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“コスチューム事件”起こした快と“湘南枠の新人”玲生の対比が目立つ 『テラスハウス』第39話未公開映像

2020年04月11日 11:51  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 Netflixで配信されているリアリティーショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』。4月7日にYouTubeにアップされた未公開映像には、先週の修羅場を機にテラスハウスを卒業した快の卒業インタビューや、新メンバー玲生のインタビューが収められた。


 以下、今回の見どころをレポートする。本編のネタバレもあるため、ご注意いただきたい。


(参考:『テラスハウス』東京編・第39話ーー修羅場を経て、“洋さん”の遺志を継ぐ新メンバー登場


「一番大事なもの、肝心なものを最後の最後に実感して思ったから…」


 38th WEEKではテラハ史に残る修羅場となった「コスチューム事件」が勃発し、当事者となった花と快の関係は険悪すぎる状態に。そのため、視聴者からは今後、2人の関係はどのようにして修復されるのかに注目が集まったと思うが、結果的には快が卒業を決めたため、テラスハウスとして、その後の関係が描かれることはなくなった。


 花のコスチュームをダメにしたことを含め、今までの自分の行動を省みて、深く反省、謝罪の言葉を口にする快は、今までの生活を改め、バイトをして弁償することを花に誓った。しかしながら、スタジオの山里も”地獄のセリフ”と表現したが、社長こと俊幸の「ジョインしない?」がまさかこんな結末を呼び込むことになるとは…。結局、快がテラスハウスに残したのは、”自堕落で他人のことを気遣えないコメディアン志望の男”という印象だけであったが、最後の最後では俊幸のグレープフルーツの皮をむくという謎の気遣いを見せたことによって、一応の成長は感じさせている。それだけに”アフター京都後”の成長の姿が描かれないのは残念でならない。


 ただ、快は本当にこれから変わることができるのだろうか? 未公開映像の卒業インタビュー「10万は返しますけど……いかついな……」では、そのことについて検証したいと思わせられる部分が多く見られた。まず、「一番大事なもの、肝心なものを最後の最後に実感して思ったから…」と「コスチューム事件」からの卒業の動機を語る快。そこからは本編と同じように一応の反省の色が見える。そして、テラスハウスでの自身の成長についても語られるが、トランポランドと京都旅行の経験値とは一体何をさすのだろうか? 正直、疑問を持たずにいられない。そのため、東京編の初期メンバー翔平に対して以前、内装の現場監督がかけた「ふわふわしてんな」という言葉が急に頭に浮かび、今こそ、それが快に対してかけられるべきだと感じた。


 その「ふわふわしてんな」という言葉はスタンダップコメディでセリフが飛んだことの振り返りに対してもかけられるべきであり、「コスチューム事件」でのコスチューム弁償問題に関しても、バイトはしているけど、大した稼ぎにならないから、「2週間、3週間かかるかも…」と本編のセリフを容易に覆す荒技を見せてしまうだけに、快の成長に対する疑問が払拭されることはない。


 もちろん、様々な社会事情もあり、こういった場合の経済状況は考慮するべきだが、最初に公言した期間を平然と覆すのはいかがなものか?と思う。せめて、「2週間必死に働いた分は先に花に渡して、残りは約束の期日には間に合わないけどできるだけ早く返すためにバイトも今、増やしています」くらいは口にしてほしいものである。そういった内容なのでこのインタビューの設問のほとんどの快の回答には「ふわふわしてんな」というツッコミがセットになってしまう状態だ。それがなんとも香ばしい。


 またインタビューでは花への想いが語られるが、快は2人の関係について「タイミングがあってなかった」と口にしている。本インタビューの冒頭に戻り「大事なもの、肝心なもの」を実感したのであれば、これを機に今度は「ふわふわ」した状態を改め、いついかなる時でも”タイミング”を合わせていける自分になってほしいものである。京都の一条戻橋にはあの世のとこの世をつなぐ場所であり、鬼が住む場所だという。


 このような惨劇を生み出した京都旅行は、まさに例の”ジョインしない?”に鬼までもくっついてきたのか、結果的に快の人間性を残念な形で暴露する結果になってしまった。今後は、ぜひとも本編で俊幸に指摘されたように「ストイック」にスタンダップコメディアンの道を歩んでほしいので、「ふわふわしてんな」というツッコミは今回までにしておこう。


 一方、ほかの未公開映像では新メンバーの玲生のインタビューと、本編でもフォーカスされた彼とビビとの食卓の様子のつづきが収められている。夜空に浮かぶ星に、旧テラハきっての名物キャラクターだった洋介を重ねる本編のシーンは、かねてからのテラハファンにとっては”エモエモのエモ”なシーンで、インタビューでもその想いは語られる。


 そんな彼は以前からの”湘南枠”の新人という立ち位置であり、登場初回はまさにかつての”初期洋さん”を思わせる”大人”な振る舞い、気遣いの様子が目立った。また入居インタビューでは、サファーというバックグランドもあり、環境問題にも関心を持ち、SDGsな観点で物事を語っていたが、そのスタンスは未公開映像でも見られ、ビビとの距離も一気に縮まりそうな予感を匂わせた。


 洋さんはその後、キャラ崩壊を起こし、最終的にはそのせいで良くも悪くも大きな爪痕をテラハ史に残すわけだが、果たして玲生の本性もまた別のところにあるのだろうか? 機になるところだ。そういう意味ではテラハによって、素の姿を晒すことになった”自分ファースト”の快と入れ替わりで入ってきた自分以外のことも考えられる玲生のコントラストが、本編でも未公開映像でも目立ったのがこの39th WEEKだろう。


 また東京編はこれまで”都市生活を過ごす現代の若者らしさ”が入居者から見て取れることが印象的なシーズンだったが、”男同士の友情”を語る玲生の登場によって、東京編にその先祖返り的な変化ももたらされることになるのだろうか? その行方にも注目したい。


(Jun Fukunaga)