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水溜りボンドの『ANN0』本日2回目の放送 バズを起こした第1回をおさらい

2020年04月09日 18:21  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 2020年4月より『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)の木曜パーソナリティーを務める、人気YouTuberコンビ・水溜りボンド。その初回放送が4月2日に行われた。YouTuberがANNの帯レギュラーに抜擢されることは初となり、その記念すべき第1回目に注目が集まった。今夜放送される第2回放送に合わせて、初回放送のハイライトをご紹介したいと思う。


(参考:水溜りボンドが語る『オールナイトニッポン0』レギュラー放送への意気込み「ゴールではなくスタートに」


・満を持してのレギュラー化
 水溜りボンドは昨年7月13日にANN0にて一夜限りのパーソナリィーとして大抜擢。放送内では二人の十八番企画である“ドッキリ”を相方に仕掛けるなど、動画投稿と連動した内容が好評を得て、今年1月1日の年明け一発目のANN0に起用。日本各地でトークライブを行ってきた二人の確かなトーク力にYouTubeの視聴者だけではなく、ラジオリスナーも安心する形で、その2回の放送を経ての、満を持してのレギュラー放送となる。


・岡村隆史・KingGnu井口理から繋がれるバトン
 水溜りボンドの初回放送前には、ANN第一部を長年務めるあのナインティナイン岡村隆史の番組内に二人が登場し、ラジオブース内での初対面となった。YouTuber=“おでんをツンツンする人”や“タバコのポイ捨てを注意しては殴られる人”という偏った印象を持っていた岡村の二人への第一声は「こわい!!」。水溜りボンドを“チェンソーを振り回しながら、ボンドで切って貼っては、またチェンソーを振り回す人達”という、どこから出てきたか分からない恐ろしい印象により、度々スタッフによって入れられるチェンソーのSEと、それに負けじと腰を低くする水溜りボンドの二人。最後には「思ってるより良い人そう」との印象を語り、二人の動画を見てYouTubeを勉強することを約束! 長年テレビの第一線で活躍してきた岡村と、現在YouTubeの第一線で活躍する二人が距離を縮める記念すべき瞬間となった。


 そして、前年度1年間ANN0のパーソナリティーを務めた、大人気バンド・KingGnuの井口理からはTwitterで二人にエールが送られた。それに応える形で、水溜りボンドの初回放送1曲目には同バンドの「飛行艇」をセレクト。“井口ロス”に悲しむラジオリスナーに、二人の誠実さややる気が伝わる形となり、バトンが繋がった。


・「誰なんだ君は!?」
 現在427万人のYouTubeチャンネル登録者数を誇る水溜りボンド。しかし、ラジオ業界やお茶の間にはまだ“ユーチューバー”である自分たちは知られていない存在として、謙虚に自己紹介からスタートした。“普通より襟足の長い大男である外国人ではない日本人トミー”と、“つむじが5個あって・マレーシアで生まれ育った・マイケルというミドルネームを持つ日本人小男カンタ”という、クセは強いが真実でしか構成されていない自己紹介の後、自分たちの思いをきちんと語りはじめる。


 ラジオが好きでずっとやりたいという話をしていた中でのレギュラー抜擢は夢のようで、「自分たちはTVやラジオなどには呼ばれたり、出て行ったりすることはないんだろうなと思っていたので、自分たちで表現する場を作ろうとYouTubeを始めた」とトミー。カンタは岡村さんがANN(当初はANN0)を始めたのがまさに自分の生まれた年1994年の、生まれた日である4月4日であるとし、自分たちがここに座るまでの25年間一つの看板ラジオを守り抜いてきたことや、それを支えてきた多くのラジオリスナーたちに敬意を表しながら、このラジオを聴いてくれるリスナーと「関係値をきちんと築いていきたい」と語った。


・トレンド1位、サカナクション山口一郎も反応
 放送開始直後より、早くもTwitterで番組のハッシュタグ「#水溜りボンドANN0」が日本のトレンド1位を記録。放送に対しての視聴者数や注目の高さを示した。そして、記念すべき初回放送のタイトルコールには、サカナクションの楽曲『モス』をチョイスしたことで、すぐさま、サカナクション山口一郎本人がTwitterで反応するという一幕も。山口は「ゲストに呼んでー。笑」とのことで、大の音楽好きかつ、もちろんサカナクションのファンでもあるカンタは大興奮。後のコラボが期待される嬉しい事態となった。


