚の絵を完成させる動画をアップした。「うちで踊ろう」とは、4月2日に星野源がInstagramに投稿した弾き語り動画のこと。新型コロナウイルスの感染拡大予防のために外出自粛が叫ばれている中で、少しでもうち(自宅のみならず屋内や、外出せざるを得ない人々にとっては心の“うち”)で、楽しく過ごせるようにと願いを込めて作られたものだ。


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 「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」との呼びかけに、多くの人々が賛同。「#うちで踊ろう」のハッシュタグと共に瞬く間に広まり、国内外を問わず様々な動画が投稿された。一緒に歌ったり、踊ったり、思わずクスッとさせられるユーモアを感じさせるものや、「お~!」と才能に驚かされるものも。そのなかで、香取が披露したのは、得意のアートだった。


 Twitter、Instagramで公開された動画では、香取が白い大きな紙に、黒いペンで描いていく姿が映し出される。体を揺らし、リラックスした様子の香取が最初に描いたのは、小さな家。そして、その下には大きな手が重なり合うように描かれ、星野が歌う〈全ての歌で 手を繋ごう〉という歌詞ともリンクしているように感じられる。


 感染予防のために、人々との接触に警戒しなければならない現状に、私たちは想像以上のストレスを感じている。助け合いたいのに、物理的に離れなければいけないもどかしさ。直接、手を取り、声を掛け合うことができない難しさ……そんな今だからこそ、絵(心)の中では手を重ねるイメージを共有する大切さ。そして、太陽と雲、星と月が描かれた左右の人は、それぞれ昼と夜を想像させ、たとえ家の扉が閉ざされていたとしても、いつだって世界と繋がっていることを表しているようだ。


 そして、重なり合った手の内側には、たくさんのハートが並び、家の上には虹がかかる。人びとに愛を持って接しよう。そうすれば、きっとこの鬱屈とした気持ちが晴れる日が来るから。手の間の空間が、まるで笑顔の口のように見え、そんなメッセージが込められているようだ。


 また、動画の投稿にとどまらず、ファンも参加できる仕組みを作ってくれるのが、香取らしいところ。「ぬりえでアート 好きな色で好きな色に! #NURIEdeART_うちで踊ろう #香取慎吾 #ぬりえ #塗り絵 #SHINGOKATORI #STAYHOME」と、色を塗る前の画像をシェア。


 さらに、「どうやって塗ってますか? スクショして? スマホの機能で? 何かのアプリで? プリントアウトして? 遊び方わからない人に おしえて! #教えて世界」と、塗り方がわからない人をサポートするツイートも。


 「#教えて世界」は、かつて香取がSNSデビューした直後に、よく使われたハッシュタグ。わからないことを恐れずに聞くことができるやさしい空気を自らが作り、ファンたちと一緒にSNSの楽しさを見出していったのを思い出す。プリントアウトして香取のように絵の具などを用いてアナログで塗るのもいいし、スマートフォンのアプリを使ってデジタルで楽しんでもいい。さまざまな方法を模索するのも、またアートの楽しみ方だ。


 筆者も、さっそくコメント欄の助言を頼りにアプリでぬりえに挑戦してみた。塗りつぶしツールで、空間に色を入れていく作業は、心のスキマが埋まっていくような感覚だ。また、香取らしい細かな書き込みも、ちょうどいい難易度。白い空間を触ったつもりが線を選択してしまい、一気に塗りつぶされるなんていうハプニングも楽しい。「そのままこの色にしてしまおうか。いや、もっとこっちの色がいいかも?」と、自問自答するうちに、日々飛び交うネガティブな情報から少しだけ距離を取れていることに気づく。体はもちろんのこと、心も健やかに過ごすためにも、ぜひ「#NURIEdeART_うちで踊ろう」を試してみてはいかがだろうか。(佐藤結衣)