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『美食探偵 明智五郎』は4月期ドラマの希望の光! 中村倫也と東村アキコ作品の化学反応に期待

2020年04月12日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『美食探偵 明智五郎』(c)日本テレビ (c)東村アキコ/集英社

 本来なら新年度のスタートと共に、4月期のドラマも始まるはずだった今日この頃。新型コロナウイルスの影響で撮影が一時中断、スケジュールが大幅にずれ込み、新ドラマの多くは放送延期を余儀なくされている。4月11日現在、延期が決まっている作品は以下の通りだ。


■放送延期ドラマ一覧
・『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)
・『MIU404』(TBS系)
・『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)
・『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系)
・『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)
・『ハケンの品格』(日本テレビ系)
・『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)
・『ディア・ペイシェント~絆のカルテ~』(NHK総合)
・『半沢直樹』(TBS系)
・『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』(テレビ東京系)
・『天使にリクエストを~人生最後の願い~』(NHK総合)


 そんな中、4月12日から放送される『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)は、GP帯ドラマで予定通り放送される数少ない作品の1つだ。ドラマ公式Twitterにて、「2020年1月から撮影しているため、予定通り4月12日から放送を開始します。現在、ドラマの撮影は止めて、事態の推移を見守っております」と投稿があるように、早い段階で撮影に入っていたという。本作は中村倫也がGP帯ドラマ初主演となる作品でもあり、視聴者からの注目度も高い。延期にならず胸をなでおろしたファンも多いことだろう。


【写真】小池栄子の頬に手を当てる中村倫也


 物語は、明智が持ち前のグルメの知識を使って殺人事件を解決しながら、殺人鬼へと変貌する主婦(小池栄子)と対決する様子を描くサスペンスストーリーだ。原作は東村アキコの同名コミックス。東村原作のドラマ化は数多く、『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)の坂口健太郎や『偽装不倫』(日本テレビ系)の宮澤氷魚など、作品でブレイクを果たした俳優も多い。今回の中村の起用は、東村作品とどんな化学反応を起こすだろうか。


 本作が放送される日本テレビ系列日曜10時半枠と言えば、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』、『あなたの番です』、『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』など、ドラマとしては挑戦的ともいえる作品が多い。さらにブレイク中の俳優をいち早く主演で起用することでも話題を呼び、俳優×異色の作風という仕掛けでヒットを飛ばしてきた枠である。


 『あなたの番です』は2クール連続での放送で、長期で同じ作品を描くことで、伏線はより多く、物語にたくさんの謎を仕掛けることができたため、ドラマに対して“考察ブーム”が生まれるきっかけになった作品だ。さらに『今日から俺は!!』でコメディの才能を世に知らしめた賀来賢人を『ニッポンノワール』でシリアスな顔を見せる刑事として起用。『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)で注目を集めた横浜流星を『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』に、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で話題になった田中圭を『あなたの番です』の主演に起用するなど、前述の通り話題の俳優をいち早く主演に抜擢するといった試みも多く、中村もその流れに続く起用に当たるだろう。


 物語の軸となる、「食」×「ミステリー」を題材にした作品といえば、東山紀之主演の『喰いタン』シリーズ(日本テレビ系)が記憶に新しい。『喰いタン』は主人公の聖也(東山紀之)が自慢の“舌”を頼りに事件を解決する作品であり、美味しそうな料理の数々を東山が嬉々として頬張る姿が見どころだった。「食べ物」はドラマとして非常に絵力があり、昨今だと『グランメゾン東京』(TBS系)や『孤独のグルメ』シリーズ(テレビ東京系)など、“食”を軸に描いて人気を博した作品が多くある。人は“美味しそうなもの”に自然と惹かれていくものだが、そこにミステリーという人々の好奇心をそそる題材を掛け合わせることで、本作はより強固な魅力を放つだろう。


 カメレオン俳優として名を馳せてきた中村は、近年ではヒロインの相手役も多く、『初めて恋をした日に読む話』の山下や『凪のお暇』(TBS系)のゴンなど、作品を重ねるたびに、違った魅力的な役で多くの視聴者を夢中にさせ続けている。「超・超・変わり者」という明智のキャラクターで、私たちは一体どこまで中村の魅力に翻弄させられることになるのだろうか。


 未曾有の事態となってしまったこの時流で、予定通り放送が決まった『美食探偵 明智五郎』は、“#StayHome”中の人々の心をリフレッシュするという大切な役割を担う。“コロナ疲れ”など、気が滅入っている人が増えてきた今、本作が新たな風を吹き込むことで多くの人に元気と希望を与えてくれる存在になるだろう。


(Nana Numoto)