・早くもカンタの“サイコパスみ”が顔を出す
 番組前半では、お便りによる二人のトークが繰り広げられ、その中のエピソードでカンタの素である“サイコパスみ”が露呈した。人一倍真面目そうで、実際に真面目ではあるカンタだが、気づくと飲み会では姿を消していたり(本人曰く「すごいスピードでいなくなる」)、バイト先では理不尽なことがあったらその場で帰るなど、じわじわと真のカンタの面白さが発揮されていく。


 続くコーナーでも、そのサイコパスみを開花。初コーナーである『さよならチェンソーの会』では、YouTuber=こわいなどの偏見や実際にこわいエピソードなどを“チェンソー”と呼び、その者やそのエピソードに対して“悔い改めさせる”コーナー。コーナーを進行するのはカンタで、ヒーリング系のBGMが流れる中、天界の者のようないつもは出さない謎のささやき声を出し、一人称「わたくし」、「浄化」などのパワーワードを発しながら、別人格を見せるカンタにリスナーが震撼。動画を見続けてきたファンも見たことがない、カンタの新たな一面が浮き彫りになった。


・2018年までaikoを知らなかった謎の男・トミー
 カンタも変だが、実は相方も変な水溜りボンド。音楽をまったく知らないトミーがこの世で知っているのは、aikoの「カブトムシ」とドラマ『ルーキーズ』で知ったGReeeeNの「キセキ」の2曲だけであるという話題に。しかも、その内の1曲である「カブトムシ」は、動画内で知らなかったことを視聴者にいじられて知ったもの。その後、聴こうと思うが、楽曲の“手に入れ方”すら分からなかったトミーは、どこで手に入るのかをTwitterで質問。それになんとaiko本人がリプライをくれるという珍事を経て、きちんと知ることとなった。


 嘘のようなネタのような話に思えるが、かつて動画内で機械オンチすぎて“WebMoney”が分からず、LINEを乗っ取った詐欺師を呆れさせたこともあるトミーを知る人なら、納得できるのではないかと思う。


・YouTuberらしいラジオコーナー続々発表
 最近では人気俳優の佐藤健や川口春奈、お笑い芸人の江頭2:50、宮迫博之らをはじめとした、芸能人の参戦も目立ってきているYouTubeの世界。そんなYouTubeに関する質問や企画案などを、5年間毎日投稿を続け、YouTube界のトップを走る水溜りボンドに直接質問・意見を聞くことのできる「週間ラジTube」。そして、もう一つはYouTuber初のANNレギュラーということで、リスナーに深夜ラジオのいろはを手ほどきしてもらおうという『水溜り。をプロデュース!』というコーナー。どちらも、二人やYouTubeが好きで聴き始めたリスナーと、ラジオをずっと聴き続けてきたラジオリスナーに橋をかけるコーナーになるのではないかと期待が高まる。


・二つの視聴層がエンターテイメントをより面白くする
 今をときめくトップYouTuberでもある二人だが、終始“ユーチューバー”としての看板を背負い、エンターテイメント業界に敬意を払いつつ、しっかり二人の個性が際立つラジオとなった。初回放送で緊張が随所に垣間見えたが、カンタの天然混じりのボケや、ある一定の“クセ”、それに的確にツッコむトミーの掛け合いの面白さが今後さらに発揮できれば、“ユーチューバー”としての偏見で終わらずに、一般ラジオリスナーにもきちんとその実力を受け入れられそうだ。


 中高生や10代の若者が視聴者が多いとされるYouTuberの世界だが、普段ラジオを聴くことがない/もしくは聴いたことのない若者がラジオというカルチャーに触れるきっかけにもなり、逆に普段YouTubeを見ることのない/もしくは芸能人のチャンネル以外見たことのない視聴層が20代の若者がひたむきに取り組むYouTuberという職業を知り、互いにその垣根を越えることになれば、新たなエンターテイメントの形が生まれるのではないか。第二回の放送を前に、筆者はそう願っている。


(こたにな々)